大人気ドラマシリーズ『グレイズ・アナトミー』の主要キャスト、カリー・トーレス医師役として長年出演した女優のサラ・ラミレス。役どころだけでなく、自身もバイセクシャルを公言している彼女が、とあるドラマのバイセクシャルに対するセリフに不快感を露わにした

主人公の1人がゲイである『Real O'Neals(原題)』というコメディドラマのセリフが、サラにはどうしても許せなかったみたい。

先月アメリカで放送されたあかりエピソード内で、ゲイの男の子が「みずかき趾? お金がないの? それとももっとひどいあれか…バイセクシャル」というセリフがあった。もちろんコメディの一環なのだけれど、これをジョークで済ますまいと立ち上がったのがサラ。

古巣である『グレイズ・アナトミー』と『Real O'Neals』が同じ放送局ということで、『ABCネットワーク』に向けてツイート。

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10年以上も捧げたのに…。失望しました。今後は私を尊重してくれるところと仕事をします」

「『ABCネットワーク』と『Real O'Neals』へ。どうか過ちを認めて、問題を取り上げて説明してください。そしてバイセクシャルやLGBTQ+の若者やコミュニティを力づけてください」

さらに、とあるLGBTQ+のティーンエイジャーだという男性が「『Real O'Neals』内でのバイセクシャルに対する偏見と差別をなくす」ことを目的とする署名活動をネットで開始。サラが参加するようファンへツイッターでお願いした。

署名活動を開始した男性はこのように主張している。

「ドラマは私たちの存在を無視しているんです。バイセクシャルに対する偏見を助長するようなセリフもあります。例えばグロリアというキャラクターが長い間好きだった人と交際できなかったため、我慢できずに別の人とセックスをしたら"ふしだらなバイセクシャル"と言われるセリフがあります。バイセクシャルが、金銭問題や遺伝的異常よりも深刻な問題だと思わせるようなセリフは、当事者からすればジョークでは済まされません。『ABC』に考えを改めることを求めます」

一方で、『Real O'Neals』に感謝を述べているファンも少なくないよう。「これまでLGBTQ+のコミュニティを代表するメディアは少なかったけれど、このドラマは我々を代表してくれている」などと、主人公役のノア・ギャルビンにツイートしている。

バイセクシャルの人々は、同じセクシャルマイノリティの中でも、日頃からドラマで表現されたような偏見と戦っている。そう考えると、コメディドラマとはいえ、揶揄されることによってその偏見や差別を助長していると当事者たちが不満に思うのも無理はないのかも。サラの訴えを、テレビ局がどのように受け止めるか注目したい。