グラミー賞へのノミネート経験も多数ある実力派アーティストであり、映画『ドリーム』で主演を務めるなど俳優としても活躍するジャネール・モネイ。「she/they」の代名詞を使うノンバイナリー(2つの性別に分類されない)であることも明かしている。
これまで公の場ではスーツを好んで着ることが多かったものの、最近になって肌の露出が増えたほか、セミヌードでのMV撮影などが話題に。その心境の変化や「体を隠してきた理由」について、ジャネールが告白。
ずっと自分の胸を受け入れられなかった
5月に公開された『Lipstick Lover』のミュージックビデオでセミヌードを披露したジャネールは、先日開催された音楽フェスで『Yoga』の歌詞に合わせて胸を露わにしたことが注目を浴びたばかり。
「誰も私を制限することはできない。私の乳から離れて、批判をしないで」と歌いながら胸をあらわに。
一方で、肌を見せることには長い間にわたって抵抗があったことも明かしているジャネール。<StyleLikeU>のYouTubeシリーズに出演した際には、子どもの頃から「肌の露出は危険」だと教えられていたことを告白。
「成長するにつれて胸が大きくなって、服が入らなくなり、友達からも胸について言及されることが増えました。それがとても不快だったのを覚えています。長い間、自分の胸を受け入れられませんでした」
「子どもの頃から、“男性の目を惹きつけるようなこと”は一切しないようにと教えられてきました。そんな責任を負う必要がない、性被害に遭わないために自由を奪われる必要がない――と気づくまでに、とても時間がかかりました。
また、ラジオ番組<HOT97>のインタビューでは「胸や谷間を少しでも見せれば、真面目に取り合ってもらえなくなる」と言われた過去についても明かしている。
「多くの女性が経験してきた教えだと思います。露出は控えめに、って。私には尊敬していた男性がいたんですが、ある時に私がレッドカーペットで少し谷間が見える衣装を着たら『やめた方がいい』と言われたこともあります。肌を少しでも見せると、メッセージ性に注目されなくなると言われているように感じました」
スーツ姿を馬鹿にされたことも
そんなジャネールに心境の変化が訪れたのは最近のこと。それは、他人のために自分の自由を制限するべきではないという考えを持つようになってからなのだと明かしている。
「自分の身体に敬意を払い、自分らしくいたいだけ。誰かの気を惹くための装いではないし、相手が自制できないからという理由で、私が自分の身体や装いに恥を感じたり自己否定する必要はないんだと気づきました」
周囲からは理解されないこともあったものの、スーツやタキシードを着ている自分にも色気を感じていたというジャネール。
「色気には様々な表現があるのに…と、いつも自分を説明しなきゃいけない気持ちになっていました。でも、もう(説明することは)やめたんです」
数カ月にはTwitterで「ようやくモノポリーに出てくる男性のような格好をやめて、ジャネールがセクシーさを見せている」という投稿が6万回以上「いいね」され話題になったことも。本人はこれを「スーツを着ていることを馬鹿にして、何が面白いのか分からなかった」と振り返っている。