今月のカバーガールは、Miss COSMO Contest 2019でグランプリを手にした白石みなみさん。「コンプレックスを魅力に変える努力をしてきた」という力強いスピーチで会場を沸かせた彼女に、グランプリになるまでの道のり、今後の目標についてをインタビュー!

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KAZUYOSHI SHIMOMURA

ーー今日の撮影はいかがでしたか?黄色いワンピースがすごくお似合いでしたね。

ビビッドカラーと聞いていたので、日焼けした方が衣装が似合うかなと思って、昨日海で焼いてきました。撮影はすごく楽しかったです。未知の世界を体験した感じ。普段もカメラマンの友人に頼まれて撮影することがあるのですが、そういうときはメイクも衣装も写真チェックも全部自分でやるので、これだけたくさんのプロの方に”お任せ”でやってもらえるなんて! 夢のようでした。何もできない人と思われないよう、撮影中は集中してがんばりました。

ーー何か今後のキャリアに活かせそうなことはありましたか?

今回、撮影して下さったフォトグラファーの下村さんから、ポージングについて学べたことです。指一本角度が違うだけで、こんなに写真違うんだ! と撮影を通して教えて頂きました。あとは表情。私ってどんなときも笑顔になってしまうんですよ、怒られてても悲しくても緊張していても。それ以外の表情を求められた時に急にはできないので、時々深呼吸して、表情のロックをはずすしながらやることが大切だと学びました。

ーーミス・コスモに選ばれて以降、この1カ月はどんな気持ちでしたか?

これまで何に対しても”1位”になったことがなかったので、選ばれたときはものすごくびっくりしました。もし私が何か賞をもらえるとしたら「EXFIGHT賞」かな、ジムに週7で通っていたし! なんて思っていたので、「グローバル賞」を頂けたことにも驚いたのですが、まさかグランプリを頂けるとは。もちろんめちゃくちゃうれしかったけれど、周りのみんなの頑張りも知っていたから、手放しでは喜べない感じもあって…。一番仲良くなったやっちゃん(斎藤恭代さん)が、一緒に喜んでくれたので救われました。

ーー受賞当日のLINE LIVEでは、フォロワーの方と祝勝会をしていましたよね。

コンテスト期間中にLINE LIVEを120回くらいやったのですが、その間に「チームみなみっぷる」というフォロワーのコミュニティができました。彼らの応援が私の支えだったし癒しだったので、「みんなのためにグランプリを持って帰ってきたよ!」という気持ちでした。みんな「みなみちゃんがとると思ってたよ!」と言ってすごく喜んでくれて…。自分を一番信じていなかったのは自分だったんだなって。LINE LIVEがなかったら、絶対にここまで来られなかったと思います。

ーーLINE LIVEでもどんどん成長しているのがわかりました。

初回は友人に「今からやるから見て」って頼んでました。でも始めたら見知らぬ人がたくさんやってきて、「どうしよう! 何しゃべろう!」みたいな感じで…。当初はとにかく「100%笑顔でやらなければ」と思ってました。コンテストの期間中に、実は友人を亡くしてすごく辛いときがあったんですが、みんなの前では笑顔でいようと。でも100回をすぎた頃に、フォロワーさんに「喜怒哀楽がなくて面白くない」「笑顔の目の奥が笑ってない」と言われたんですよね。深夜だったんですが、それで泣きの配信になって…。みんなは色々な顔が見たいんだなと気づいて、そこからはためらわずに素の自分を見せられるようになりました。

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KAZUYOSHI SHIMOMURA

ーー様々な企画をやっていましたね。みなみさんといえば!の「ビキニ会」も。

なぜかLINE LIVEのアーカイブから消えてしまったんですが、あれは私にとっては神回でした。ビキニを着ると、やっぱり変な人がたくさん集まってきて、「ジャンプして」「谷間見せて」「お尻見せて」とか言ってくるんです。頭に来ました。女の子をなんだと思ってるんだろう! と。それで「私はそういう目的でビキニを着てるんじゃない! コンプレックスは隠せば隠すほど強くなってしまうもので、何も隠せないビキニは、私にとってコンプレックスを解放させる”自由の象徴”なんだ!」という話を、1時間しゃべり続けたんです。そうしたら「全然エロく見えなくなってきた」「たしかに自由の象徴」「すごいアイテム!」ってコメントが盛り上がって、フォロワー数が500人までぽーんと跳ね上がったんです。

ーー「今日は怒ってる!」という、スケッチブックのめくりを使った回も楽しかったです。

ファイナルに行くことが決まったとき、フォロワーさんから「他のファイナリストは最終に向けてライブの内容を変えてきてる。このまま固定ファン”チームみなみっぷる”に頼るやり方でいいのか?」というようなことを言われたんです。ここまで私を支えてくれたのは”チームみなみっぷる”だし、もちろんライブのやり方を変える気はなかったけれど、それでもそういう言い方はひどい! と思って。同時に、これまでも試行錯誤しながら本当にいろいろやってきたのに、これ以上何をやれっていうの⁉ と、モヤモヤして友人に相談したんです。そうしたら「今日はその怒りを伝えれば?」と言われて、その日のライブでは、思いつくかぎりの怒りを1ページごとに書いたスケッチブックをめくりながらやりました。「ビキニをエロい目で見るな!」とか、あと毎日ジムにいたからトレーナーによく間違われていたので、「トレーナーじゃない!」とか(笑)。

ーー最終審査の質疑応答やスピーチはどんなことを言おうと?

最初はいかにもコンテストという感じで、「今後はボランティアに関わって…」みたいなことをいうべきなのかなと考えてました。今思えば、当たり障りのないきれい事ですよね。でもその2日くらい前、以前の職場の先輩と飲んでいるときにその話になって。「なんで? そんなこと1ミリも思ってないじゃん。モデルと同じとこに並ぼうとしてるの?」と言われたんです。「その後のビジョンだって何も決まってないんだから、そのまんま言えばいいじゃん」って。それこそスパルタ式に一問一問ダメ出しされて、大号泣しちゃいました。でもそれで力抜けて、自分の本当の思いを自然に言うことができたんですよね。

ーーご自身のスピーチでヒールを脱いだのも、すごく共感しました。

スピーチで「脚が短いけど、それが自分だから」と言いながら、高いヒールを履いているのは矛盾するじゃないですか。ビキニ着ているし、周りはみんなモデルさんだし、何も隠しようもない。私は、私の個性をアピールしたいと思ったんですよね。

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KAZUYOSHI SHIMOMURA

ーー今回の受賞を経て、「未知数」だった今後に何か見えてきましたか?

最終的には、ビキニのオーダーメイドがやりたいんです。その前段階として、今はもっとメディアに出られたらなと思っています。私のような一般人でも、その気になって努力すればここまでこられるんだよ! っていうのを、みんなに見せたいです。

ーー昔からそんなにポジティブなんですか?

そんなことないですよ。母親から「脚が短いし太いんだから、長いスカートを履けば」と言われ続けて、「私は脚を出しちゃいけないんだ」って思っていました。殻を破ったのは、友人に誘われてやった飲食店のバイトからかな。ユニフォームがTシャツとショーパンだったんですよ。そこの仲間はアメリカナイズされている子が多く、「全然イケるよ! 気にすることなんかないよ!」っていう感じだったんです。

ーービキニが大好きになったのはいつ頃から?

そのバイトをしている頃に初めてビキニ撮影をしたんですが、それがすごくかわいく撮れて、それからハマりました。日本製のものは、ビキニなのに隠そうとするタイプが多いから、海外のブランドで綺麗に見えるものを探して、ビキニを毎日着たいがために、海の近くにも引っ越しました。ビキニは難易度が高い、選ばれた人しか着られないと思ってる人って多いですよね。LINE LIVEの「ビキニ会」でも、「みなみちゃんだから着られるんだよ」って言われたことがあるんですが、そういう思い込みを打破したくて。「ほら見て! スタイルなんて関係なく、着ちゃえばいいんだよ! 誰が着たってかわいいんだよ! 自信ないなんて言わないで、私についてきて!」って思います。

ーー疲れたときは、どんなふうに自分をリセットしていますか?

私の私生活って全く面白くないんですよ(笑)。旅行とかも滅多に行かないし、家から出たらすぐ海だから、ビーチを散歩するくらい。あとは、カメラマンの友人の撮影に付き合ったり。この間は動画を撮ったりして、楽しかったです。一人でリラックスするより、友人と何かやっていることが多いですね。

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KAZUYOSHI SHIMOMURA

ーー恋愛はどうでしょう。今現在は恋人はいますか?

います。バイトをしていたときに、「一目惚れ」して声をかけてきてくれた人です。彼は私に自信をくれる人。私が自信がないという話をしたら、「何言ってるの。こんなに可愛いのに、なんで何もしないの?」と、毎日毎日言ってくれて。今回のミス・コスモもその延長線上で挑戦しようと応募したものなので、彼がいなければ今ここにいません。

ーーこれからミス・コスモとしての1年間を、どんな風に活動していきたいですか?

LINE LIVEは今後も続けていくつもりです。インスタも含めてフォロワーを増やしたい。1万人くらいまで増やせたらいいなと思っています。メディアでもSNSでもいいから、多くの人に見てもらえる場所を作って、「こんな服も着れるよ! ぜんぜんこれでいいんだよ!」っていうのを示していけたら。みんなとビキニを着たいし、みんなと楽しみたいですね。

ーー確かに、日本人女子は見られることや、自分を解放することに臆病かもしれません。

そういうところ、かなりあると思います。それを少し変えるだけで、ずっと楽しくなるのにって。私もそうだったけど、他の誰かを「あの子可愛くないよね、似合わないよね」なんて言いながら、何もせずひがんでいるより、人の目なんか気にしないで、自分が着たいものを着て、やりたいことをやるほうがいい。そうなると、他人のことなんてぜんぜん気にならなくなるし、人生がずっと楽しくなると思います。

ーープライベートもお仕事も、頑張ってください!

なんでも自分次第だし、修行の年にしたいです。この間、占いをしたら「来年はすごい年になる」と出たので、私も楽しみにしています。


コスモポリタンのカバー撮影では、初めてとは思えないほど堂々とした姿を見せてくれた白石みなみさん。コンプレックスを抱える人々に勇気を与えたいという思いを、強く語ってくれました。Fun Fearless Femaleな白石みなみさんの、これからの活躍から目が離せないですね!

Photo/Kazuyoshi Shimomura Styling/Izumi Machino Makeup & Hair/Yusuke Kasuya(ADDICT_CASE) Model /Minami Shiraishi Text/Shiho Atsumi

ドレス/436,000円、イヤリング/38,000円 (ともにヴェルサーチェ/ヴェルサーチェ ジャパン) 、シューズ/85,000円 (クリスチャン ルブタン/クリスチャン ルブタン ジャパン)※全て税抜価格