オンライン英辞典「Dictionary.com」では、最新のアップデートで313に及ぶ新たな言葉を登録したことを発表。これらの新語の特徴は、ジェンダーやセクシャリティ、アイデンティティ、恋愛観などにおいて、“曖昧さ”や“流動性”を表現しているということ。

本記事では、社会で実際に使われている言葉を記述的に説明・記録することをミッションとしている「Dictionary.com」に加えられた新語から、知っておきたい5つの言葉を紹介します。

Abrosexual(アブロセクシャル)

性的指向が流動的であったり、時間の経過とともに変動するセクシャリティ。接頭辞“abro-”(アプロ~)はギリシャ語の“habrós”に由来し、「優美な」や「繊細な」を意味します。

Multisexual(マルチセクシャル)

バイセクシャルパンセクシャル(相手の性自認や性的指向を問わない)などの性的指向を自認する人々、またはそのような人々に対して性的・恋愛的に魅力を感じる人々を表す、包括的な用語として使用されます。

Nearly-Wed(ニアリー・ウェッド)

「Nearly(~に近い)」と「Wed(ウェディングの省略語)」を合わせ、「ほぼ結婚している状態のカップル」を表す言葉。結婚を控えているカップルを指すこともあれば、法的な結婚関係になる予定はないものの、人生のパートナーとして一緒に住んでいたり、場合によっては子どもがいるカップに対しても使います。

Pinkwashing(ピンクウォッシング)

レインボーカラーと並んで、LGBTQ+コミュニティを象徴するカラーであるピンクと、「ウォッシュ(見せかける・取り繕うなどの意味も持つ)」を組み合わせた言葉。

表面的にLGBTQ+コミュニティの人権を認め、理解を促進させる取り組みを打ち出すことを指します。中には、企業やブランドがイメージ戦略の一環として、LGBTQ+コミュニティへの敬意を示すかのように振舞うケースも。

Queerbaiting(クィアベイティング)

「クィア(多様な性の在り方を包括的に表現する言葉)」に「Bait(釣り餌)」という言葉を掛け合わせた用語。LGBTQ+コミュニティを引き込み、注目や話題を集めるために、LGBTQ+当事者ではない人物やキャラクターを、LGBTQ+当事者として匂わせたり表現させたりする手法を指します。


個人の特性や属性、指向にはグラデーションがあるため「ラベリング」の是非については様々な意見がある昨今。

だからこそ、「人々の性自認や性的指向、そしてそれにまつわる経験は単一化できるものではなく、より複雑で多様であるという認識にシフトしていくためにも、流動的な性的指向やノンバイナリーなどに関する言葉が社会に知られるようになることが重要」だと、『Life Isn't Binary(生き方は二つに割り切れない:原題訳)』の著者メグ=ジョン・バーカー氏は説明しています。

※この翻訳は、抄訳です。
Translation: ARI
COSMOPOLITAN UK