カリフォルニア州で同性結婚が合法となった年にパートナーである女優ポーシャ・デ・ロッシと結婚をした司会者エレン・デジェネレス。リベラルで知られる彼女だけれど、先日アメフトの観戦時にとある意外な人物を交流していたことで批判が殺到。そんな世論に彼女が熱弁したこととは…？
知人からの招待でエレンと妻ポーシャが観戦したのは、ダラス・カウボーイズとグリーンベイ・パッカーズの一戦。その日、偶然にもエレンたちの隣の席に座っていたのが、アメリカ大統領を2期にわたって務めたジョージ・W・ブッシュとその妻ローラ・ブッシュ。
保守派として知られるジョージ・W・ブッシュは、任期中に同性婚を禁止する案に賛成をしていたほか、イラク戦争やアフガニスタン戦争を開始した人物。思想的には真逆であるように見えるジョージ・W・ブッシュとエレンだけれど、そんな二人が楽しそうに試合を観戦している姿がテレビで放送されると、Twitter上に多くの批判の声が上がることに。
「無理だ。嘘をもとに戦争をはじめて大虐殺をしたジョージ・W・ブッシュとは、何も共通点を見出せないね」－リベラルの活動家であるピーター・ダウーによるツイート
「ねえ、エレン。大量虐殺を行った犯罪者の隣に座って試合を観る気分はどうだい？」 ― 映画監督で環境活動家としても知られるジョシュ・フォックスによるツイート
彼らの他にも、「今回の試合で興味深かったのはエレンとジョージ・W・ブッシュが仲良くしていたことかな。ショックだよ。二人が親友だなんて知りたくなかった」と綴る人や、「エレンがホモフォビア（同性愛を恐れたり嫌悪する人のこと）のブッシュと隣同士に座って笑ってる。ひどい行動だ」と投稿する人など批判が殺到。
そこでエレンは、自身の番組で事の顛末を話すことに。
「なぜハリウッドのゲイでリベラルな人物が保守的な共和党の元大統領と一緒に座っているのか、と怒った人が多かったようです。怒ると人はツイートしますよね。でも、その中にも良いツイートがあったんです。『エレンとジョージが一緒に座っている。もう一度アメリカの可能性を信じられるかもしれない』というツイートでした」
「私はジョージ・W・ブッシュと友達です。彼だけでなく、同じ思想や信念を持っていない多くの人と友達です。人間はみんな違うんですよ。違ってもいい、ということを忘れていませんか。例えば、私はリアルファーを着てほしくないと思っています。でも、賛成できなくても、ファーを着る人とも友達です」
「その人の考え方すべてに賛成ができないという理由だけで友達にならない、ということではないんです。私が『思いやりの心を持って』と言う時は、なにも『同じ思想を持った人だけ』を対象にしているのではありません。『すべての人に優しさを』という意味で私は発言しています」
「ブッシュ元大統領とローラ夫人には、楽しい日曜日を過ごさせてくれたことを感謝します」
エレンのスピーチを受けて、再びTwitter上では議論が活発に行われることに。ただし今回はエレンの発言に賛同する人も多く、称賛するコメントが多数投稿されている。
「私は保守的な考えを持っている26歳。リベラルな友人は大勢いるし、考えが異なるという理由だけで友達をやめようと思ったことは一度もないわ。多くの人にエレンの素晴らしいスピーチを聞いてほしい」
「エレンは、国の宝だ。シンプルな人間だよ。僕にも、思想の違う、けれど素晴らしい友人たちがいるよ。愛情や友情さえあれば、そのことで態度を変えたりすることはない。エレンのように考えられる人がもっと増えることを願うよ」
スピーチを載せたエレンの投稿には、約34万件の「いいね！」がついている。またTwitterのみならず、Instagramの投稿にはケンダル・ジェンナーやショーン・メンデスが「いいね！」をしているほか、リース・ウィザースプーンやオーランド・ブルームなどから好意的なコメントが届いている。
