アイリーン・キャリーさんは、テック業界で成功しているシリコンバレーの会社のCEO。現在は髪は茶色く、メガネをかけていて、ハイヒールを履くことは決してないという彼女だけれど、かつてはそうではなかったのだとか。女性が職場で置かれている状況を示唆するキャリーさんのリアルストーリーを、コスモポリタン イギリス版から。

先頃行われたBBCインタビューで、元々ブロンドだった髪を茶色く染めたのは、それがキャリアにとって「有益」だとアドバイスされたからだと明かしたキャリーさん。

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BBCに対して、「ブルネットの髪は私を少し年上に見せてくれます。そして、私にはそれが必要、そう思っていました。自分からまともに相手にしてもらうために」と語った。またマニキュアやブローした髪、コンタクトレンズをやめ、よりゆったりしたアンドロジナス(異性のアイテムを取り入れた)な服を着て仕事をしているそう。

彼女の母親もまた同じような格好をしていたそうで「髪が短く、メイクは決してせず、ハイヒールも履かず、決してワンピースは着ませんでした。彼女はいつもそんな感じでした。(最近では)とても母の娘らしくなって来ました。メイクをするのもハイヒールを履くのも好きじゃない。職場ではただ快適にしていたいんです」

テック業界でこうした手段をとったのは彼女だけではないそう。彼女がはじめた会社「Glassbreakers」で、あるポジションに採用するために女性候補者たちを面接した際(会社が多様な人材をまとめるための策)、キャリアのために髪をブロンドからブルネットに変えた女性に数名出会ったのだとか。

「私たちは、ブロンドに対するフェティシズムがあると話しました」とキャリーさん。「ブロンドのときの方がバーで声をかけられることが多いんです。これは一般的な問題です。この(テック業界の)場で成功するためには、私はできる限り自分が関心を引かないようにしたいんです。特に、性的な関心は一切」

でも、女性が望まない関心をひくことを懸念しておしゃれができない、あるいは特定の髪の色でいることさえできないことは、テック業界だけでなく世間一般おける問題点を指摘しているはず。キャリーさんにとってこの外見は明らかに正しい選択であり、彼女は自分がとった手段についてネガティブな感情を一切語っていない。しかしこれが誰にとっても正しい答えとはならないはず。

専門職の女性の間に存在するセクシャル・ハラスメントの問題を認めながら、キャリーさんはこのように発言。「私たちの業界にも、この時代にも、セクシャル・ハラスメントの問題はあります」

キャリーさんはこの問題の対策として、「自分が望む世の中の変化を、自ら体現すること」を答えとし、性的対象と見られないファッションへの変化を取り入れた。キャリーさんはBBCに対して「私はビジネスリーダーと見なされたいのであって、性的な対象として見られたくはありません。それはこの業界でも混同されがちなのです」

容姿によって、仕事への評価が正しく行われないことは女性にとって嘆かわしいこと。ただ、彼女のように仕事の評価のためには容姿を変えるしかない女性がいるという現実は、覚えておく必要がありそう。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation:mayuko akimoto

COSMOPOLITAN UK