2019年10月、カーリー・レイ・ジェプセンさんが新作アルバム『デディケイティッド』を引っさげ、東京・名古屋・福岡・大阪・仙台の5都市を巡るジャパン・ツアーのために来日! 東京公演を終えた翌日に独占インタビューを行い、日本でのエピソードや約4年ぶりのリリースとなったアルバム、失恋した時の対処法について教えてもらいました。カーリーさんの仕事観や恋愛観が垣間見れる言葉は必読です!

――これまで何度も来日されていますが、今回は5都市を周るジャパン・ツアー。1週間以上の滞在でやりたいことはありますか?

「日本食が大好きだから、異なる地域でローカルな料理を食べれることを楽しみにしているの。実は、コンビニで買える巻き寿司にハマっていて(笑)。今日インタビュー会場に到着した際にも、私の好みを理解してくれているレーベルスタッフが、袋いっぱいの巻き寿司を用意していてくれたほど! 特に、仙台を訪れるのは今回が初めてだから、日本の新たな面を発見することを楽しみにしているわ。あと、このインタビューの後に空き時間があるから、神社や庭園の散策、原宿へ買い物に行きたいな。東京は私のお気に入りのショッピングエリアよ」

――タワーレコード 渋谷店でミート&グリートを開催されましたが、久々に日本のファンと交流した感想は?

「ファンに会えるのは最高だった! 頻繁に訪れられない場所にもかかわらず沢山の人が集まってくれるのを見ると、音楽が私たちを繋いでくれたんだと思って嬉しくなるの。今朝、みんなからもらった手紙やプレゼントを開けたら、ずっと前から私の音楽を聴いてくれているというメッセージも目にして、すごく感動したわ。日本のファンは本当に優しくて親切。私が来日したり、ライブをするだけで、そのことにいちいちお礼を言ってくれるの。私の方がみんなに感謝するべきなのにね!」

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NANAKO HIDAKA

――東京公演を終えたばかりですが、興奮したオーディエンスの前でステージに立つ時、一体どんなことを考えていますか?

「毎回色々違うことを考えているけど、1曲目のパフォーマンスでは毎回緊張してしまうかな。最悪の事態が起こった時のことを予想して、落ち着かなきゃと思って。いつも『たとえ誰も曲を聴いていなくても大丈夫。それでも楽しくライブを終えられるから」って自分に言い聞かせているの。そんな風に考えながらステージに立つと、真逆の反応をもらえるからすごく驚かせられるわ! ライブ中のお気に入りの瞬間は、突発的にいつもとは違う動きを取り入れる時。何も考えずに、ただその場にいることを感じてね」

――パフォーマンスしていて、一番盛り上がるのはどの曲ですか?

ライブごとに違くて、昨晩の東京公演では「Run Away With Me」かな。みんなが大声で叫んだり、一緒に歌ってくれて本当に楽しかった。カラフルなフリンジ衣装を着て動き周るのが楽しくて止められなかったほど!

――「Run Away With Me」は、以前のツアーのオープニング曲でしたよね。

そうなの! だんだん心拍数が上がっていくような曲で、ショーのエントランスにぴったりだけれど、今回みたいに「No Drug Like Me」のような少し落ち着いた曲で始めるのも良かったわ。

――海外公演では「Cut To The Feeling」のパフォーマンスにマーク・カネムラさんがジョインされて驚きました! 彼との出会いについて聞かせてください。

「ホリデーシーズンの休暇中に、世界中にいる友達からマークの動画が送られてきたの。彼は『Cut To The Feeling』の曲に合わせてカラフルなウィッグを使ったパフォーマンスを披露していて。ダンサー兼振付師として活動していることが分かったから<Instagram>上で連絡を取り始めたわ。まずサンフランシスコのライブに呼んで、その後トロント、ニューヨークにも来てもらった。私の大好きな街、ニューヨークでのライブは北米ツアーの中でも最も盛り上がる公演になるから『マーク、あなたなしでは「Cut To The Feeling」はもう歌えない!』って懇願したの(笑)。彼が持ってくる小さなスーツケースには、レインボーカラーのアイテムやグリッター、カラフルなウィッグなんかが沢山詰まっていて、本当に面白いのよ。ショーが盛り上がるハイライトを作ってくれる素晴らしいパフォーマ―で、一緒にステージに立てて光栄だった」

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NANAKO HIDAKA

――4年ぶりにリリースしたアルバム、『デディケイティッド』のコンセプトについて教えてください。

「制作を始めた初期は、いくつかアイデアはあったものの、どんなアルバムになるのか着地点が見えていなかったの。1つ考えていたのは、渋めなディスコっぽいサウンドを使うこと。『Julien』がそれに近い仕上がりね。色々な方向からアルバムのイメージを考えて、90年代風だったり、前作のアルバム『エモーション』のような80年代風の形も想像したわ。アルバムのテーマは『dedications(献身)』と『love(愛)』。誰かに献身的に尽くすということを異なる視点から考えてみて、そこにこれまで作った楽曲の中からイメージに合うものを選曲していったの。すでに出来上がった曲としばらく向き合っていると、その曲が持つ本来の姿や意味がより深く見えてくるから、アルバムをこんな形に仕上げられて、自分にとってラッキーだったと思う。そして、今この年代になって次に考えるのは、『どうやって真実の愛を見つけるか』ということね」

――15曲で構成されるアルバムを作るまでに、一体何曲ほど作曲したのですか?

「新しいプロジェクトがあるから何か作曲する、というわけではなく、曲を書くことは私の生活の一部みたいなもので、常にソングライティングを続けているの。莫大な数に聞こえるかもしれないけど、『デディケイティッド』を制作する前には100~200曲ほど作ったはず。そこから15曲に絞ったのよ。アーティストとしてのキャリアを持つことに情熱があるからこそ、こんな風に自分を動かすエネルギーになっているのだと思う。異なるサウンドやコラボレーターを時間をかけて見つけて、よりよい音楽を作る旅を続けている感じかな」

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NANAKO HIDAKA

――イタリア1人旅に行かれていましたが、現地で作った曲はありますか?

「それがないの! 実はイタリア旅行中は『絶対仕事しない!』って決めていたから(笑)。旅行に行く前、50曲くらい制作していたのだけど、1曲も納得いくものが作れなくて…。だから旅に出ることによって自分の持つ創造性をリセットして、帰ってきたらまた新しい視点から曲を作り始めようと考えたわけ。ピザやジェラート、素敵な思い出とともにね。とはいえ旅行中は電車の中とかで毎日日記を書いていたわ。ちょうど失恋したばかりだったから、あとで読み返しても男の子のことしか書いてなかったけど(笑)」

――「Now That I Found You」は人気リアリティ番組『クィア・アイ』のテーマソングに選ばれましたね! ニュースを聞いた時の心境は?

「本当に驚いたわ! シングルの時に、運命の相手に巡り合うことについて書いた1曲だったの。ミュージックビデオもよくあるラブストーリーじゃなくて、私自身のようなクレイジーに猫好きな女性を主人公にしてみようと思って(笑)。番組に使われることによって、多くの人から違う視点や違うテーマを持った曲に捉えてもらえることが、もともと『クィア・アイ』のファンだから嬉しかった。番組と共に『自分を愛する』というメッセージを一緒にシェアできているの」

――『クィア・アイ』キャストに会ったことはありますか?

「ファッション担当のタンとインタビューを行ったけれど、素敵な人だった。『僕と夫はいつも君の曲に合わせて踊っているんだ』って言ってくれて、最高の気分よ! 番組に登場しないかっていう話もあるのだけど、だいたい私がツアー中でアメリカ国内にいないから難しくて(笑)」

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NANAKO HIDAKA

――ハッピーな時はもちろん、恋が上手くいかず悩んでいる時にカーリーさんの曲を聴くファンが多いと思うのですが、失恋から立ち直る方法があれば教えてください。

「全く同じことを2度経験するということはないけれど…。何か悲しいことがあったなら、ゆっくり浄化するための時間を取ることが大切。私の場合、ワインを飲みながら色んな人に話を聞いてもらうの。自分の中に溜まっていたものを全て吐き出してしまうようにね。あと、賢い女性達に自分の周りにいてもらうこと。たとえば好きな相手にフラれたら『彼は私を選んでくれなかった』というのが理由にあって、自分自身でもそれは分かっているはず。どうしようもないことだけど、1人では落ち込んだ気持ちを元に戻せなかったりするよね。そんな時、プライドやパワーを取り戻すために、女子友達が回復するのを手伝ってくれるの」

――『賢い女性達』というのは、カーリーさんにとってのお母さんや友人ですか?

「私の母はすごく頭の良い女性だけど、失恋した時に相談するのは違う人かな。私たち、恋愛関係に求めるものが違くて、彼女がくれるアドバイスには共感できなかったりで(笑)。たとえば、LAに住んでいるアレックス。7歳の頃からの親友で、何事も批判せずに話を聞いてくれるの。それって、失恋した時にすごく助かるでしょ。自分自身、別れた相手と一緒にいるべきじゃなかったと頭で分かっていても、心が傷ついていることに変わりはないから。他にも沢山そんな友人がいるけれど、クリスティーという子も特に仲の良い親友の1人。あと、男性になるけど一緒にツアーを周るバンドメンバーも。兄弟みたいな関係を築けていていて、彼らも話を聞いてくれる存在よ。10年以上一緒に活動しているメンバーもいて、中でもニックというメンバーは恋バナが大好き(笑)。素敵なメンバーに囲まれて仕事できるのは本当に恵まれていることだと思う! 」


終始ガールズトークのような雰囲気の中行われたインタビューでは、カーリーさんの明るくポジティブな人柄が感じられました。来日公演を大成功に終えたカーリーさんは、フィンランドのラップランドでレコーディングと撮影が行われた「The Sound」のミュージック・ビデオを公開したばかり。仕事も恋愛も全力投球で取り組む彼女の姿には、COSMOPOLITAN読者のみなさんのヒントになるはず! また新しい音楽とともに来日する日が楽しみですね♡

カーリー・レイ・ジェプセン(33)
カナダ生まれのシンガー・ソングライター。2012年「Call Me Maybe」が全米No.1シングルに輝き、世界中で大ブレイク。2012年の『キス』、2015年の『エモーション』に続き、2019年に3作目のアルバム『デディケイティッド』をリリース。親日家として知られる彼女は、お寿司が大好物という一面も。アルバム『デディケイティッド』の試聴はこちら

Photo/Nanako Hidaka Hair & Makeup/Agnieszka Dondzik