記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がCosmopolitanに還元されることがあります。
記事中に記載の価格は、記事公開当時の価格です。
ミランダ・カーも取り入れ、グーグルなどの大企業でも社員が研修を受けているという「マインドフルネス」。マインドフルネスとは「今、この瞬間にすべての意識を向ける」ことを指し、スター選手、ミュージシャン、世界的に有名なCEOの成功の秘訣が、この「マインドフルネス」だと言われています。
きっとコスモポリタン読者世代の20代、30代女子が抱える悩みや不安も「マインドフルネス」を実践することで、効果が期待できるかもしれない…。そこで今回、ハーバード大学で「マインドフルネスの母」として親しまれている、エレン・ランガ―教授を直撃しました。
20代&30代のよくあるシチュエーション別に、「マインドフルネス」を活かした対処法をご紹介!
今回お話を伺った先生
エレン・ランガー教授
ハーバード大学心理学部教授。「ランガ―・マインドフルネス・インスティテュート」創設者。同大学で女性として初の心理学学部教授となる。マインドフルネスを40年以上研究し、「マインドフルネスの母」と呼ばれる。著書に『ハーバード大学教授が語る「老い」に負けない生き方』、『Mindfulness, 25th anniversary edition (マインドフルネス)』など。
「マインドフル」でいると、他の人から魅力的に見える!
Q. 「マインドフルネス」とは何なんでしょう?
A. 新しいことに「気づく」という工程のこと。
「『マインドフルネス』は、『新しいことに気付く』というシンプルなプロセスです。それを実践することで、『今、この瞬間に意識を傾ける』ことができます。そして、それはエネルギーを消費するのでなく、生み出してくれること。
また、その逆が、マインドレスネス。恐ろしいことに、私たちの多くは知らない間に『マインドレス』で行動しています。
自分の周囲で起きていることに注意を注ぎ、『マインドフル』の状態になることで、ストレスを軽減し、創造性が高まり、仕事のパフォーマンスも向上することができます。さらに、他の人から魅力的に見えるという、嬉しい効果もあるんです!
そしてその一歩が、まず『自分は知らない』ということに気付くこと。『知っているから』と思い込んで注意を払わないと、目の前にある多くの素晴らしい『気づき』の機会を逃してしまいます」
20代&30代のよくある「お悩み」:CASE1
Q. 仕事が毎日同じ繰り返しになってしまい、モチベーションが上がりません。どうすればやる気が出て、イキイキと楽しんで働けますか?
A. 仕事の中で「気づき」を得ようとすることで、パフォーマンスが向上する。
「もし仕事が退屈に感じるようであれば、それは、毎日同じものの見方をしているからでしょう。周囲の人や物事から積極的に何かに『気づき』を得ようとすることで、マインドフルの状態になり、自然にイキイキとしたエネルギーが湧いてきます。そうすることにより、1日の終わりに、『新鮮で発見の充実した日だった』と幸福感を得ることもできます。
例えば、あなたが取引先に自社の商品の説明をすると仮定してください。『何度も同じ商品の説明をして、同じことの繰り返し』と感じる人がいる一方で、『成功するかなぁ…。もし失敗したらどうしよう…』と、必要以上にプレッシャーを感じる人もいる。前者の場合、もっと新しいことに敏感に気付こうとするべきだし、後者の場合、なにか自分が身近に感じるものを探して冷静になるべき。今回の取引先がどんな人かなど、前回とは違う新しいことを見つけてください。そういった気付きを楽しむことが“今を生きる”カギなのです。
また、マインドフルにタスクを行う人の方が、生産性が高く、良いパフォーマンスができるという結果も出ています」
20代&30代のよくある「お悩み」:CASE2
Q. 人前で話すとき、緊張して自分らしくいることができません。特に初対面の人や、苦手な上司の前では、どう思われるかを気にしてしまいます…。
A. 今緊張している自分は、100%本来の自分ではないと気付いてください。
「偽った自分の姿は、周囲からはバレてしまうもの。そんな場合、自分から『すみません。私、緊張しるみたいです』と相手に素直に言ってしまうことをオススメします。緊張していて、100%本来の自分でない、と認めることが大切なのです。
また、マインドフルの状態でいれば、本来の自分で人と接することができます。
それでも緊張しているときは、自分のことで頭がいっぱいになってしまいがち。逆に、相手の状況に意識をスイッチしてみてください。相手も緊張しているかもしませんよ?
一方で、威圧的な相手と話す場合、その人の『人間』らしい部分を想像してみること。例えば、お気に入りのお菓子を食べている姿や、家族と楽しそうに過ごしている姿など…。そうすると親近感が増し、話しやすくなります。それに、威圧に負けないために、こう考えてみてください。『精神性が高く、成功している人は、他人を居心地悪くしたりなんてしない』。そういった相手は恐れずに、可愛そうだと思うべきです」
20代&30代のよくある「お悩み」:CASE3
Q. 職場で同僚の方が仕事で評価される、友達の方が可愛い…。いつも人と比べて、自分に自信が持てません。
A. 自己のなかに学びが訪れる瞬間、嫉妬は去っていくもの。
「嫉妬してしまったときの一番の対策は、『ただ、自分を磨く一歩を踏み出すこと』です。もし、仕事ができる同僚が羨ましいのであれば、彼女を観察して学ぶこと。
そのため、嫉妬は自分次第で、さらに成長するきっかけになります。
そして容姿に関しては、みんながキレイだと思う人はごく稀ということに気付いてください。大きな目の女性が好きな人がいれば、切れ長の目を美しいと感じる人もいる。
大事なのは、『内面が魅力的だと、外見も輝いて見える』ということ。
周囲のことから『気づき』を増やしていくことで、魅力的なエネルギーが放たれます。
また、マインドフルな人同士が会話をすると、お互いに好印象を抱きやすいという研究結果も出ています」
20代&30代のよくある「お悩み」:CASE4
Q. 女性として年齢を重ね、いつか若くなくなってしまうことに不安があります。
A. 20代、30代は人生が始まったばかり! 年齢を重ねると、楽に生きられる。
「年齢を重ねることにネガティブな感情を抱く人が多いですが、それは真逆! マインドフルの状態でいれば、年齢や経験を重ねることで、人間について理解力が深まり、世界も『怖い場所』じゃなくなります。もっと気楽に、スムーズに生きやすくなりますよ。そして、20代、30代はまだまだ人生が始まったばかりです!
一例ですが、20代の頃に気になる男子をデートに誘って断られると、必要以上に傷ついてしまうという人も多いはず。でも、30代になって誘いを断られたら、『彼とデートしなくてよかった』と、冷静に軽く流せるようになります。
若いほど外界の出来事によって感情の上がり下がりが影響され、些細なことで心配しがちですが、経験を重ねるにつれて冷静に捉えることができます」
20代&30代のよくある「お悩み」:CASE5
Q. 残業、休日出勤は日常茶飯事。働きすぎで精神的にも疲れています。
A. 「仕事」という枠に入れずに、「自分が好き」でやっていると意識をチェンジすることで成果が変わる。
「仕事を仕事という枠にはめてしまうことで、自分自身をツラいところに追い込んでしまうこともあります。すべては『意識』で変わるんです。
ハーバード大学である実験を行いました。それは、ジョークを書いたカードを生徒に配り、彼らがそのジョークを審査するというもの。はじめに、一方には授業の中の“遊び”の時間と告げ、もう一方には“授業の一環”と伝えました。遊びと捉えていた生徒たちは、大盛り上がりし、終わりの時間になっても辞めようとしませんでした。一方、授業と伝えていた生徒たちは、嫌々参加している様子で、できるだけ早く終わらせたかったようでした。まったく同じことをしても、『自分が好きでやっている』と捉えるか『義務』と捉えるかで成果は大きく変わります。
また、マインドフルでいると、物事を決め付けず、柔軟に捉えることができます。
実際に多くの成功者は、仕事を楽しんで夢中で取り組んでいる人たちです。こういった考え方を試して、毎日を自分らしく生きるための参考にしてくださいね」