アメリカのバージニア州で暮らし、10年ほど前からアーティストとして活動しているキャット・ジャニスさん。7歳の子どもを持つジャニスさんは、癌の一種である肉腫(サルコーマ)の闘病中で、現在はホスピスで療養をしている。

そんなジャニスさんが制作した最新曲の権利者を子どもに変更し、すべての売り上げが子どもに渡るようにしたところ、彼女へのサポートを示すためにTikTokで楽曲を使用する人が続出。そうして楽曲が人気となり、ついにビルボードのチャートで1位を獲得するまでに。

息子が作詞の一部を担当した楽曲

2021年に首にしこりを発見したというジャニスさん。ところが、コロナウイルスに感染した後でリンパ腺が腫れていたため、その症状の一種かもしれないとあまり深く考えなかったそう。

Today>に話したところによると、そのしこりがまだ残っていることに気がついたのが2022年3月。以前よりも大きく固くなっていたものの痛みはなく、血液検査も問題なし。自覚症状はというと、頻繁に起こる肩甲骨あたりのコリだったそう。

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その後に、がんの一種である肉腫(サルコーマ)であることが判明。「予後は良くない」と宣告されながらも、放射線治療と化学療法を行い、今年1月からはホスピスで緩和ケアに専念しているという。

ジャニスさんが楽曲「Dance You Outta My Head」をリリースしたのは、1月19日のこと。春の晴れた日に、車の中で息子のローレン君と歌って踊っていたときに浮かんだ曲で、忘れないようにボイスメモをとり、半年後にスタジオで曲を完成させていた。ローレン君も、一部の作詞を担当している。

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Dance You Outta My Head
Dance You Outta My Head thumnail
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「少しでも息子に残すために」

楽曲のリリース前となる1月10日からホスピスに入っていたジャニスさん。曲のリリース日を迎えられることを願って放射線治療をしていることや、楽曲への想いをTikTokで綴っていた。

「この曲の全ての権利を、息子に変更しました。私はあまりお金を持っていないので、少しでも息子に残すために。私はその日、この世にいないかもしれないけれど息子はいるだろうから」
「私の体に入っているタトゥーと同じものを家族が入れてくれました」

するとTikTokでは、ジャニスさんへのサポートを示すために、この曲を使用した動画が次々と投稿されることに。

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「もっと早くにあなたのことを知れたらよかった。私たちも、息子さんを助けるために行動します。この曲だけでなく、あなたが作った他の曲も聴きつづけます」
これはtiktokの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
「私は妊娠中に母を癌で亡くしました。こういうサポートがあれば私たちもきっと元気をもらえたはず。キャットと彼女の家族のためにできる限りのことをして愛を示しましょう」

こうして様々な人の耳と心に触れた楽曲は、ビルボードチャートのデジタルセールス」部門の11位にランクイン。「ホット・ダンス/エレクトロニック」ではトップ40に入ったほか、iTunesの世界ランキングでも7位に。

自身の曲がチャートを駆け上がっていく様子を見たジャニスさんは、驚きと喜びの声をSNSに綴っている。

「ビルボードにランクインしたアーティストとなれたことに驚いています! みなさんのおかげです。みなさんが私の夢を叶えてくれました。それも、もっとも私が必要としていた時に。『Wishing I Was You』という曲は、どうかもう一度屋上から叫べるような出来事に出合えるように、と願いを込めて書きました。みなさんが愛してくれて、その時間を私のくれたのです。永遠に感謝します」

そして2月15日には、ついにチャート1位を獲得。

「私が生きている間に、自分の作品がビルボードで1位になるところを見られるだなんて想像もできませんでした。私たちにこのような瞬間を与えてくれて、心から感謝します」

コメント欄には、ジャニスさんへの応援メッセージや「頭の中から離れないぐらい好きな曲!」と楽曲の素晴らしさを称える声など、多くのコメントが寄せられ続けている。