日本のお笑い界を代表するブルゾンちえみさんが、COSMOPOLITANに初登場! トレードマークのアイラインを作るメイク術や、“キャリアウーマン”ネタに込めた思い、素直になれなかった(?)バレンタインエピソードまで、たっぷり語ってくれました♡ ブルゾンさんの人柄が感じられる、プライベートなエピソードの数々は必読です!

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Cédric Diradourian

――ブルゾンさんと言えば個性的なメイクが印象的ですが、メイクする上で何か気を付けていることはありますか?

昔からニキビなども出来にくく、肌のことをあまり気にかけていなかったんですが、テレビドラマで共演した水川あさみさんと桐谷美玲さんを見てから、ちょっと意識が変わりましたね。彼女たちって昼休憩が1時間あると、頬から下だけメイクを落として保湿していたりするんです。そうすると再びメイクをしてもパシッと決まるし、崩れにくいんですよね。見せる場面で最高の状態にするためにはそうすればいいんだなと。それから私も収録以外はメイクを取るようにしていて、保湿を心がけるようになりました。

――アイメイクがにじまないのは何かコツがあるんですか?

顔に汗をかきにくい体質もあると思います。どれだけ動いても鼻の下にかくだけで、おでことか目の周りに流れてくることがないんですよ。あと、アイラインでリキッドを使うのは上だけ。ちょっとした涙でにじみやすい下はペンシルを使います。それでにじみはだいぶ回避できると思いますよ!

――そもそも、このメイクを始めたきっかけは?

大学を3年で中退したくらいに、それまでガリガリだった体重が30kgくらい増えてしまい、それまでのメイクから髪型から服から、すべてが似合わなくなってしまったんです。めっちゃくちゃ悩んで、自分に似合うものを模索して、いろんなことを試しました。ちょうどその頃、BIGBANGなんかのK-POPが流行り始めた頃で、彼らって切れ長の一重瞼に囲み目のアイライナーとかやるじゃないですか。私もそういう目だし、この人たちに似合うなら私も似合うんじゃないかな? と思って、目尻を黒くし始めたのがきっかけ。そこから徐々にここまでに進化していった感じです。プライベートでもこのメイクで、テレビに出る時も自分でやるんですが、その過程の15分~20分の時間って準備運動みたいな感じで。仕事に向けてスイッチが入るというか、人にメイクしてもらうとそういう気持ちが整わないんで、自分でやることの方が多いですね。

――もしかして、このメイクがあったから、“キャリアウーマン”ネタも生まれたのかも?

私、「かっけー! さすが! よくぞやってくれました!」みたいな爽快感が好きなんです。「カッコよすぎて笑っちゃう」っていうような感じ。ハリウッドスターのように雲の上にいるような人が、バシッと芯を突いた名言を言ってくれるとめちゃめちゃキマるし、気持ちいいじゃないですか。自分自身は、with B以外の人に上からモノを言ったりはしないけど、“キャリアウーマン”ネタのそういう部分は、メイクのコンセプトと通じる部分はあるかも。「カワイイ、モテたい」よりも「キマってる」になりたかったんです。

――“キャリアウーマン”ネタがこんなにウケたのはなぜだと思います?

なんででしょうねえ(笑)。私も正直言って、これが大人から子供までウケるネタとは思ってなかったんです。これまでも私のネタって、ライブでやっても好きな人は好きだけどそれ以外の人には全然ハマらない感じだったんで、キャリアウーマンも“あるあるネタ”として実感できるOL世代が「誰が言うてんねん!」って笑うくらいかなーと。でもそのOL世代からも、「響きました!」とか「彼氏にフラれたばかりで、“35億人”に励まされました」なんて言われたのは予想外で。マジメに人生論的に励まされるよりも、笑いながら「そうだよね、35億人いるもんね~」って思えるのかもしれないですね。日本人ってズバズバとモノを言う人があんまり多くないから、バシッと言われるところに気持ちよさもあったのかもしれません。私自身も「こうなれたらいい、こう言えたら気持ちいい」っていうのを、ネタで発散しているところはありますから。

――本当のご自身はどういうタイプなんですか?

照れ屋なので、「ザ・女子」みたいなことできないんですよね。長女だし、甘えないでしっかりしなさいって言われて育ってきたので、今さら急に甘えることとかできない! 無理! って感じす(笑)。

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――バレンタインが近いですが、過去のエピソードはありますか?

去年のバレンタインに、チョコレートを用意したのにめっちゃ可愛くない渡し方しちゃったんです。普通に「これ作ったから食べて♡」ってやったらかわいいのに…。ある人とご飯を食べた後にクルマで送ってもらって、家の前に止まったところで、「これ、あげるわ」って、サラッと。バレンタインも近いしね、って感じで。それも“ザ・本命”って感じのチョコではなく、持ち帰りに面倒じゃないですよー、っていう、トリュフ2個入りくらいのを渡しました。そうやって渡されたら向こうだって「ああ、(バレンタイン近いから挨拶みたいなもんね)ありがとう」ってなるじゃないですか。わかってたのに、そういう渡し方して、「じゃ!」みたいに車を降りちゃったっていう…もうなんか、ほんとに、自分! って(笑)。

――ブルゾンさんは、いわゆる「女芸人」とは少し違う印象がありますが、ご自身は自分が何者だと思っていますか?

正直、見る人がそれぞれに、コメディアンでも芸人でもタレントでも、好きに考えてくれていいです。私には「絶対に〇〇でありたい!」と言うのはないので。ウィル・スミスが大好きなんですが、彼ってもともとはラッパーなんだけど、コメディのドラマも出るし、いまや「え、映画スターでしょ?」って思う人も多い。でも彼は「俺はラッパーだから俳優って呼ばないでほしい」とかもないと思うんです。そういうところからもエンタテイメントが好きなんだな~っていうのがめっちゃ伝わってくるし、私もそういうのが憧れですね。もともとお笑いも音楽も、舞台やミュージカルを見るのも好きだから。なんかひとつに決めなきゃいけないっていうのは苦しいかなーと。

――それではエンタテイナーとして大事にしたいと思っているものは?

自分の本能に従うことですかね。よく渡辺直美さんやゆりやんさんを、「どう思いますか?」って聞かれたりするんですが、そういうんじゃなく、人それぞれ、私は私という気持ちを大事にしているかも。情報が多い時代なので、何が正解か、何が自分に合うのかって分かりにくいと思うんです。でも「This is me」じゃないけど、「本当にこれ好きだし、これがやりたい」っていうのが正解なんだよなって思います。

――でも表現する人って、自分はこのネタをやりたいけど、世の中にウケるのはこれ、みたいな葛藤もありますよね。

芸人はみんなそこで悩んでいると思います。自分の世界観を貫き通したいけど、行きすぎてしまうとお客さんがついてこないっていう。“キャリアウーマン”ネタが人気になってすごく嬉しかったのは、男を従えるのも音楽使うのも上から目線でバシッというのも、すべて私がやりたいことをやれたネタだったから。私がやってて楽しいことで、みんなも喜んでくれたっていうのは、本当に幸せでしたね。

――「これがウケる」と思ってやってもウケないこともあるから、やりたいことをやっちゃったもん勝ちというか。

ほんとにそうだと思います。世間はこれがウケてる、流行とか男ウケとかで服選ぶのと同じ。100人いたら100通りの意見があるから、全部聞いてたらわかんなくなっちゃうし、誰のためにやってるのかわかんなくなる。まあ私も「男ウケ」とか気にしてたら、まずこのメイクしていませんし(笑)。結局は自分がやってて楽しいのが一番かなと思いますね。

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――ブルゾンさんは海外の方とお付き合いしたことがあると聞いていますが、外国人と日本人で違うこと、よかったことなどありますか?

私が交際した相手は3人ともネパール人で、欧米の方とはまた違うと思いますが、すごく感じたのは良くも悪くもストレートなところですかね。私の場合、相手に気を遣われていると逆に気を遣っちゃうんです。でも私がお付き合いした方々は気遣いも駆け引きもなし。これ連絡先って携帯番号渡されて、連絡したらご飯行こうってご飯に行き、好きになったから付き合おう――ってすべてが分かりやすい。自分は性格がせっかちだし、そういう部分はすごく楽でした。その後に日本人とも付き合ったら、「直接的に言わなくても、ニュアンスまで100%わかる!」と感動しました。文化が同じでも違っても、いいことも悪いこともありますよね。

――最近、エンタテイメントの世界でもYouTubeやSNSなどを介して、海外で活躍する人も多いですが、ブルゾンさんはそのあたりはどうですか?

そもそも海外が好きだし、向こうでも活躍できたらいいな、という夢もあります。もっと下積みをすると思っていたし、そういう覚悟もあったのですが、いろいろ考える間もなく世に出てしまったので、今は何を武器にするかを探しながら精進している感じでしょうか。海外はそれこそ文化が違うので、日本で通用するものがそのままでは通用しないのかなと思ったり。でも世界共通で大ヒットしているもの、たとえばSATCなんかは国境も時代も超えた「女子あるある」だから、そういうこともできるのかなと。でもその一方で、日本人ならではのこともやりたいなと。だって海外の方が見たら、日本って本当に不思議でカッコいい国だし、興味があるだろうなと思うんですよ。

――自分が目立つことよりプロデュースのようなことの方が好きとおっしゃっていたので、そういう方向性もあるかもしれないですね。

例えばランウェイでも、スポットライトを浴びるモデルさんより、服を作ってる人をかっこいいと思う、尊敬しちゃうんですよね。だから私もそういう人になれたらなと思います。自分で音楽を作り、パフォーマーを動かしながら、いいものを作りだす、みたいな。まだまだそんなこと言うのは恐れ多いし、これからもっと勉強していきたいですね!

ネタに込めた思いも、自身のキャリアについての考えも、どこまでもFearlessでかっこいいブルゾンさん。「自分がやってて楽しいのが一番」という言葉も、仕事や恋愛に悩むCOSMO読者たちの参考になるはず。「女芸人」という枠に収まらないブルゾンさんの、これからの活躍から目が離せません!

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Photo/Cédric Diradourian Styling/Izumi Machino Makeup&Hair/Rei Fukuoka(ADDICT_CASE) Model /Chiemi Buruzon Text/Shiho Atsumi

ジャケット/58,000円、ボディスーツ/27,000円、パンツ/48,000円(すべてピンコ/ステップインク) ピアス/14,000円(リサ シー/エイチスリーオーファッションビュロー) ハート型クラッチバッグ/26,000円(ルル ギネス/シーピーアールトウキョウ) ※全て税抜価格