パリ、NY、ミラノ、ロンドンで開催される世界4大コレクション。そのランウェイを飾り、完璧な美を表現するモデルたち。真剣な表情の裏側には、どんなことを考えてる? モデル同士は仲が良い? そんなファッションウィークに関する素朴な疑問を、パリコレ出演を果たしたモデルに質問!
【サラ(24)】
南仏のマルセイユとパリを行き来し、モデル活動をしながら法律家を目指すサラ。ファッションショーや雑誌、広告などの仕事で世界中を旅している。
【マチュー(28)】
パリをベースに広告などを中心に活躍中。バドミントンの選手としての生活から一新、モード学校で勉強をしてファッションの道へ。
―ショーの直前はどんな心境?
「緊張に負けず、ランウェイでのウォーキングを成功させるように集中力を高める!」(サラ)
「エキサイティングな気持ち! 美しいパリの街に、世界中からファッション業界の中心人物が集まるんだから。そこで、メイクアップアーティスト、ヘアスタイリストたちとチームで一緒にひとつのショーをつくるのは、夢の世界にいるような気分になるんだ!」(マチュー)
―ランウェイを歩いているとき、どんなことを考えてる?
「やっぱり緊張してしまうから…平常心を保てるように、今まで旅した場所の中で美しかったバリのビーチの光景や、バカンス中のステキな思い出のことを考えてる」(サラ)
「この日のためにしてきた努力を思い返してる。オーディション、ジムでのトレーニングなど…。自分自身に、『ただ集中するだけ、緊張するな! せっかく選ばれてランウェイを歩いているんだから、ベストを尽くせ!』って、喝を入れてる(笑)」(マチュー)
―世界中から美しい人が集まる中で、ほかのモデルに嫉妬することってある?
「モデル同士は、たいていの場合"どれだけ細いか"ってことに、嫉妬することが多いんじゃないかな。お互い褒め合うときも、『スタイルがいい』という言葉がキーワードだし、自分より完璧なボディの子を見て悔しそうにしている人も中にはいるわ。私も、脚がすごく長いモデルを見たら、うらやましいとついつい思ってしまうの」(サラ)
「百人以上のモデルの中から選ばれないといけないからキャスティングまでの間は、正直なところ真剣な競争だよ。でも、一度決まったら嫉妬の感情はなく、みんなでジョークを言いあって、一緒にショーを最高にするために楽しんでいるよ!」(マチュー)
―ランウェイを美しく歩くコツは?
「大切なのは、他のモデルも、自分の足元もみないで、まっすぐ前を見て歩くこと。そして当たり前だけど、笑っちゃダメ」(サラ)
「実は、日々練習しているんだ。街を歩いているときに、ランウェイを颯爽と歩く自分の姿を想像して、まっすぐ前を見て歩く。『ただ、前に進む。誰も僕の邪魔なんてできない』という感じでね。
いざ本番で良いウォーキングをする秘訣は、幸せな気持ちになれることを思い返すことかな。家族や友達と過ごす時間を思い浮かべると、不思議と自分に自信が湧いてきて、ベストを尽くせるから」(マチュー)
―ショーの前は、やっぱり体型に気を使うの?
「1週間前から、お菓子を我慢してヘルシーな食生活に切り替えるわ。
それと、しっかり休養を取って、"お疲れ顔"にならないようにする。ストレスがたまった顔じゃなく、リラックスした様子で歩きたいから」(サラ)
「美は1日にしてならず! 普段からボディメイクをしています。2日に1回ジムに行くんだけど、メニューは20回の腕立て伏せを5セット、腹筋20回を5セットなど…筋トレがメイン。
もちろんエクササイズをするのも大切だけど、男性モデルにとってもスキンケアはかなり重要。野菜やフルーツをたくさん食べて、ニキビができないよう脂質はあまり摂らないようにしてる。パリには、美味しいチーズやチョコ―レートなど誘惑がいっぱいあるけど、それも我慢!
あとは前日にリラックス方法として、バスタブに浸かって音楽を聴きながら、自分が今まで達成してきたことを思い返す。自分に向き合う時間をつくると、勇気がわいてきて準備万端になるんだ!」(マチュー)
ランウェイを歩くという大きなチャンスを掴んだモデルは、精神的に極度の緊張をコントロールすることが必要とされる。それを支えるのが家族の愛や、旅先の美しい風景など。そのことを想像して次回のファッショウィークを見ると、普段と違った見方ができるかもしれません。