「良い宝石」って何だろう? まず知っておきたい基本的なこと

素晴らしいジュエリーを見てみたい!身につけたい!と思ってみても、一体何を「良い宝石」と言うのでしょう? これはシンプルだけど意外と難しい問題かもしれません。

宝石に重視される要素は、

「美しい外観」「希少性」「耐久性」

です。

この条件を高く兼ね備えた鉱物が「宝石」と呼ばれています。長い歴史の中で人を魅了する美しさを持ち、しかも珍しいものだからこそ、高い値段で取引されるようになったのです。

価格はどうやって決まる?

では、ダイヤモンドを例にして考えてみましょう。ダイヤモンドは、グレードに沿って細かく価格基準が設定されています。特に世界中の指標とされているのが、デビアス社(南アフリカに本社を持つ、ダイヤモンドの採掘・加工・流通会社)が発行する「ラパポート・ダイヤモンド・レポート」です。

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

この価格表は、良く聞くダイヤモンドのグレード(評価基準)「4C」に基づいています。

ちなみに、4Cとは

Colour カラー

Carat カラット(重さ)

Clarity クラリティ

Cut カット

のことです。

カラーは、基本的には透明に近いほど美しく、高価。(カラーダイヤモンドで希少性の高いものはまた別になります)

カラットは「重さ」のこと。より質量の大きな石ほど希少性が高いという意味で、質量は重要です。

クラリティは透明度。石の中に内包物や表面の傷が少ないものほど良い石になります。

カットは、施されるカット形状のクオリティを指しています。一般的なダイヤモンドのカットといえば「ラウンドブリリアントカット」が挙げられますが、これはダイヤモンドが最も美しく輝くように計算された角度があり、その理想値に近いカットほど良い石とされ、カットの悪い石の価値は落ちてしまいます。

Diamond Roundbrilliantcutpinterest
jamesbenet
ラウンドブリリアントカットのダイヤモンド

このように、ダイヤモンドについては、4つの要素をより高く兼ね備えたダイヤモンドは高く取引されます。

ちなみに、「『カラット』って大きさじゃないの?」と感じた方がいるかもしれませんが、こちらは「重さ」の単位なのです。1カラット(ct)とは0.2gを指し、これはかつて計量の基準として使われた、イナゴ豆1粒の重さに由来するそう。

単純に大きさで比較するのが難しい宝石については、重量であれば質量での比較ができます。

カラット数が「大きさ」ではなく「重さ」を指す証拠として、"同じカラット数なのに、見た目で大きさが全く違って見える宝石"があります。これはカットされた形状にもよりますが、多くはその石の比重の違いによるものです。ルビーやサファイアは大変比重が重く、オパールや水晶は比重が軽いので、同じカラット数でも見た目の大きさが異なってくるのです。

単純に「大きければいい」という基準ではないのは、宝石を選ぶ点では知っておきたいことですね。