人間にとってストレスは切っても切り離せないもの。ストレスとはそもそも"危険な状況に立ち向かったときの自然な体の反応"なので、全くストレスを感じない人はいないはず。

体はストレスを感じるとホルモンを分泌し、血圧と心拍数が上がることで、頭や心臓や筋肉に送られる血液が増えるのだとか。また、消化機能や免疫機能などが一時的に抑えられることで、ストレスに順応していくそう。

でも問題なのは、体は"慢性的なストレス"には対応していないこと。"命を脅かすような身体ストレス"と違い、"感情的ストレス"に順応するようには進化していないらしく、そのため仕事の締め切りが迫ったときなどは、まるでトラに追い詰められたかのように反応してしまい、頭痛や筋肉痛、胃痛、食欲減退、集中力欠如、不眠症、イライラ、早期老化などの諸症状に悩まされることになるのだとか。

「慢性のストレスにさらされると、望まない症状が現れます」と話すのは、ミネソタ州ロチェスターの総合病院メイヨー・クリニックで健康生活プログラムを指導する、ストレスの専門家アミット・スード博士。

気分をヘコませ、時には病気につながりうるストレスから身を守るために、コスモポリタン アメリカ版から、避けるべき15の習慣を紹介。

1.自分自身を疑う

「人は"自分に求められていること"と"それを処理するための資質"が釣り合わないときにストレスを感じます」とアメリカ心理学会<オーガニゼーショナル・エクセレンス・センター>の副理事で心理学者のデビッド・バラード博士は説明。「自分には期待に応える能力がないとか、成果が上がっていないとか、もっと頑張らなければとか、もし期待に応えられなかったらどうしようと思うと怖くなるのです」。

自滅する前に、今あるスキルを使ってとにかく取りかかることが大事。たとえ普段あまりほめられたことがなかったとしても、自分に負けず、うまくこなしているところを想像してみて。

2.自分の仕事は意味がないと思う

仕事に誇りを持てず、自分の日々の働きがどれだけ会社に貢献しているかが分からないと、仕事から喜びを得ることはできないのだそう。スード博士によると、「脳の報酬中枢が刺激されると、ストレス中枢の働きが抑えられる」のだとか。つまり逆を言えば、仕事から得られる喜びが小さいと、ストレスを感じやすくなるということ。特にモチベーションが低いと、気力を失うのも早いよう。対策としては、あなたの仕事によって喜ぶ人を見つけること。そしてその人を助けられてよかったと考えてみて。

3.前回うまくいったことを覚えていない

企画が通らなかったり、上司を満足させられなかったりという失敗が何度も続くと、やる気が失せて創造性も損なわれていくそう。そうなると熱心に取り組んでいた仕事でも、ストレスを感じるように。「うまくいくというのは、大幅に昇給することではありません。いいアイデアが認められるという単純なことで、脳の報酬中枢は活性化され、ストレスが相殺されるのです」とスード博士は解説。

4.十分な睡眠を取っていない

「仕事で慢性的な疲労がたまると、ストレスは相乗効果的に大きくなります」とスード博士。疲れているときは脳がエラーを起こし、効率が悪くなるのが原因なのだとか。睡眠不足で嫌な上司に接したりすると、ストレス症状を抑えることができなくなるかも?

5.デスクに緑(グリーン)がない

スード博士いわく、「植物やペットの存在で、脳は周囲に敵がいないと判断します。自然の中で進化してきた人間は、自然を感じさせる環境にいると安全だと感じ、リラックスできるのです」。特に自然光が入らない場所では、少しの緑でも効果絶大だそう。

6.休憩なしで2時間以上働く

脳がフル稼働できる最長時間は約2時間と言われているそう。脳には痛みを感じる受容体がないので、疲れてヘトヘトの状態でも自動的にブレーキがかかることはないのだとか。ただ、ストレスが生じると眠けが襲ってくるそうなので、脳が発するサインを見逃さないで!

7.孤独を感じる

競争は孤独感を生みやすいため、職場は競争と孤独感に満ちた環境になりがち。自分の背後を守ってくれる仲間がいない人は、警戒心を緩めることができずストレスを感じやすくなるそう。時にはアドレナリンが出て血圧が上昇したり汗ばんだり…。自覚症状のある人は、職場で気軽に相談できる相手を探してみて。

8.すべてが遅い

到着が遅れたり、タイムマネジメントがうまくいかず時間に追われたりすると、その遅れを取り戻すために、能力の限界を超えたスピードアップを図ろうとしてしまうことも。自分の力不足を感じるとストレスにつながるそう。

9.デスク周りがごちゃごちゃ

写真や絵や小物を置くことで気持ちが落ち着くという人もいるようだけど、私物でごちゃごちゃのデスクから、ペンやハサミや先週の議事録を見つけるのは時間がかかりそう…。生産性が妨げられるとストレスにつながるのでご注意を。

10.プライバシーがない

オフィスはドアで仕切ったレイアウトより、オープンスペースの方がストレスを感じにくいという説も(隠れた敵がいない、と脳が感じるからだそう)。ただ、クライアントに大事な電話をするときなどは、静かな環境がないとストレスを感じてしまう可能性が。

11.朝一番に不要メールを削除する(単調作業を朝一番にする)

朝型か夜型かに関係なく、脳は仕事開始から23時間が一番よく働くらしい。重要なタスクに取り組むのは、脳がまだ疲れていない時間帯がおすすめ。頭を使わない単調な仕事に大事な時間をむだ遣いすると、疲れ切った頃になって重要案件に悩む羽目に…。頭が一番働く時間に大切な仕事をするのが、ストレスを最小限にするコツ。

12.メールが来るたびに開く

メールを受信するたびに重要度に関わらず反応していると、やるべき仕事(最優先でと指示された急ぎの仕事など)の妨げになりがち。

13.空腹のまま働く

「お腹が空いていると、脳は考えたり情報を処理したりするのに十分なブドウ糖を得られません。だから疲れや頭痛、ストレスを感じるのです」とスード博士。「人生は意志によって進めるものですが、空腹はその意志を弱めます」とのこと。

14.デスクに水を置いていない

スード博士によると、「水分が不足すると、心拍出量が減少して脳へ流れる血液が減るので、疲れやストレスを感じやすくなります」。ハッピーアワーが待ち遠しいワケはこれ?

15.一度に多くのことをする

グループメールをチェックしながらランチを食べて、上司からの急ぎのメールに返信。マルチタスク(複数の処理を同時に実行する)と言うと、いかにも仕事ができそうに感じるけど、脳はどんなときでも1つのことしか処理できないのだとか。同時進行だと結果的に何ひとつ片付かず、疲労感だけが残り、つらい仕事になってしまうことも…。スード博士いわく、「人は1つに集中して取り組んだときに喜びを感じられるのです」。そう、喜びはストレスを抑える最強の武器!

※この翻訳は、抄訳です。

TranslationYuko Oguma

COSMOPOLITAN US