マーベル・シネマティック・ユニバース史上初めてアジア人が主演を務め、さらにキャストのほとんどがアジア人で構成されていることで話題を呼んでいる新作映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』。

出演者たちがプロモーションを行う中で繰り返し語っているのは、アジア系ヒーロー映画の持つ意味と影響について--。
「ディズニープラス」で『シャン・チー/テン・リングスの伝説』を見る

主人公は、幼少期に父親から犯罪組織「テン・リングス」の暗殺者になるように育てられたシャン・チー。しかし、そんな父親とは10年前から距離を置き、正体を隠してホテルの従業員として働く一方で、「テン・リングス」のリーダーである父親は世界を脅かし…というのが『シャン・チー/テン・リングスの伝説』の主なストーリー。

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主演シャン・チーを演じるのは両親が移民である中国系カナダ人俳優のシム・リウ(32歳)で、共演者にはオークワフィナやベネディクト・ウォン、トニー・レオンやミシェル・ヨーなどが名を連ねる。

シムは、マーベル映画で初めてアジア系が主役であること、そして自身が選ばれたことについて「心から光栄に思っています」と前置きをしたうえで、近年のハリウッドの変化について言及

「この数年で、アジア系コミュニティは数々の“初めて”を経験してきました。たとえば3年前には、約25年ぶりに大勢のアジア系キャストで制作されたスタジオ映画『クレイジー・リッチ!』が公開されて祝福されましたよね。私は、いつかこのような『初めて』がなくなる時代を待ち望んでいます」

そんな意気込みを語ったシムは、シャン・チーを演じる上で共感するところがあったという。

「私はずっと自分のアイデンティティに苦しんできました。自分には何かが足りない、ずっとそう思ってきました。そういうところはシャン・チーのコアな部分なんです」

また別のインタビューでは、この作品がアジア人にとってどれほど意義のあるものかについても告白。

「私が子どもの頃、お手本となるヒーローはいませんでした。そんな中、私がこうしてここに立っていられることは一生の思い出になります。また、今回多くのアジア系スーパーヒーローがMCUに誕生したということも素晴らしいことです」
「我々は長年“その他”として扱われてきました。私を含めて、多くの人がどこにも居場所がないように感じていました。だからこそ、このような映画は大事なんです」
「みんなそれぞれが大切だということを知ってほしい。そして自分自身のことを誇りに思ってほしいんです」

また、シャン・チーの友人ケイティを演じるオークワフィナも同じ気持ちであることを明かしている。

「このようなストーリーが描かれることが増えれば、他人への理解を深め、また共感をするきっかけにもなります。このような作品に携われることは光栄ですし、これからももっと作品が誕生することを願っています」

本作の映画化が噂された当初、「アジア系のヒーロー映画なんてそうそう作る機会はないのに、ただのカンフーマスターが映画化されるなんて…(アジア系が)単純化された気がしたし、現実とかけ離れていて、全く共感できないと感じました」複雑な心境だったことを明かしていたシム。

しかし、今回の映画化は、原作からアイデアを引き出しながらも、人種差別的なステレオタイプを避けることで完成したという。

エグゼクティブプロデューサーのビクトリア・アロンソも、大勢のアジア系キャストで作られたこの映画のことを「シャン・チーというスーパーヒーローへ、そしてアジア系コミュニティへのラブレターなんです」と語っていた

待望の同作の公開は、9月3日(現地時間)予定。

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Marvel Studios’ Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings | Official Trailer
Marvel Studios’ Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings | Official Trailer thumnail
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