海外旅行へ行った際、もしくは行く前、「チップ文化」について心配になったことがある人もいるはず。アメリカで行われた新たな調査では、チップの金額や渡し方に戸惑っているアメリカ人も多いということが明らかとなった。

チップの金額や渡し方に戸惑う人も多い!?

ピュー研究所は約12,000人のアメリカの成人を対象に、「チップ」という時に混乱を招く慣習についてどのように感じているか、特定の状況でチップを渡すか渡さないかなどについての調査を実施。

同調査によると、多くのアメリカ人がサービス業で働く人にチップを要求される頻度が以前より増えたと感じており、約10人に7人(72%)が「5年前よりも多くの場所でチップを要求されるようになった」と回答している。

しかし、チップを求められる場面が増えていると感じているにもかかわらず、 渡し方や金額に確信を持っている人が比較的少ないことが明らかに。チップの渡し方について「極めて簡単である」または「非常に簡単である」と回答したのは約3分の1(34%)、そしてお会計にいくら上乗せすべきか判断することが「極めて簡単である」または「非常に簡単である」と回答した人も、約3分の1(33%)しかいなかったとのこと。

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チップを渡すことが多い場面とは?

さらに同調査では、チップを渡すべきかどうかの判断は「状況次第」と回答した人がもっとも多い(49%)ことが明らかに。その心理をより深く調べるため、日常生活でよくある7つの場面を例に挙げ、チップを渡すかどうかを質問。

  • サーバーのいるレストランで食事をする(着席するレストランなど)
  • 髪を切ってもらう
  • 料理をデリバリーしてもらう(デリバリーアプリなど)
  • バーでお酒を購入する
  • タクシーやライドシェアを利用する
  • コーヒーショップでコーヒーなどを購入する
  • サーバーのいないレストランで食事をする(ファストカジュアルレストランなど)

7つの場面のなかで、「チップを渡している」と回答した人がもっとも多かったのは、 着席型のレストランで食事をするとき。サーバーが注文を取るレストランで食事をする際は、約92%の人が「いつもチップを渡してる」(81%)または「よく渡している」(11%)と回答している。

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他にも、髪を切ってもらうときはおよそ10人に8人(78%)が「いつもチップを渡してる」(65%)または「よく渡している」(13%)と答えており、料理をデリバリーしてもらう際にも多くの人がチップを渡してるいることが明らかに。

また、コーヒーショップでコーヒーなどを購入する、ファストカジュアルレストランなどのサーバーのいないレストランで食事をする際に、「いつもチップを渡してる」または「よく渡している」と答えた人は、わずか4分の1だったそう。

着席での食事ではいくらのチップを渡すべき?

サーバーがいるレストランでは、多くの人がチップを渡しているというものの、一体どのくらいの金額を渡しているのかは誰もが気になるはず。そこで調査対象者に、あるレストランに行き、平均的だが特別ではない食事とサービスを受けたと想定し質問。

このような状況では、半分以上の人(57%)が「15%以下のチップを渡す」と回答し、「チップをまったく渡さない」と答えた人は2%だったとのこと。さらに、12%の人は「18%のチップを渡す」と12%の人が答えており、全体の4分の1は「20%以上のチップを渡す」と回答している。

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渡すチップの額は、収入や年齢によって異なることが明らかに

高所得のアメリカ人はチップを多く払う傾向があり、低・中所得者よりも着席型のレストランでの平均的な食事に対して、18%または20%のチップを渡す傾向があるとのこと。

また65歳以上のアメリカ人は、15%以下のチップを渡す傾向が若年層よりもわずかに高いことが明らかに。「15%以下のチップを渡す」と回答した人は、65歳以上で61%、30歳以下の成人で54%だったそう。