ピンク、ブロンド、シルバー、ブルー。その時の気分に合わせ、思いのままに髪型を変えてきたモデルのUnaさん。ジェンダーレスで、固定概念に囚われない彼女の魅力を、髪型遍歴から紐解く――。
2011年 冬
「憧れの沙羅マリーさんに影響を受けて…♡」
私が憧れてやまないモデルの沙羅マリーさんが、期間限定でしていたヘアカラーがキッカケです。今でも通い続けている「ULTRAC(ウルトラシー)」のスタッフさんたちと相談しながら、何パターンもカラーテストをして理想の発色バランスを編み出してくれました!
一見イエローだけど、よく見るとネオンカラーのライムグリーンも入っていて、自分のヘアカラー史上でもベスト3にはいるお気に入り♡ 実際に、真似をしてくれるファンの方も多かったです。
2011年 冬
「ガガを通して自分らしさをアピールした成人式」
成人式で着る振袖に合わせて、斬新で私らしいヘアスタイルを考えていた時に、テレビで見たレディ・ガガのヘアスタイルにビビッときて、すぐに画面を写メ。当時、熱心なリトルモンスター(ガガのファンたちの総称)だった私は、「今の自分を表すのにピッタリだし、他人とカブらない!」と大興奮。
ヘアアクセサリーもガガが着けていたのと同じようなものをヴィンテージショップで探しまくったのですが、実はこれ…ベルトなんです(笑)。飾りのバックルをペンチで解体して着けてもらいました♡ とにかく最高の日にしたい一心で、美容師さんたちに協力していただきました。もう一度やるかと聞かれたら…やらないかな(笑)。若さからくるパワー…恐るべし!
2012年 春
「トレンドに背を向けたくなるお年頃」
この頃は1ヵ月に一度は、ガッツリとヘアカラーを変えていました。まわりにピンクに染める人が多かったので、真逆にいきたかったひねくれ者です…(笑)。でも、実際にクールな雰囲気に憧れてたから結果オーライ!
細かい三つ編みは、90's感を出したくてよくやってました! ブルーの色味も濃さを変えて細かく入れてもらっていたので、ヘアアレンジするとグラデーションになってかわいかった~。
2012年 春
「海外スナップのモデルさんに憧れて」
海外のストリートスナップで見るモデルさんたちに憧れた、ラフなお団子スタイル。ブラトップとかを取り入れるようになったのもこの頃。ヘルシーな肌見せをサラッとできるようになりたいなと思って、チャレンジしはじめた頃です♡
2012年 夏
「80年代のマドンナをオマージュ!」
とある撮影のオフショット。セルフメイクでセルフコーディネートという撮影だったのですが、作品として残るものだったので、ただ好きな服を着るのは違うなぁと思って。そこで、私がファッションにのめりこむキッカケになった80'sのマドンナをオマージュすることに! 少しでも近づけるように、マドンナのスタイルを徹底的に研究しました。今でも、こういった非現実的なファションやメイクは大好き!
2012年 秋
「より深くファッションに興味を持つように」
それまでは、主に80~90年代のアーティストからヘアメイクやファッションのインスピレーションを受けていたんですが、「もっとファッションの勉強がしたい!」と思い、コレクションをチェックするように。モードなヘアスタイルに憧れて、美容師さんに相談。重めで耳まで広くとった前髪が、ダークな雰囲気をつくってくれました。
この時期はある種のターニングポイントだったかも。はじめてコラボで洋服を作らせてもらい、よりファッションに興味を持つようになり幅が広がった気がします。そして改めて、ヘアスタイルもコーディネートの一部だということを強く感じるように。
2013年 春
「デビューに向けて気合いを注入!」
カナダ出身のアーティスト「Grimes」の初来日公演に行った時、「同じヘアカラーね!」と言って記念に撮ってくれた1枚。当時、私自身もアーティストデビューが決まっていたので、デビュー日に向けて仕事内容も環境も目まぐるしく変わる日々でした。気持ち的にもかなり前向きで、気合いを入れ直すべくヘアスタイルを一新。カラーのモデルは、映画『フィフス・エレメント』のミラジョボビッチ。
ちなみに、デビューシングル『JUICY JUICY』が起用された、メントスのCMに出演した時もこのヘアスタイルでした。しかも撮影地はビバリーヒルズ! 長時間の撮影は大変だったけど、初CMが海外だなんて…とても貴重な経験でした!
2013年 夏
「アーティストとして多忙な日々」
「少しガーリーな洋服も着たい!」という理由から、ピンクにチェンジ。この頃は、重めの前髪が定番スタイルでした。
この写真の少し後ですが、2013年の夏は私の人生の中でとても大切な時期でした。8月にデビューをして、ミュージックビデオを撮影をしたり、アーティストとして数多くの取材を受けたり、ラジオ出演をしたり…と、とても忙しかったですね。なかなかインタビューに慣れなくて、上手に思いを伝えきれずに反省する毎日でしたが、良い意味で楽観的に捉えている部分もあって「吸収できることを毎日楽しもう」と心がけていました。大切な思い出ばかりです。
2013年 秋
「毎日、大好きな音楽に携わっていました」
重めの前髪から一気にヘアスタイル変えて、毛先を軽くしました。ヘアアレンジのしやすさを重視して、3連になっているヘアアイロンで"もふもふ"にするのが定番アレンジ(笑)。
お仕事では、ライブ三昧の日々! 多いときは週に4回、週末はほぼ地方でライブをしていました。平日の空いてる時間はひたすら練習とリハーサル、それから本番。マネージャーさんと2人3脚で、がむしゃらに前だけ向いていました。
DJアーティストのSONPUBさんのアルバムに、フィーチャリングで参加させてもらったのもこの頃。毎日大好きな音楽と携わって、制作合宿で泊まり込んで楽曲作ることも。そんな日々が幸せでした♡
2014年 春
「スランプ突入。もがいて、悩んで、空回りして…」
一気にイメージチェンジをしてダークカラーに! でもブリーチしていた部分から抜けて明るくなってきちゃうので、ブリーチ部分にブルーを入れてネイビーからブルーのグラデーションにしました。とても好評だったけど、私は「今の自分にはフィットしないな~」と思ってました。
というのも…。実はこの頃、精神的にスランプを抱えていたから。アーティストデビュー後、取り巻く環境が変わっていく中で、周囲の期待に応えたい気持ちと、不安と、厳しい現実に直面して悩んでいました。「楽しいだけじゃダメなんだ」と思って、少しでも理想の自分になれるよう必死にもがいていましたね。「これまで以上に自分自身を確立して、チームを引っ張っていかなきゃ」って。でも、そればっかりになって空回りしちゃってたんです。楽しむことを遠くに置きすぎていました。でも、この時期に悩んだり悔しがった時間が、今の私の原動力になっています。
2014年 冬
「上京当時のヘアスタイルで原点回帰」
「原点回帰しよう」という気持ちから、上京当時にしていたマッシュルームカットを復活。余談ですが、私がSNSのアカウント名「Unakinoco」の「キノコ」の部分は、昔マッシュルームヘアだったからなんです(笑)。この頃からしばらくブロンドが続きますが、私の髪質を考えるとここまでのプラチナブロンドにするのは至難の業だったと思います。美容師さんにただただ感謝…!
この時はミャンマーでの初ライブ! びっくりするくらい大勢の人の前でのライブだったのですが、はじめて見る私のライブをとても楽しそうに聴いてくれたのを覚えています。異国の地で受け入れてもらえることの幸せや暖かさを感じました。
2015年 春
「はじめて自分でディレクションした雑誌撮影」
1日限りのドレッドヘアは、雑誌撮影のために7時間かけて編んでもらいました。企画から参加して、カメラマンやスタイリスト、ヘアメイクのキャスティングから携われた思い入れのある撮影。「自分のルーツにプラスして好きな音楽を表現する」というテーマで、ブラックカルチャーをファッションで表現しつつ、15年習っていたクラッシックバレエを披露しました。
はじめてディレクションした撮影は想像以上に難しくて、みなさんからアドバイスをもらってやっとのことで撮影を終えました。出来上がったものを見た時、達成感と「次はこうしたい!」という欲が出てきちゃって大変でした(笑)。この点では今も変わってないかも。
2015年 夏
「カラフルでポップ!だけじゃないUnaを表現」
ずっと一緒にお仕事をしてみたかったVERBALさんにプロデュースしていただき、私の地元の曲でもある『島唄』をカバーして『Shimauta』としてラップパートをプラスしてリリース。写真は『Shimauta』リリース時のアーティスト写真です。ブロンドは、もはや私のトレードマークになっていました。
アーティスト写真は、ディレクションしてくれたスタイリストの倉岡慎也さんと話し合い、『Shimauta』の背景にある「沖縄の辛く哀しい時代を生き抜いた強い女性」をテーマにしました。ファッション性は残しつつも、できるだけナチュラルに。それまで、Unaといえば「HARAJUKU」や「カラフルでポップ」でしたが、そこからステップアップして新しい「Una」の表現に挑戦しました。
2015年 夏
「自分らしさを見つめ直し、よりシンプルに」
プライベートではウェットな質感で7:3分けが定番ですね。この頃が一番メンズ化していたかも。ファッションもメイクもシンプルをテーマに「Tシャツにデニム!」みたいなファッションばっかりでした。
今まで足し算をしていくことで楽しんでいると思っていた概念が崩れて、本当に好きなもの本当に似合うものを考えるようになりました。自分らしさを見つめ直す良い時間でした。プラチナシルバーは、またチャレンジする時が来る気がしています…!
2015年 秋
「大人の女性への第一歩」
完全にブロンドショートが自分の中で定番に。よりプラチナブロンドを目指して、髪にリスクをかけて美容師さんを泣かせながら…ブリーチしてました(笑)。ファッションも、シンプルに削ぎ落として行った夏から、少しずつ自分らしを加えていけるようになりました。徐々にメゾンブランドの洋服も纏うようになり、大人の女性になるべく一歩踏み出しはじめた頃です。お仕事では、一つ一つの事柄をより深く捉えたいと思い、考えるクセがついたのもこの頃でした。
2015年 冬
「ジェンダーレスな魅力を確立」
この長さは、1番セットしやすくて、クセっぽく前髪を巻くのが好きでした。メンズっぽいストリートな服をよく着ていたので、メイクでは女性らしさを意識していました。「ブロンドショートを定着させたいけど、正直飽きてきた…」という気持ちもあり、ベージュをミックスして一工夫。憧れの雑誌に出られたり、憧れの人との撮影ができたり…と、新鮮な刺激を受けることが多かったです。@unakinoco
2016年 春
「2年ぶりのヘアカラーでベビーピンクに!」
どうしてもベビーピンクヘアーで撮ってもらいたかった撮影があったので、期間限定でピンクにしました。約2年ぶりのヘアカラー! カラー中ドキドキでした…(笑)。マネージャーさんや後日お会いした別の撮影スタッフにはすごく心配させちゃったけど、ピンクで撮ってもらってかわいく仕上がったので悔いはありません! もちろん翌日すぐにブロンドに戻しました(笑)。
2016年 春
「新鮮なことばかり舞い込んできた時期」
上京当時からの友人がヘアメイクとしてお仕事を始めていて、
2016年は、年明けからすごく貴重な経験ばかり。お正月から演技のお仕事にチャレンジする機会を頂いて、遠山昇司監督の短編映画『冬の蝶』で主演を務めることに。まったくの初心者だから不安もあったけど、スタッフのみなさんのサポートで無事クランクアップできたし、熊本での撮影は人生観がかわるほどの濃い時間でした。
CMに出演したり、自分でディレクションするヴィンテージ・クロージング・ショップ「CHAMPLE」をオープンさせたり、変化の多い年になるなと確信しました。
2016年 夏
「心が晴れて、新たなスタイルに挑戦」
久しぶりにガッツリとイメージチェンジ。新たなステップにチャレンジしたくて思い切ってベリーショート&ダークトーンに! 年が明けてから経験したことを経て、悩みが解決できたことが大きかったですね。今までの自分を見直して、今後の自分を見据えた結果、今ならナチュラルなヘアーにしてもUnaらしさを出していけるっていう自信がついたからだと思います。…でも、よーくみるとネイビー(笑)。一筋縄でいかない感じが私らしさかな。
2016年 秋
「ナチュラルで自分らしい今の自分が1番好き!」
今までのどのスタイルよりもカラーよりも、今が1番。ナチュラルだけど自分らしさが出ていて、理想とする女性像に近づけたなって思っています。
この数年、色々なカラーやスタイルにチャレンジしてきました。その時その時のマインドをいつも反映させていたし、思う存分楽しんできました。色々な要素をそぎ落としてナチュラルな自分をさらけ出す勇気がなくて悩んでいた時期もあったけど、年を重ねていくうちに「飾るだけじゃなくて、内面からくる自分らしさも大切にしたい」と思うように。そんな心境の変化から髪型を変えたら、数年前にはしっくりこなかったダークトーンが、不思議とすとんと落ちたんです。
これからももっともっと吸収していきたいし、チャレンジして成長していきたい。一方で、ステップアップするためのベースづくりは、しっかりとできた気がする。だからこそ25歳になる今、楽しむことを忘れずに、全身全霊で何かを生み出すクリエイティブな存在になりたいです。自分の中の変化を受け入れ理想の自分と出合うために、これから先、どんなヘアスタイルにチャレンジしていくのか楽しみ!