イギリスのウェスト・ミッドランズ州に住むハンナ・ユディンさんは、建設業に携わる18歳。2.54cmのスカルプネイルをつけて建設作業を行う様子をTikTokに投稿し、一躍話題になった彼女が、業界内で受けてきた性差別について明かした

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ハンナさんが建築に興味を持ったのは、左官職人でインテリアデザイナーである父親の影響から。

「父がプロジェクトを進めるときは、いつもボランティアとして建設現場に参加して、基本を学ばせてもらっていました。それが楽しくて、いろいろ調べているうちに、キャリアパスとしていいんじゃないかと思うようになったんです。この業界は、決して廃れることはない。今は父の現場で働いたり、大学のブースで仕事をしたりしています」

大学で建設コースを受講して以来、家族や先生に支えられてきたというハンナさん。自身のTikTokの動画を通じて、建設業界でのキャリアを考える女性たちを鼓舞したいと考えているのだとか。

また、フルメイクとスカルプネイルをしながら建設作業をしている様子を映した動画についてはこうコメント。

「私はメイクをして長い爪で作業をしていますが、好きなことをやめようとは思いません。それが、この動画のポイントです。私が思うに、好きな格好をして気分がよければ、いい仕事ができると思うんです。13歳のときからスカルプネイルをしているから、私にとっては普通のこと。長いネイルだって、仕事はできる。石膏の袋を運んでいるときに一度だけ爪が割れてしまったことがありますが、別に何とも思いませんでした」

この動画はすぐに100万回以上の再生回数を記録し、様々なコメントが寄せられたそう。

「動画がこんなに再生されるとは思っていなかったので、本当に驚きました。コメントの大半は好意的なものだったので、この仕事を続けていくための後押しになりましたね。また、『建設業に携わりたい』と言ってくれた女性がいたのも嬉しかったし、私を “ガール・ボス”と呼んで応援してくれるコメントもありました。『建設業=男性社会』という固定観念を覆せた気がしました」

一方で、「そんな長い爪で作業するのは無理」「なぜフルメイクで作業をしているのかわからない」といった否定的な意見も。しかし、ハンナさんはそういった声をポジティブに受け止めているのだとか。

「否定的なコメントがあっても、私は私であることをやめないし、むしろ背中を押してくれます。それでも私は、メイクとネイルをして仕事に行くつもりです」

実はハンナさんが性差別的な場面に直面したのはTikTok上だけでなく、学校で建設コースを選んだ際も同じような経験があったという。

「コースを申し込んでいたとき、男性の先生に『本当にやりたいの? 誰かに強制されているの?』と聞かれました。建設業はこれまで男性中心の仕事という認識が強く、女性が『建設の勉強したい』と思うこと自体を信じられない人もいるみたいです」

「それに学部全体で女子生徒は私一人。初日に教室に行くと、男子生徒から『授業を間違えてる』と言われたり、性差別的なジョークを言われたりしました。『彼女はちゃんと勉強してない』『他の生徒の場所を奪っている』と言う人もいましたね。先生の存在に助けられているけれど、2022年になってもまだそんなことを考える人がいるなんて、本当にショックです」

将来は自分のスキルを活かして、建売住宅を手掛けたいと考えているハンナさん。自分の信念を貫き、夢に向かって進む彼女を応援し続けたい!