1976年のオリンピックで金メダルを獲得した陸上競技選手で、ケンダル&カイリー・ジェンナーの父としても知られるケイトリン・ジェンナー(旧名:ブルース・ジェンナー、70歳)。 2015年に性同一性障害を告白し、性転換手術を経て第二の人生を歩んでいる彼女が新たにインタビューで明かしたのは、幼い頃から抱えていた葛藤--。

長年にわたって性同一性障害を抱えていたことを、リアリティ番組『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』や、スピンオフ番組『女性になったカーダシアン家のパパ ~アイ・アム・ケイト~』で語っていたケイトリン。

Women's Health>によるインタビューで新たに明かしたのは、実は9歳の頃から性別のアイデンティティに疑問があったこと、そして学習障害を抱えていたこと。

「私は、誰もいない時に母と妹のクローゼットに忍び込んで、彼女たちの服を着てみたり、化粧をして遊んだりしていました。なぜそんなことをしているの分からなかったのですが…」
「理解できなかったんです、一体自分に何が起こっているのか、想像がつかなかった。けれど、失読症と性別に関する葛藤があったからこそ、オリンピックのチャンピオンになれたとも思っています。そういった葛藤を原動力にして、自分を後押ししていました。今では、そういった部分も含めて自分の才能だと捉えています」
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そんな中、ケイトリンの状況を大きく変えたのが、他の生徒と授業で陸上競技に参加した時。ケイトリンは誰よりも早いタイムをたたき出し、次第にスポーツにのめりこんでいくようになったのだとか。

「自分が何かに長けていると証明するため、スポーツが必要だったんです。(失読症や性別について)苦労していなかったら…と考えることによって、思っていた以上に努力することができました」
「オリンピックのトレーニング中、私は“ケイトリン”から遠く離れたところにいました。あの時私は性別の問題を無視していたのですが、それはなくなったわけではなかったのです」

その後、60歳になるまで男性として生き、人生の大半を仕事や子育てに費やしてきたケイトリン。現在の生活を想像することはできなかったものの、そこに「後悔はなかった」と語っている。

「若い頃は、自分の性同一性障害をどうにもできないものと思っていました。あの頃は今のような幸せな未来を想像することができなかったんです」
「でもいつか、自分が本当の人生を生きることができるようになるなんで、思ってもみなかったです。一生、自分のアイデンティティと向き合うしかないと考えていました」

幼い頃から自身の性別に疑問を感じていたというケイトリン。60代にしてやっと本当の自分を手に入れるために性転換に踏み切った彼女の決断や生き方は、多くの人を勇気づけている。