子どもを持つための新たな医療的な選択肢として、アメリカやスウェーデンなど、いくつかの国や地域で実例のある「子宮移植」。オーストラリアでも今年初めて、母から娘への子宮移植が行われ、注目を集めています。

母から娘へ子宮移植

オーストラリア初の子宮移植を決意したのは、カースティ・ブライアントさん(30歳)。2年前に娘を出産した後に緊急の子宮摘出手術を受けたというカースティさんは、再び妊娠を希望しており、母であるミシェル・ヘイトンさん(54歳)に子宮提供について相談したと言います。

<チャンネル9>の取材に対し、その経緯について母ミシェルさんは次のように話します。

「カースティが私に電話してきて、こう言ったんです。『ねぇ、ママの子宮を私に移植する手術についてどう思う?』って。そこで、私はこう答えました。『やってみようじゃない。私は大丈夫だよ』って」

こうしてカースティさんとミシェルさんは、シドニーにある王立病院で、それぞれ長時間に及ぶ手術を受けることに。無事に子宮移植が完了し、オーストラリア初の子宮移植の成功事例となりました。

「この先は上手くいけばの話ですが、私は自分が育ったものと同じ子宮で妊娠を目指しています。いつか子どもにもこのことを話せれば、素晴らしいなと思っています」(カースティさん)

すでに、6つの受精卵が移植準備にある一方で、現在はカースティさんの体の回復を待っているところ。

今回の臨床試験の執刀医を務めたレベッカ・ディーンズ医師は、「術後3〜6カ月の間のどこかで胚の移植を始めることになりそうです。それぞれの胚が妊娠に結びつく成功率は30〜50%です」と、話しています。

今回の移植手術によってカースティさんが必ず妊娠できるという確証はないものの、世界には子宮移植後に出産が成功したケースもあります。たとえば、スウェーデンのマッツ・ブランストローム教授は世界で初めての子宮移植手術を行い、2014年に出産を成功させています。

「もし諦めていたら、すごく後悔したと思うんです」と手術前に話していた、カースティさん。「予定通りにいかなかったとしても、オーストラリア国内での今回の研究結果と情報には価値があると思います。私は、世の中の女性に希望と選択肢を与えたいんです」と語っています。

※この翻訳は、抄訳です。
Translation: mayuko akimoto
COSMOPOLITAN UK