グレース・ヴィクトリーさんは、イギリスでベスト・ユーチューバーに選ばれたこともある人気ビデオブロガー。でも、明るく、パワフルな彼女のたどってきた道のりは、決して平坦ではなかったよう。精神の病に苦しんでいたヴィクトリーさんが自分を愛せるようになるまでのリアル・ストーリーを、コスモポリタン イギリス版から!

ただ自分を愛するべきだと知るのではなく、どうやって愛するか、また、自分を愛していいのだということも、教わる必要があったのです。

「私はかなり小さい頃から、うつ状態にありました。とても複雑な家庭環境の上、父が暴力的だったので、私の精神はまいってしまったのです。当時は自分の気持ちを言葉にすることができなかったので、食べ物に逃げるしかありませんでした。

さらに、雑誌やテレビでは白人女性が"理想的な美"とされていて、それは自分とはかけ離れていました。家庭でも自分は評価されていないし、社会は私にもっと細く、小さくなれと要求してくるため、かれこれ10年ほどもがきました。その結果、うつ病、不安症状、摂食障害、ボディイメージの悪化、自傷行為などに苦しみました。自分には助けが必要だし、自分の問題を口に出さなくてはいけないと気づくまでに、とても長い時間がかかりました。

大きくなるにつれ、いくつかの精神の病を同時に繰り返しました。精神的な問題の背後には必ず何らかの理由があるのですが、無意識下で何が起こっているのかがわからないと、対応もわからず、悪循環に陥ってしまいます。問題の根源を突きとめることで、初めて適切に対処できるのです。

私が支援を得られたのは、21歳のときでした。いつも大きな灰色の雲に包まれているようで、疲れ切っていました。自分ではもう手に負えず、セラピーを受けることが唯一の選択肢だと思いました。実際、セラピーは私に精神の問題に向き合う自信をくれました。ただ自分を愛するべきだと知るのではなく、どうやって愛するか、また、自分を愛していいのだということも、教わる必要があったのです」。

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「私にとって自己愛とはまず、自分をケアすることです。自分の精神的、肉体的な欲求を知り、親友のように自分自身を優しく扱うのです。つまり、自分を受け入れるということです。裸の自分を見て、ストレッチマークがついていたり、ちょっと太めだったりしても、それでOK。"腕は人を抱きしめるためにあり、脚は歩くためにある"。体は人に見られるためだけでなく、それ自体の目的があるのです。

私が初めてYouTubeに投稿したビデオは、<The Pressure To Be Perfect: My Story(「完璧であるプレッシャー:マイ・ストーリー」)>でした。否定的なコメントは1つももらっていないと思います。多くの女の子に関係のある問題について、赤裸々に告白しているので、見た人は衝撃を受けたのでしょう。今でも人々の慰めになっているみたいです。ネット上の悪口はよくありますが、あまり気にしていません。自分がしている意味のある行いや、その思いが届いた人にだけ意識を集中させています。大切なのは、若い女の子たちが自分は一人ぼっちではないと知ることなんです。

私はYouTubeに救われました。精神の問題を抱える人にとって、何かを創造することは自分の中のインナーチャイルド(子供時代の記憶や感情)を育て直すことに繋がるんです。私の仕事は自分が直面している問題について口を開き、クリエイティブでいること。ブログも私の自信になりました。自分のことを告白したり、他の人々のことを知ったりするのは、精神の病を持つ人にとって大切なことなんです」。

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「私がうまくいっているのは、私が傷つくことを恐れていないからだと思います。それは、この業界ではかなり珍しいことです。人々は自分を常に防衛していますが、私は傷ついてもかまいません。ときには辛くなることもありますが、本を読んだり、テレビを見たり、チョコレートバーを食べたりして、数日で立ち直ります。

でも、どんなに落ち込んで、孤独で、不安なときも、これがずっと続く訳がないと自分に言い聞かせていました。自分には素晴らしい人生が待っていると信じていたんです。憂鬱なときも、『これは自分の人生じゃない』という気持ちがあったから、努力することができて、成功したのだと思います。私の心の奥には、いつも小さな希望がありました。」

私がうまくいっているのは、私が傷つくことを恐れていないからだと思います。

「もちろん、今でも落ち込むことはあります。寂しさや孤独を覚えるのは人間として正常な感覚です。混乱や狂気の最中でも、真実を見つけることはできます。私はよく人にこう言うんです。『自分の痛みを情熱に変えること』って。これはまさに自分がしてきたことで、これまで経験してきたことが、今やっていることを可能にしたんだと思います。また、『自分の歩んでいる道を信じること』とも言っています。精神の病があっても、今進んでいる道は、あなたが進むべき場所につながっているんです。落ち込むときはあるけど、それはセルフケアをするときで、誰にだってサポートは必要。それは自分自身でケアすることはもちろんだし、あとは家族や友人の力を借りることもです。

落ち込んでいるときに私を支えている最も大きな動機は、過去を繰り返したくないという思いです。私が育った家庭よりも安全で幸せな環境で子どもを育てたいし、それが1番大事なんです。悲しくなったり、うまくいかなくなったりしたら、休みます。休んでいいんです。

今では自分を100%愛しています。もちろん、『自分にゾッとする。シミもあるし、髪もボサボサ』という日もあります。でも、全体として見れば、自分を愛しているし、尊重しています。自分に対して破壊的な考え方を持っていることに気づいたら、優しく止めます。私は自分をよく見ているんです。かつては自分を憎んでいたことを考えると、すごくいい気分です。自分を責めてばかりいた私が今ではどうでしょう?

私って、なかなかすごいと思います」

※この翻訳は、抄訳です。

Translation:mayuko akimoto

COSMOPOLITAN UK