アメリカの週刊医学雑誌、PLOS Medicine に載せられた医師へのアドバイス記事によると、お酒を飲んだあとに赤くなる人は「食道ガンになるリスクが高い」ことがわかったよう。この赤くなる症状は特にアジア人に多く現れ、食道ガンの発症件数データを見てみると、アジアがダントツでトップ。また、ガンだけでなく不安障害高血圧を引き起こしやすいという研究結果も。

日本人を含む約3分の1の東アジア人は、ALDH2というアルコールを分解する酵素がないとされており、お酒を飲んだ時に血中アルコール濃度が下がらず、その結果アレルギー反応を起こし、顔が赤くなるのだそう。

実はこれ、稲作文化と関係があるとも言われている。

お米を栽培するには良質な水が必要とされ、稲作が活発だった東アジアにはお酒でなくとも人間が安心して飲めるキレイな水がたくさんあったと考えられる。

そのため、体がアルコールを分解する酵素を必要とせず、長い進化の間にその酵素はなくなっていったとのこと。

もちろん酵素のありなしだけでなくガンや精神障害、高血圧を引き起こす危険因子(例:喫煙など)はあるけど、1つの健康のバロメーターとしてお酒を飲んだあとに顔が赤くなるかどうかをチェックすることは使えそう。

チェック項目

1.お酒を飲んで赤くなるか

まず、ガンなどのリスクがあるかどうかチェック。

2.今は、赤くならないとしても、お酒を飲み始めた最初の1~2年の間、赤くなっていたか

これで、アルコール依存症になりやすいかどうかさらにチェック。

「飲み始めの時は赤くなっていたけど今はもうならない」という人ほどアルコールに対して耐性ができやすいサイン、つまりアルコール依存症になりやすいそう。

「アルコールを分解するALDH2酵素がないから食道癌や不安障害、高血圧になる」という絶対の因果関係はまだ解明されていないないものの、健康で長生きするためにはアルコールの摂取量を減らすのがいいかもしれませんね。