仕事も人生も楽しむ!進化するパリのコワーキングスペースに潜入
ヨガスタジオ併設、仕事後のアペロ、ワークショップ…。パリの”お仕事ライフ”を最大限に活かせる、コワーキングスペースをご紹介!
「パリのコワーキングスペースが、今とっても進化しているのよ!」これは、パリのトレンドに詳しいグラフィック・デザイナーの友人とお茶をしていた際に、彼女が教えてくれた情報。確かに、フリーランスとして働いていると、家やカフェで孤独に仕事をすることも多くなりがち。そこで、早速パリのコワーキングスペース事情を調査してみました。従来の「働くだけの環境」だけの提供ではなく、プラスアルファで「充実したサービス」や「オシャレな職場」を提供するところが増えているよう。今回は、パリで話題の3件のコワーキングスペースをご紹介します!
サン=マルタン通りの、70’s風コワーキングスペース
パリ3区、カフェやギャラリーが点在するサン=マルタン通り。この道を歩いていると、ふと窓から見える70’s風のキュートなデコレーションに、思わず足を踏み入れたくなるのが「Le 10h10」。
オーナーのクリストフ・ラメエィニエルさんは、「外からインテリアショップかと思って入ってくる人も、たくさんいるんだよ」と笑いながら話します。
ヴィンテージ感が魅力のコワーキングスペースへいざ潜入!
オーナーはソニー・フランスの元CEO!「質のいい仕事環境を提供したい」
オーナーのクリストフさんは、なんと約30年間ソニー・フランスで働き、最終的には同社のCEOにも就任した経歴の持ち主!
そんな彼の豊富なキャリアの経験上、最も生産性が上がる秘訣が「デコレーションにこだわった、アーティスティックな環境で働くこと」だそう。そのため「Le 10h10」の内装は、70年代の雰囲気をつくるために、家具をブロカント(古物)ショップで買い付け、DIYでインテリアをアレンジしたというこだわりぶり。
「今の社会ではフリーランスとして働く人が増え、職場での上下関係がなく、自分自身の興味がある分野の人々とのネットワーク拡大や、新しい挑戦もしやすくなった。そんな新しい世代の働く人々をサポートするのが、今の僕の仕事です。例えば、他業種と触れ合える環境づくりや、専門家を招いたイベントを定期的に開いています。そういった出会いから、利用者のキャリアアップへとつながっていってくれれば、とても嬉しく思います」
ヴィンテージ感漂う家具はブロカントで買い付け
1階のスペースは、自由に席を移動して働けるコワーキングオフィス。(写真左上)部屋のいたるところにレコードが飾られていて、オーナー、クリストフさんの音楽への愛が伺えます。
ミーティングルームも充実していて、大企業がプレス発表会やミーティングなどを開くために、使用することも。特にユニークなミーティングルームが、以前クリストフさんがブリトニー・スピアーズと仕事をしていたことから名付けた「ブリトニー部屋」(右上)。また、お菓子やカットフルーツなどを自由に食べられるのも嬉しい♡(左下)スタッフだけでなくゲストが使用してもいいキッチンには、50年代の雰囲気を出すために買い揃えられたSMEG(スメッグ)のレトロな家電製品が並んでいてキュート。(右下)
コワーキングスペース利用者の声
ロレンティーナ/学生
大学の論文を書きに、このワーキングスペースに通っているというロレンティーナ。ここでの出会いのおかげで、将来の夢を見つけることができたそう。
「ここでは、実際にいろんな業種で働いている人たちがフレンドリーに仕事内容を教えてくれるから、学生の私にとって、最高の社会勉強になるわ。なかでも、最近PRの仕事をしている人と話す機会があって。彼の仕事内容を聞いているうちに、『私がしたいことは、これだ!』って確信したの。だから、今はPRの仕事に就けることを目標に頑張っているわ!」
OFFICE DATA
Le 10h10 Beaubourg
210 rue saint martin, 75003, Paris
Tel. 01.44.49.92.59
https://www.le10h10.com/
パンテオンのすぐ近く。コーヒーにこだわった、カフェのようなコワーキングスペース
パンテオンのすぐ近くにある、ニュアージュ・カフェ。白が基調の柔らかいオフィス内には、蚤の市で買い付けたという家具やオブジェが並び、一見街角のおシャレなカフェのよう。
ソルボンヌ大学やパリ政治学院の学生、起業家や観光客など豊かな客層が気軽に訪れ、交流できるのも、このコワーキングスペースが人気の秘訣。そんなクリエイティブな雰囲気から、ここでテレビドラマのシナリオを書く人や、創作活動に専念する人もいるそう。
心地よい音楽を聴きながら、読書をする人も
1階のコワーキングスペースでは、木のぬくもりが感じられるデスクとキュートに色を塗り分けられた椅子が並ぶ(写真左上)。ミーティングルームは、リズミカルに飾られたオブジェが特徴的(右上)。
また、こだわりのカフェやチャイラテなど、豊富な種類の飲み物は利用者から大人気(左下)。仕事の合間にリフレッシュしたい人には、椅子に座って静かに読書ができそうな小部屋も(右下)。
コワーキングスペース利用者の声
クレア/学生
大学で韓国文学を学んでいるというクレア。宿題をしに、ニュアージュ・カフェに来たという彼女が語る、コワーキングスペースで勉強をするメリットとは?
「いつもは図書館で勉強をするんだけど、ここは、いろんな人と出会えるのが楽しくて気に入ってるの。それに、最近ここで予想外の出会いもあって…。この間、コーヒーの注文を待っている間に話した人が、修道士だったの! カフェや図書館だと知らない人と話しにくいけれど、ここは働いている人同士みんなが気軽に話せる雰囲気があるから、様々な人と友達になれるわ」
OFFICE DATA
Nuage Café
14 rue des Carmes75005 Paris
Tel. 09.82.39.80.69
https://www.nuagecafe.fr/
ウェルネスにも特化したコワーキングスペース
シャンゼリゼ通りから歩いてすぐの距離に位置する、まるでパリ中心地のリトリートのようなコワーキングスペースが、「ケーウェーク・オスマン」。
パリに4カ所展開しているケーウェークは各オフィスでデザインが異なり、ここではアフリカにインスパイアされたオブジェや家具が配置されています。ウェルネスにも特化し、ヨガのクラスがあるのも、このコワーキングスペースの特徴。
仕事後には、エッフェル塔が見えるルーフトップでアペロも開催!
自然光が入り、開放感が溢れるロビーでは、ゲストを招いてワークショップも開催するそう(写真左上)。ヨガやメディティーションができるウェルネスの部屋があるのも、このコワーキングスペースが人気の理由(右上)。インドでヨガを学んだというコーチが教えてくれるクラスは、大好評だそう。
様々な植物に囲まれたテラスでは休憩やミーティングにも最適(左下)。ルーフトップでは、エッフェル塔やモンマルトルのサクレ・クール寺院など、パリの名所を一望できる贅沢な景色を見ることができる…♡夏には、ここで仕事後にアペロが開催されることもあるそう(右下)
コワーキングスペース利用者の声
アメルさん/広報
テクノロジー企業で広報を担当するアメルさん。テレワークとして、このコワーキングスペースに度々足を運んでいるそう。
「ここは、仕事後のアペロやイベントもあるから、会社の外にもたくさん友達ができるの。それに、コワーキングスペースとヨガスタジオが同じ施設内にあるから、ヨガやメディテーションをする機会も増えた。一日中デスクに座っているよりも、集中力が増すようになったわ!」」
OFFICE DATA
kwerk Haussmann
29-31 rue de Courcelles, 75008, Paris
Tel. 01.83.75.04.06
https://kwerk.fr/fr