2023年3月にディズニー・チャンネルで公開され、7月28日からディズニープラスでの配信がスタートしたティーン向け映画『プロムの約束』。甘酸っぱい青春を描いた同作のあるシーンをめぐり、SNS上では批判の声が集まっている。

ディズニー・チャンネルの若手スター(ペイトン・エリザベス・リーやマイロ・マンハイムなど)が出演し、注目を集めた映画『プロムの約束』。

milo manheim, peyton elizabeth lee
Eric Milner//Getty Images

しかしここ最近、同作のあるシーンを切り取った動画がSNS上で拡散されている。

NEW YORK POST>によると、物議を醸しているのはバスケットボールの試合で歓声を上げる観客を映し出しているシーン。同メディアがXに投稿した画像を見ると、2列目にいる観客の表情が不自然であることがわかるはず。

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

実際に映画を観てみると、表情だけでなく動きもぎこちなく、彼らはデジタルのエキストラであることがはっきりと認識できる。

実はこのシーン、小規模ではあったものの2023年3月にも議論されていた。今回あるユーザーがXに「これがSAG-AFTRA's(全米映画俳優組合)の闘いなのだと思い知らされる」とのキャプションを追加し、再びシェアしたことで話題となっているとのこと。

※2023年7月14日、「SAG-AFTRA's(全米映画俳優組合)」はストライキに突入。制作におけるAI利用やストリーミングでの配信報酬の改善など、脚本家や俳優の仕事や生活を守ることを求めてストライキを続けている。

また、同シーンに映っているデジタルのエキストラは有色人種であることから、多様なバックグラウンドをもつ人々から“演技の仕事を奪っている可能性がある”との指摘も。

そしてまさに今回取り上げられたシーンは、SAG-AFTRA's(全米映画俳優組合)のストライキの重要な問題のひとつを浮き彫りにしている。十分な同意と補償を得ることなく、俳優の肖像がデジタルで再現されるのを懸念しているため、多くの人の注目を集めたと<The Hollywood Reporter>は報じている。

同メディアの調べによると、撮影されたエキストラはAIによるものではなく、他のVFX技術によって作られたもので、CGアーティストが手がけたデジタルエキストラだという。またディズニーの担当者は、コメントの要請に応じなかったとのこと。