6月27日(現地時間)、ラスベガスのサウスポイントホテルカジノで行われた「ミスUSA」のネバダ州大会。同大会では、トランスジェンダーの女性であるカタルナ・エンリケスさん(27歳)が栄冠を勝ち取り、話題に。

同大会に初めて出場するオープンリー・トランスジェンダーとなったカタルナさん。ヘルスケア管理者として、また「KatalunaKouture」という自身のファッションブランドをもつデザイナーとして活躍する彼女は、『ワシントン・ポスト』紙のインタビューで自身が創った歴史について次のようにコメント。

「生きるために、自分を黙らせ、卑下していました。そして私のような女性が、いつかミスUSAに選ばれる日が来ることをずっと願っていたんです。まさか自分がそうなるとは思ってもいませんでした」
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また<Las Vegas Review-Journal>のインタビューでは、2016年からトランスジェンダーのコンテストに出始めたことを語り、大会に出場する理由についても明らかに。

「自分のストーリーを共有し、見た目だけでなくそれ以上の“存在”であることを示したかったんです。ビューティコンテストでは、人々は美しさだけを求めているのだと思っていました。けれどそうではなく自分自身をどう見せるか、何を主張するか、何をしてきたか、どんな目標を持っているかを表現するのが大事なんです」

最近出場していたコンテストでは、自分の経験を話し、トランスジェンダーの権利や多様性、可視性を主張してきたそう。

さらに、米テレビ番組『KVVU』のインタビューでは、過去に身体的・性的虐待を受けた経験があることを明かした。

「私は簡単な人生を歩んできたわけではありません。ちょっとしたことでも苦労したんです。身体的・性的虐待に苦しみ、精神的にも苦しみました。当時は全然成長できなかったし、十分なサポートもありませんでした。でも私は今、力強く生きていて、多くの人の先駆者になることができました」

「みんなとは違うからといって、自分の能力を決めないでください。その“違い”は、あなたをユニークにするものであり、自分を信じている限り何でもできるのです」

また自身の幼少期の経験を語り、同級生からいじめや虐待を受けていたこと、男子トイレと女子トイレのどちらとも使わせてもらえなかったことなどを、明らかにしたカタルナさん。

「私は子どもの頃、自分らしくいることを許されず、居場所がないといつも感じていました。私が毎日直面する障害の一つは、自分自身に忠実であることです。今日私は、有色人種のトランスジェンダー女性としての誇りを持っています」

「個人的には、“違い”が私を劣った存在にするのではなく、私をより優れた存在にしてくれることを学びました。そしてこのユニークさが、私をすべての目的地に連れて行ってくれるのです。たとえ、人生でどんなことがあっても」

LGBTQ+コミュニティをサポートし、包括性や多様性について声をあげる彼女の今後の活躍に、注目していきたいですね。


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