アルゼンチンでソーシャルワーカーとして働き、LGBTQ+の活動家でもあるパブロ・フラッキアさんには、昔から2つの夢がありました。1つ目は、ゲイの男性として自分らしく生きること。そして2つ目は、父親になること。

しかし、独身男性が養子縁組を組むのは非常にハードルが高く、2つ目の夢を叶えるのは不可能に近いと感じていたそうです。

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そんな日々の中、2010年に同性婚が合法化されるなど、自国の政策の変化を目にしたことで、彼の中に希望の光が芽生えました。

そして2017年、何度も熟考した末、パブロさんは「父親になる」という夢を追うことを決意し、養子縁組の申し込み手続きを始めたそうです。

偏見の目で見られるかもしれない、父親に選ばれるかどうかもわからない――不安と不確かなことだらけの旅路でしたが、彼は恐怖心を捨て、行動することを選びました。

それから2年が経った2019年、パブロさんの元に、家庭裁判所から一本の電話が入ります。

boredpanda>によると、電話の内容は、当時1歳10カ月の女の子についてでした。その女の子は消化器系の疾患を抱えており、生物学的な両親は十分な治療を提供できない状況にあったため、家庭裁判所が彼女を医療施設に預ける決定を下し、すでに1年間そこで暮らしていたそうです。

その女の子こそが、後にパブロさんの娘となるミアちゃんでした。

パブロさんは電話を受けた翌日にミアちゃんに会いに行き、一緒に過ごす時間を重ねながら、養子縁組が成立するかどうかの結果を待つことになりました。

彼が暮らす州では、家庭裁判所の裁判官が候補者たちの親としての適性を審査することになっており、パブロさんの他にも、ミアちゃんの養親候補のカップルが4組居たそうです。

その時点でパブロさんは、自分が選ばれる確率は極めて低いと思ったそうですが、運が彼に大きく味方をしました。

ミアちゃんの件を担当した裁判官は、先入観や偏見にとらわれず、親としての適性や子供との相性を重点的に見てくれる人だったのです。

裁判官から親として相応しいと認められ、めでたくミアちゃんの父親になったパブロさん。以前はボランティア活動に情熱を注いでいたそうですが、今はミアちゃんと一緒に過ごす時間を増やすため、それらの活動もセーブしているのだとか。

「父親になりたい」という夢を叶えてくれたミアちゃんに対し、パブロさんはInstagramにこう綴っています。

「愛する娘よ、私を選んでくれてありがとう」