現地時間今月22日に開幕された、ミラノ・ファッションウィーク。数々の有名ブランドから2017年秋冬の新作が発表される中、注目されたのが25日に開催されたイタリア発祥の高級ニットブランド「ミッソーニ」。そこではモデル達がピンク色のニット帽をかぶってラストステージを飾ったと話題に。
ネコの耳のようにも見えるユニークな形のこの帽子は、「プッシーハット」と呼ばれ、アメリカのトランプ大統領就任翌日の1月21日、首都ワシントンD.C.をはじめとした世界60カ国以上で行われたデモ「ウーマンズ・マーチ」で、"女性の権利"を訴えるために、多くの女性が身につけたことで知られる。
名前の由来はアメリカ大統領選の期間中に話題に上がった、トランプ氏の「プッシー(女性器を表す俗語)」発言問題。「俺は金持ちで有名人だから、プッシーをさわることなんて簡単だ」「股ぐらをつかむんだ」などと発言したことが、女性蔑視として批判される原因に。それをきっかけに誕生したのが、この反トランプ帽子こと「プッシーハット」。よく見ると女性器に見えないこともない…?
コスモポリタン アメリカ版によると、ランウェイのラストステージで、ピンク色の「プッシーハット」を身につけたモデルが全員集合したとのこと。
「ウーマンズ・マーチ」では、4つの目標「H.E.R.S.(Health=健康、Economic security=経済的安定、Representation=女性の代表を増やす、Safety=安全な環境)」を唱える女性たち、そして人間の平等性や多様性の広まりに対する差別撤廃を訴えていたが、今回その訴えが、世界を代表するファッションショーでも再現されたのだ。
ゲスト達も同じデザインのニット帽をかぶり、会場一帯が団結。人権の尊重をアピールした。
「ミッソーニ」のクリエイティブ・ディレクターを務めるアンジェラ・ミッソーニは、ショーの最後にマイクを握り、今回の抗議運動について、このような力強いメッセージを発信。
不安定な時代だからこそ、私たちの社会には「団結」が必要なのです。パワフルな団結力が、強くて安全な社会を作り出してくれる。そして、私達の人権の尊重につながるのです。団結したファッション業界は、何も恐れていません。みんなで世界に広めようじゃありませんか!
また「ミッソーニ」のモデルとしてランウェイを披露した、大人気モデルのジジ・ハディッドは、「私たち、ミラノ・ファッションウィークで、初めて政治的アピールができたわ!」とコメント。
アメリカの政権交代で、世界では不安の声が高まっているが、このような政治的アピールをきっかけに女性はじめ、1人1人の人権が尊重される未来を望む人が増えることを願うばかり。