天国にいる彼に、私が伝えたかったこと

「傷つくのが怖くて、本当の気持ちが言えなかった」

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人間の心は複雑なもの。相手のことを大切に思っているのに、怖くて素直になれなかったり、ときには気持ちをごまかしたり…。

でも、ある日大好きなその人が、突然いなくなってしまったら?

"相手がそこにいるときに、気持ちを伝えること"の大切さを改めて感じさせられる、ある女性の手記を、コスモポリタン アメリカ版から。

傷つきやすい自分を守ろうと必死だった私が、どれほど彼を愛していたか、彼は気づいていたのでしょうか。

「最後にオサクウェ(愛称はサク)と話したのは2006年7月3日。その何日か前に予定されていた集まりに、サクは連絡もなく欠席していました。その日の午後、サクの市外局番が携帯に表示されたので非難めいた声で電話に出ると、サクはいつものおどけた調子。『ず~っと電話してたのに、かんぺきシカトしてたでしょ』。でも思わず笑っちゃって。サクに腹を立て続けるのはムリでした。話してると本当に楽しくて、好きだと伝えたかったけど言わずにこらえていました。それで満足していたんです。

サクと私は同じ教会に属していました。1960年代の黒人解放運動の時期に生まれた宗派の1つです。私たちは貧しい人々に食事と家を提供したいと考えていました。

私たちが初めて会ったのは1999年、サクがアトランタに来たとき。かすれ気味の声と編み上げヘアが印象的な男の子で、言葉は交わさなかったけど気になる存在でした。

次に会ったのはデトロイトで集会があった2000年の夏。サクは編み上げヘアをやめていましたが、私は編み込みの先に大きな木製のビーズをつけた、"いかにも"なティーンエイジャーのスタイル。ブランド品嫌いの元ヒッピーの母を説得して、ナイキのエアフォース1とリーバイスのバギーパンツを買ってもらい、へそピアスにトゥリング(足の指輪)も始めた頃でした。

サクと私は意気投合して、週末のパーティーではダンスパートナーに。私のダメージ・ジーンズの色が彼のパンツに付いてしまわないかと心配しながら踊りました。サクはダンスがうまくなかったけど、そんなことは全然気になりませんでした。

その夏の少年少女の集会は忘れられない思い出です。私たちはパーティーの後、誰もいない部屋に忍び込んで、とりとめもなくおしゃべりをしました。サクが『連絡先を教えて』と言ってきたので実家の電話番号を交換して…そのとき着ていたピンク色のタイトなノースリーブシャツは今も持っています。

その後何年か、彼の目は他の女の子に向いていたようでしたが、私が高校3年になる前の夏、彼のいるヒューストンへ旅行することになったんです。私たちはずっと一緒にいて、夕食も毎回一緒。NBAのプレーオフを観戦したり、友だちの家で海賊版のB級映画を観たり、スナックを持って映画館へ行ったり。サクと一緒の時間を過ごせば過ごすほど、もっと一緒にいたくなりました。

帰る前日の夜、牧師様が用意してくれたアパートで寝ていて、ふと目を開けるとサクがベッド脇に立っていました。私がドアに鍵をかけ忘れていたようです。サクは体の関係を求めていたのではなく、『話がしたい』と言いました。

その夜、私たちは並んで横になり、夢を語り合い、黒人と政治について意見を交わしました。CDプレイヤーのヘッドフォンをサクの耳に当てて、ジル・スコットが歌う『Show Me』を聞かせながら私も口ずさんだり。

翌朝、サクの身長が以前よりすごく伸びていることに気づきました。目を合わせるには、彼の胸の辺りから見上げる感じ。そして『帰ってしまう前に君の唇を感じたい』と言われて、ファーストキスをしました。彼に恋しているのだと、このときはっきり感じました。

悲しいことにそれが私たちのクライマックス。個性的な彼にとまどいを感じた私は、友だちで満足しようと思っていました。6年前に私の心を盗んだかわいい少年は、確固たるビジョンを持った頼もしい人間に変わりつつありました。サクも私も教会の活動に積極的に参加して、若者の代表を集めようと、電話でよく話し合いました。

でもそれは私にとって、彼の声を聞く口実だったんです。いろんなことを議論しているうちに、サクはお互いの社会生活についても電話してくるようになりましたが、いつもチャラチャラした言葉で、様子見している感じ。私はウザがっているようなフリをして、思いを明かすことはしませんでした。

最後に電話で話したとき、私はアトランタの大学生で、ロースクールに入る前に経験を積もうと建設関係の法律事務所でアルバイトを、サクはデトロイトの大学で、建設の経営管理を学んでいました。私は法律事務所の資料室で、月末の集会でサクと話をするためのネタ探しをしていました。

1週間後、また別の集会にサクから欠席の連絡がなかったので電話すると、留守番電話に。サクは男子学生の社交クラブに入っていたので、消息が分からないときはそれで忙しいのだろうとみんな思っていました。

さらに1週間が経ち、牧師様からサクがいなくなったと聞き…。最後に彼と話したのはいつかと尋ねられ、『サクは大丈夫』と言い切りましたが、段々落ち着かなくなってきました。

そして集会の準備で集まっていたときに、サクがデトロイト川で発見されたという電話が。

続く3日間は他人の人生を見ているような感覚でした。こんな悲劇は犯罪ドラマでしか起こらない。自分の天職を見つけたばかりの、笑顔でどんな人の心も和らげる19歳の青年に、私の初恋の相手に、こんな不幸が降りかかるはずがない、と。神の存在を疑ったことはなかったけれど、しばらくは信仰心を失いました。何日も泣き続け、内蔵が体から抜き取られ、2度と手の届かないところに放り出されたようでした。

私たちは真相を求めて駆けずり回りましたが、殺された日が7月4日ということ以外は、今でもほとんど分かっていません。サクの未来を誰かが奪い取ったことに強い憤りを感じました。彼に愛していると伝える機会が奪われたことに気づくと、怒りはさらに大きくなりました。

葬儀を終えて車で家へ戻る途中、サクの顔や笑い声、私の隣を前かがみに歩く彼の姿、どんな人をも惹きつけた魅力あふれるサクが、まざまざと浮かび上がってきて…。道路脇に停車した車内には、インディア・アリーの『The Truth』が流れていました。心ない人間に撃たれて、サクの未来が消え去った。私の心の一番大切なところにいた人が、ごみクズのように捨てられてしまった。神に対してなのか、この宇宙に対してなのか、私は叫ばずにはいられませんでした。涙が止めどなく溢れ出ました。『彼は気づいていたの?』

今年でサクが殺されてから10年。生きていたら10月に30歳になっていました。サクのことを忘れることはできません。傷つきやすい自分を守ろうと必死だった私が、どれほど彼を愛していたか、彼は気づいていたのでしょうか。私は傷つくのが怖くて、本当の気持ちを伝えられなかった。これは天国の彼へ送る、初めてのラブレターです」

※この翻訳は、抄訳です。

TranslationYuko Oguma

COSMOPOLITAN US

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