待望の新アルバム『ミッドナイツ』をリリースした歌手テイラー・スウィフト。配信から1週間も経たないうちに音楽ストリーミングサービス・Spotifyで「1日で最も再生されたアルバム」になるなど、早速好評を集めています。

そんななか、アルバムの収録曲「Anti-Hero/アンチ・ヒーロー」のMVのワンシーンが議論を呼び、該当箇所をカットする形で修正されました。

MVから削除されたのは、バスルームにいるテイラーが乗った体重計に「FAT(肥満)」という文字が表示されるシーンで、彼女が自身のボディ・イメージに抱く感情を表現していると捉えられています。

テイラー本人はMVが公開された10月21日(現地時間)に、MVでは自身がメンタルヘルスで苦しんだことを伝えようとしているとTwitterに投稿しています。

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
「私の悪夢のシナリオと考えたくなくても勝手に浮かんでくる考えがリアルタイムで展開するのを見てください」
これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Taylor Swift - Anti-Hero (Official Music Video)
Taylor Swift - Anti-Hero (Official Music Video) thumnail
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しかし、彼女がMVの意図を明らかにしていたにもかかわらず、SNSではこのシーンに関する批判が殺到。一方で、「彼女は過去にも摂食障害との闘いや、人々から見られる自身の外見に悩まされてきたことを勇敢にシェアしてきた」と、テイラーを擁護する声も。

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TERRY WYATT / GETTY IMAGES

現在Apple MusicやYouTubeなどのプラットフォームで配信されている同曲のMVは修正されたバージョン。該当シーンがカットされたことに気づいたファンの一部は「彼女は個人的な苦しみをオープンにしただけなのにこんなことになるなんて、一体どうなってるの? クールじゃない」と反発しています。

あるファンは元のMVが自身にとって「ある種の慰め」になったとツイート

「個人的にあのシーンに共感していたので、変更されて『変だな』と感じています。“私の誕生日があなたを不快にさせているならごめんなさい”、みたいな?」

一方で、MVが修正されたことを好意的に受け止めたファンも。

「テイラーは体重計に『FAT(肥満)』と表示されるシーンをカットしました。彼女が批判に耳を傾けてくれて、とても嬉しい」
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AMY SUSSMAN /GETTY IMAGES

イギリスの摂食障害に悩む人々を支援する団体「Beat」によると、「(テイラーのような)歌手が自身のメンタルヘルスの不調や摂食障害の経験について語るのはポジティブなことで、悩んでいる人に他人の助けを求めるよう促す効果が期待できますが、見せ方の適切なバランスとトーンの調整が難しい場合があります」と言います。

「体重をはかったり、その後のネガティブな感情に対処したりといった摂食障害に関する行動の描写は、同障害をもつ人々にとって『引き金』になる可能性があります」
「摂食障害に悩むすべての人が自分の体の大きさや体型について歪んだ認知をもっているわけではありません。しかし、その多くが問題を抱えていて、自分の体や体重に不満や嫌悪を感じることはその症状である可能性があります」
「テイラー・スウィフトのような著名人が、摂食障害との闘いについて語るとき、それは非常に良い影響を与え、(摂食障害に悩む)人々に助けを求めるよう促すことができます。ただし、彼女たちの表現がもたらす影響に留意し、慎重に行ってもらいたいと思います」

※この翻訳は抄訳です。
Translation: ARISA ISHIMOTO
COSMOPOLITAN UK