16歳で日本にやってきて以来、今も第一線で活躍する人気モデル、エミ レナータさん。歳を重ねて次第に変わってきた仕事や恋愛への考え方から、明日から真似できる美脚・美肌の秘密に愛用アイテムまで、たっぷりと語ってくれました!

Clothing, Leg, Lingerie, Thigh, Gravure idol, Muscle, Model, Fashion model, Photo shoot,
CÉDRIC DIRADOURIAN

――モデルのキャリアが長いエミさん。これまでのお仕事で印象的だったことを教えてください。

一番思い出深いのは、タイで撮影したウィスキーのCM。現地のトラディショナルな雰囲気を出したかったので、山奥の滝のあるようなところとか、象に乗って川を渡るようなイメージなど、民族衣装を着て色々な場所で撮影しました。

――旅行や自然が好きなんですか?

新しい場所に旅するのが好きなんです。東京に住んで仕事ばかりしていると、ずっと東京にいますよね。遊びに限らず仕事でもいいんですが、海とか山に行ったりするとリフレッシュになるし、逆に海外にずっといると、また東京が恋しくなったり。今は東京を拠点に仕事して、ちょっと休みたいな思ったら旅行に行って、また仕事を頑張って…ちょうどいい感じのバランスで働いていますね。

――幸せに働けているってことですよね。

16年以上日本に住んでいますが、最初の2年は国内の地方ロケにたまに行くくらいで、ずーっと東京で仕事をしていたので、すごく忙しかったんです。朝から晩までオーディションで、仕事が決まれば仕事に行き、終わればまたオーディションに…っていう感じでした。仕事は楽しいけど、ずっと誰かと一緒にいて息つく暇さえない、って感じるとちょっと疲れちゃうじゃないですか。海外旅行に行くと、自然と一人の時間が持てるしリラックスできる。だから少しでも時間があると、旅行に行くようにしているんです。

――16歳で東京に来たきっかけは?

ブラジルでモデルの仕事を始めたのが14歳の頃で、15歳で今の事務所の社長にスカウトされました。初めて東京に来たのが16歳。とりあえず3カ月だけと思っていたのですが、仕事が忙しくなってきて、17歳で日本に引っ越しました。ブラジルから日本に来るモデルってだいたいそんな感じの流れなんですよ。日本でしばらく仕事をした後、パリやミラノへ渡るモデルも多いですね。治安も良くて人も親切な日本がすごく気に入ったので、私は以来ずっと日本にいます。

――日本へ来たばかりの頃は、言語面でも苦労はありましたか。

ブラジルの公用語はポルトガル語だけど、こっちでは事務所もクライアントも英語か日本語なので、最初の頃は母国で少し勉強した英語でどうにかコミュニケーションをとっていました。相手が言っていることが全然わからないこともあったけど、当時はそこまで気にしなかったですね。仕事に行ってポーズをとって、あとはボディランゲージで。でも5年くらいして、やっぱり日本語を話さないといけないなと思って、日本語学校に3年通うことにしました。

――5年目でそう思ったのはどうしてだったんですか?

少し複雑なことを表現したいと思っても、日本語がわからないと誰かに手伝ってもらわないと伝えられないことがもどかしくて。それに編集者やカメラマンなど、同じスタッフと5年間も一緒に仕事していたのに、お互いに名前しか知らないのもちょっと寂しいと感じたんです。彼らがどんな人なのか、私のことをどう思ってるのか、知りたいと思ったことがきっかけでした。

――「自分はこうしたい」という欲が出てきたとか?

それもあります。若い頃は自分の考えを伝えたいなんて思わず、ただ「元気でハッピー」でやってればよかったけれど、年を重ねるにつれ、もうちょっと自分を出したくなりました。自分はどうしたいか、どういう思いがあるのか、どういう意見を持っているのか。私はこういう人間なんだって主張したくなったんです。今でも思っていることを日本語で伝えるのは難しいので、もうちょっと頑張らなきゃって思いますが。特に笑いとか冗談とか。ブラジルの笑い、アメリカの笑い、イタリアの笑い、日本の笑い…それぞれのカルチャーによってツボが違いますが、日本のユーモアって時々よくわからなくて。みんながキャッハーって笑ってるのに、「え?」って思うこともあるし、自分のキャラが100%伝わるまでにはまだ何年もかかるかもしれないですね(笑)。

White, Skin, Beauty, Sitting, Leg, Model, Photography, Photo shoot, Shoulder, Black hair,
CÉDRIC DIRADOURIAN

――お仕事に、より本気になったってことかも。

編集者やカメラマンと同様に私もチームのメンバーなんだし、どうせなら言われるままにポーズをとるんじゃなく、もう一歩踏み込んで関わりたいと思うようになったんです。もちろん最終的には編集者が決めることですが、その中で自分もベストなショットを作りたい。この仕事が大好きだから、中途半端はしたくないし、それが関わる人へのリスペクトだとも思っています。時々、意見を言い過ぎちゃうこともありますけどね(笑)。

――恋愛はどうでしょう? 感情を表現したいタイプですか?

何でも相手に伝えるようにはしています。仕事でもそうですが、相手を完全にコントロールすることって結局は無理だから、相手を受け入れることも大事にしなくちゃとは思っています。相手が自分に100%向いてくれていると信じてはいても、時には、「え? これ70%じゃない?」って思うこともありますよね。でもそこで相手をジャッジし決めつけると、お互いハッピーじゃなくなる。私って相手に対して厳しいタイプなので、厳しく過ぎないように気を付けています(笑)。

――日本ではストレートに伝えられる人って少ないかも。「言わなくても分かってほしい」ってところがあるんですよね。

みんなあんまり口に出さないんですかね? 伝えたいことは言った方がいいと思いますが、でも言い方も大事ですよね。「許せない」とか「やめて」とかじゃなく、「そういうことをされると、私は悲しい」って自分の気持ちを伝えて、それをどう判断するかは彼次第。「私は悲しい気持ちになるけど、あなたは大丈夫? それでもやるの? それは愛?」…ってところまでは言わないけれど(笑)、そういうことですよね。

――言いすぎて失敗してしまったことはありませんか? 

逆に自分の気持ちを伝えられなくて、別れちゃったことがあります。ほんの2~3年前まで、自分の気持ちを全然言えなかったんですよ。相手との関係で自分が一番苦しんでるときでさえ「辛い」って言いだせず、我慢して我慢して、ある日大爆発。一番よくないパターンですよね。そうなると元の関係には二度と戻れないから、すごく後悔しました。

――年齢を重ねることで、変わってきたのかもしれませんね。

当時は、恋愛では相手をアクセプトしなきゃいけない、きっといつかは落ち着いてくれるはず、って思っていたんです。でも片方がアクセプトするだけの関係なんてよくないじゃないですか。そこは30歳近くなって気づいた部分ですが、仕事じゃないけど、恋愛だって自分が主体になっていいんだと思うようになりました。

――自分の生き方とかに確信を持ち始めたのかも。

そうだと思います。だからこそ恋愛のスタイルも変わりましたし。今は相手が自分を悲しませるなら、まずは話し合う。アクセプトしながらも、ここは譲れないと思ったら別れることも考える。これまでその判断をするのに、何年も何年もかかっていたんです。今は「もしかしたら、もしかしたら」って希望的観測しながら、先延ばしにはしなくなったかな。時間がもったいないし、我慢ばかりすると苦しいから。

――美脚がトレードマークのエミさん。普段気を付けていることや愛用アイテムを教えてください。

歳を重ねて脚がむくむようになってきたので、着圧ソックスを愛用しています。あと、家ではなるべく脚を上げるようにしていますね。寝る前はしばらく壁に脚を立てたり、ベッドマットの下にヨガブロックを入れて、下半身が高くなるようにして寝ています。高くしすぎてしまうと腰に負担がかかるので少しだけ、寝転がるとわかる程度で。睡眠時間って結構長いので、それだけでも全然違いますよ。あとはセルライトクリームと、カッサやローラーを使ったセルフマッサージをしたり、テレビを見ながらツボを押したり。日中履いている靴も大事! 1日中ヒールを履いていると負担が大きいから、移動はスニーカーやフラットシューズで、ヒールはパーティーみたいな「ここぞ!」というタイミングの前に履き替えています。会社勤めの人は、オフィスに着いたら履き心地の良いものに履き替えるのがおすすめです。

White, Clothing, Beauty, Fashion model, Shoulder, Arm, Joint, Leg, Model, Photo shoot,
CÉDRIC DIRADOURIAN

――スキンケアで愛用しているものはありますか?

今すごく気に入っているのが、ヤーマンの美顔器「RFボーテフォトプラス」。小さくて持ち運びができるから、ちょっと恥ずかしいけど、移動中のタクシーとか新幹線の中とかでもやっちゃいます(笑)。顔がむくみやすい方なんですが、リンパとか、目の周りとか、これでマッサージするとすごくすっきりしますね。10分くらいで終わるメニューで、これ1台で目元ケアにEMS、レーザーまでやってくれるから、夜は毎日必ず、朝も余裕があれば使っています。あと皆さんに言いたいのは、どんなに疲れていてもメイクは必ず落とすこと! そのまま寝るのは絶対にダメです。 寝不足とか飲みすぎとか、肌にはそういうのが出やすいんですよね。でもきちんとケアすれば必ずリカバリーできます。疲れてるとシワも出やすいから、リラックスして。年齢が若いうちからケアすることを心がけることが大事。肌のコンディションが悪いと、せっかくのメイクもきれいに仕上がらないし、外に出たくない、人に会いたくないとか思って憂鬱になりますよね。見た目だけじゃなく、気持ちにすごく影響するものだと思います。

――これからチャレンジしたい仕事はありますか?

フィットネス関係の仕事に力を入れていきたいと思っています。今はゴムバンドトレーニングのインストラクターとしてイベントをやっているんですが、それをもっと広めていきたいですね。みんなにもっと気軽に身体を動かしてほしいなと思っていますが、会社で働いている人ってすごく忙しいから、現実問題としてジムにはなかなか通えないじゃないですか。でもこれなら自宅で、自分のタイミングでできますよ。

――エミさんがフィットネスを大事にしているのはどうしてですか?

肌のお手入れもそうですが、心と身体って繋がっていると思うんです。気持ちが落ち込んでいるときに風邪を引いたりするじゃないですか。だからメンタルのためにも身体のケアを大事にしてほしいんです。確かにフィットネスって必ずしも簡単じゃない。私だって「ジムに行ったほうがいい」とか「もうちょとトレーニングしたら?」とか言われることもありますが、面倒くさいなって思っちゃいますしね。自分に厳しすぎると気持ちが疲れちゃう。でも甘やかしすぎても、ここぞという時にメンタルのふんばりがきかなくなる。人間には飴と鞭の両方が必要で、そのバランスをうまくとることが大事だと思うんです。

――フィットネスって、ボディメイクのためだけじゃないんですね。

美しいシェイプを作る目的もあるけれど、私の一番の目的は身体を強く健康に保つこと。私の70歳の母の話なんですが、彼女は40代ですでに身軽に動けなくなっていて、動いたら動いたであそこが痛いここが痛いって言ってたくらいなんです。60歳になる頃にはもう辛過ぎて動けなくなっていて。私がトレーニングを続けているのは、そんな母に「若いうちに身体を動かしておかないと、あとでひどい目に合うわよ」と言われていたから。昔は運動なんて全然好きじゃなくて、仕事のためにしなきゃと思ってやっていました。でも母の話を聞いてからは、このままじゃどうなるかわからないと思って。22歳の時にいいトレーナーさんと出会ってからは、腰の痛みもなくなったし、メンタルも前向きになったんです。今はトレーニングするのことが気持ちがいい。この10年間は毎日運動しています。自分でも「すごい!」って思うくらい(笑)。

――毎日って、すごいですね!

運動していると、身体の調子がいいし、楽しい。身体が強く健康になると楽しく過ごせるってことをみんなに知ってほしいです。別にジムに通わなくても、自分の好みで都合に合わせてなんでもいいんですよ。ヨガでもピラティスでも、キックボクシングでも走るのでも。「辛い」とか「やりたくない」というイメージでない、自分のハッピーのために。そういうフィットネスがあることを、伝えたいなって思います。


これまでの経験から、仕事や恋愛でも、思いを伝えることの大切さを学んだというエミ レナータさん。相手を気遣うことはもちろんだけれど、「恋愛だって自分が主体になっていい」という考え方にはコスモポリタン読者も共感できるはず。また、身体の内側も意識したボディケアが、いつまでも美しくいられる秘訣なのかも。 エミさんが実践する美容法、さっそく今日から試してみたいですね!

COVER GIRLエミ レナータのアザーカットはこちら!
White, Clothing, Leg, Beauty, Skin, Fashion model, Fashion, Joint, Thigh, Shoulder,

Photo/Cédric Diradourian Styling/Izumi Machino Makeup/Maki Ihara Hair/Kazuki Fujiwara Model /Emi Renata Text/Shiho Atsumi

パーカー/82,000円、サンバイザー/34,500円、ボディスーツ、ブーツ(ともに参考商品)(全てクレージュ/エドストローム オフィス) ※全て税抜価格