2016年からコスモポリタンで連載をスタートさせ、多くのファンを読者にもつライフスタイルモデルの栗原ジャスティーンさん。2018年4月にカバーガールを飾り、今回でカバー出演は約1年ぶりとなる2回目。昨年に増して充実した日々を送るジャスティーンさんへ、ライフスタイルモデルとして今後発信していきたいことから、夫婦の仲の良さの秘訣、今年の夏のバケーション計画まで聞きました!

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――この夏やりたいこと、バケーションの計画を教えてください。

今行きたいなと思っているのは、カリブ海のバハマです。泳ぐ豚がいる無人島があって。その昔、漂着した船が置いていった豚が野生化し繁殖して、泳ぐ豚になったそうですが(笑)、それがとても可愛くて。あとすごく大きなイグアナもいるらしいです(笑)。ダイビングのスポットでもあり、海中の沈没船や世界最大の石像、シャークダイビングなどもあって…今調べているんですけれど、すごく行きたい場所です。

――海が好きなんですか?

大好きです。生まれは東京なんですが、茨城県に海が目の前に広がる別荘があって。休みの時期はずっと海にいました。泳いだり、潜ったり、ボディーボードをやったり。当時飼っていた犬と浜辺に座って長時間、海を眺めて過ごしたり。そこが私の原点ですね。

――これまで行った海外で、一番印象的だった場所はどこですか?

昨年行ったアフリカです。タンザニアとケニアに行ったんですが、それまで自分が持っていた「自然」へのイメージが、完全に変わりました。

――どんな体験をしたんですか?

タンザニアの海でイルカ・ウォッチングをしたんですが、ハワイの愛くるしいイルカとは、顔つきから違う。種類も違うのかもしれないのですが、もっと目つきが鋭くてワイルドなんです。クルージング・ツアーだったんですが、私たち夫婦だけだったので船もすごく小さく、ものすごい荒波の中で結構遠くまで連れていかれて、ライフベストもなく「ああ、今日で人生が終わるかも…」と一瞬思いました(笑)。船長はイルカを見つけるやいなや、船がまだ動いてるのに「飛び込め!」と。

ハワイだったら「イルカが来たらこうしてくださいね」といった説明があるんですが、そういうのも一切なく。イルカがいなくなれば「早く戻ってこい!」と言われて、動く船に必死で掴まって(笑)。私は海で泳ぐのに慣れているから、超サバイバルな感じでもついていけたのですが、夫はなかなかそうもいかず。「イルカは海中にいるんだから、顔上げるな!」とか怒られたりしてました(笑)。

――かなりワイルドですね!

ヌーの大群が川を渡るのも目の前で見たんですが、骨折したり流れに飲まれたりして、目の前でほんとうにたくさん死んでいくんです。そういう場面も衝撃でした。そういうのを見ると人間は簡単に「かわいそう」と言ってしまうけれど、でもそういう死がなければ川で待っているワニが生きていけない。本当の自然、野性って甘えは一切ない世界なんだなって。

preview for カバーガール栗原ジャスティーン、一問一答

――やっぱり海外に出てみると、価値観がすごく変わりますよね。

本当に変わります。欧米なら日本とそれほどかけ離れた感覚は覚えませんが、貧富の差ひとつとっても、アフリカはやっぱりすごいものがあって。道端には幼い子供たちが立っていて、やっと覚えた英語で「お昼ご飯を食べさせて」と近づいてくる。もう日も暮れかかっている時間なのに。そんな状況を目の当たりにして、またひとつ知らない世界を学びました。

――そういう経験が、自分の生き方にフィードバックされることはありますか?

あります。やっぱり自分が生きるのに精一杯というだけじゃダメだなと。今はユニセフのような機関に毎月寄付するくらいしかできないけれど、それ以上のことができる存在になれるよう頑張りたいなと。実は夫は、この夏休みもまたアフリカに行きたいって言っているんですよ。

――休暇はいつも夫婦ご一緒なんですね。

そうですね。それなりにお金をかけて、ちゃんとした経験ができるもの、休暇というより、何かを得られる「旅」にしたいというのがありますね。

――ご夫婦の仲の良さの秘訣はありますか?

やっぱりお互いに愛情を持つこと。一緒にいることに慣れてしまったりもしますが、折に触れて、言葉や行動で愛情を表現することが大事かな。私は「大好きだよ」とハグしたり、割とストレートに表現するほうですし、夫もそういうことを照れない人なので。

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――ライフスタイルモデルとして、表現をする上で変わったのは?

これまでトレーニングで身体をどう鍛えていくかをお見せしてきて。おかげさまで「栗原ジャスティーン=筋トレ」と認知してもらえるようになったので、「トレーニングを通じたライフスタイル」の提案ができるようにしていきたいなと。それが本来やりたかったことだったので、今は地に足がつき、自分の居場所に立てているなと感じます。

――「ライフスタイルモデル」って、あまり聞きなれない言葉ですよね。

アメリカではファッションモデルとは別に、ライフスタイルモデルというカテゴリーがあるんです。料理とかインスタグラムとか、それぞれに得意な分野を持ち、それを取り入れることで実現できる、よりよい生活を提案してゆくような存在ですね。私がそれを目指そうと思ったのは、やっぱりロスでの経験が大きかったと思います。互いにリスペクトしジャッジしない、他人の生き方にどうこう言わないんですよね。

――日本の女性たちは、周囲のジャッジを恐れて、自分を既成概念の中に押し込めがちですよね。そうしたマインドセットそのものを変えるための、何かアイディアはありますか?

それが正解かどうかはわかりませんが、私がやったのは、それまでの友達と少しの間、距離を置くことでしたね。考えや行動を変えたいと思っていても、友達と会うと「どうしたの?」「なんかキャラ違うじゃん」なんて突っ込まれたりして、その付き合いに引きずられてしまうじゃないですか。変わった自分が当たり前になり、気持ちが揺るがなくなるまで待つ。久々に会って「なんか変わったね」と言われるほうが、気が楽ですよね。

――それはいつ頃、どうしてそうしようと思ったんですか?

2~3年前ですね。アメリカで3年過ごして帰ってきた頃に頻繁に会っていた友達がいたんですが、ちょっと違うなと感じて。「この自分、嫌だな」って思ったんです。例えば噂話が好きな友達と会うと、その時は話を聞いちゃうんだけど、帰り道でなんとなく気分が悪い。誘われればまた出ていくけど、モヤモヤしながら帰ってくる。そういう悪循環が続いたので、ここは流れされず自分に厳しくしなければと。

――その友達とは、それ以降はどんな関係ですか?

会うのを止めた友達の中には、そのまま会わなくなってしまった人もいます。もちろんどこかで顔を合わせれば普通に会話くらいはしますが、以前のように「会おう」という感じにはならないので、本来それくらいの関係だったんだろうなと。もちろんそれは自分が変わったせいもありますが、距離を置くことで、本当の友達かどうか分かったというような部分もありますね。恋人や親友のような、絶対に失いたくない相手であれば、自分の思い、こうなりたいんだってことを伝えて、サポートしてもらえる形を作ったほうがいいですよね。人間関係って、相手の成長や変化によって、ずれてしまうこともあると思うから。

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――20代の頃は「色白で華奢」という日本社会が求めるモデル像に、苦しんだこともあったそうですね。

その当時はそれが当たり前だったんですよね。でも今自分がこうしていられるのは、時代が変わってきたこともあると思います。海外を中心に、ありのままの自分を肯定する女性たちが増えてきたし、コスモポリタンのこの取材でも、グローバルモデルを務めるスポーツブランド、アンダーアーマーでも、ご一緒しているのは自立したパワフルな女性ばかりじゃないですか。そういう部分で、私のようなタイプが求められる時代になってきたのかなと思います。

――20代後半にロスから帰ってきて、「モデルの仕事がなくなっていい」と腹を決め、ライフスタイルモデルとして活動を始めた、今のような状況に至るまでは大変だったのでは?

そうですね。昔からの仕事仲間にその時その時の体形の写真を送っていて、ある時点から「ここまでくると難しいね」と言われるようになり、「この仕事は切れちゃうな」と思うようなこともありました。でも20代後半にさしかかり、いつまでも自分を肯定できないまま生きるより、「なりたい自分で生きていきたい」という気持ちが強かったんです。それですべてを捨ててロスに行きました。

――不安はどうやって解消していましたか?

不安は考えません。もちろん日本でライフスタイルモデルとして通用するかどうかわかりませんでしたが、「上手くいくか不安…」って思っているくらいなら、どうしたら上手くいくか具体的な方法を考え、行動するほうがいい。不安って考えだすときりがなく浮かんでくるし、結果も出ずに悩むだけなら、その2時間なり3時間なりを、生産的なことに使うほうがいいですよね。

――そういう思考は、ご自身がトレーニングをしていることに関係していると思いますか?

それは思います。トレーニングは身体以上に気持ちがないと続かないし、その最中は、辛さを乗り越えること以外は考えないので、思考がシンプルになるんですよね。それが普段の生活に応用されるんです。でもそういう思考を与えてくれるのは、必ずしもトレーニングだけじゃないと思いますよ。ヨガでもテニスでもピアノでも絵を描くのでも、日常生活とは異なる方向で、自分が集中できるものであれば何でもいい。逆にトレーニングは、最近はアウトラインを気にするボディメイキングばかりに目を向ける人が多くて。本当は、トレーニングでメンタルが変わることのほうが大事だと思うし、私がライフスタイルモデルとして伝えたいこともそこなんですよね。

――ライフスタイルモデルとして、今後はどんなことを発信していきたいですか?

一番は今言ったような、マインドを変えるトレーニングを、ジムに通わなくてもできるようなシンプルな形で広めていけたらいいなと。それをひとりひとりが、自分の気持ちのいい形で楽しめるような世の中にしていけたらなと思います。

――それはもう少し具体的に言うと?

アメリカではプラスサイズモデルもいて、どんな体形であれ魅力的になれることを証明していますよね。もちろん華奢な人もいていいい、それがすごく似合う人もいると思うんです。でも例えば私は、いくら痩せても全然素敵に見えない骨格だったのに、「キレイになるには痩せなきゃいけない」って思っていたんですよね。そういう固定概念を捨てて、自分の持っているものをどうしたら魅力的に見せられるかを、みんなが考えるようになったらいいなと。マイナスと思っている部分をプラスに転化する、それを示せる存在に、私自身もなりたいなと。

――栗原さんのマイナス部分って、あります?

ありますよ。私は自分のまぶたが腫れぼったいのがずっとイヤで。メイクを研究しようにも、世の中にあるメイク法って、どれもこれもパッチリ二重用なんです。でも一般的に美しいとされるものにしようとは思いません。それより、私と同じようなことで悩む人に、「こんなにカッコよく見せられるんだ」って思ってもらえるようになりたいんですよね。


これまで「栗原ジャスティーン=筋トレ」というイメージが強かったジャスティーンさん。「ロスでの経験を活かして『トレーニングを通じたライフスタイル』を提案してきたいきたい」と新たな目標を語る姿からは、まさにコスモポリタンのテーマ「Fun Fearless Female」を体現した女性像が見えました。「マイナスと思っている部分をプラスに転化する」という言葉からも人生を楽しむというポジティブなマインドが伝わってきます。そんな彼女のライフスタイルから、コスモポリタンの読者も共感できる部分やお手本にしたいことがたくさん見つかるはず。これまで以上にパワーアップしたジャスティーンさんの今後の活躍に注目しましょう!

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Photo/Cédric Diradourian Styling/Izumi Machino Makeup & Hair/Rei Fukuoka(Tron) Model /Justine Kurihara Text/Shiho Atsumi

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