マドンナやリアーナなど大物アーティストとのコラボレーションや、奇抜なファッションで女性ラッパーとして不動の人気を誇るニッキー・ミナージュ(36歳)。世界中で注目を集める彼女だけど、7月18日(現地時間)に予定していたサウジアラビアでの公演を急遽キャンセルすることが発表された。

元ワン・ダイレクションの歌手リアム・ペインやDJのスティーヴ・アオキが出演予定のイベント「Jeddah World Fest」で、ヘッドライナーとして出演が決まっていたニッキーが、急遽キャンセルを発表。その理由について彼女は、「女性やLGBTQ+コミュニティの権利、表現の自由を示したい」からだと語っている。

サウジアラビアでは、多くのレストランやカフェ、公立学校、大学で独身の男女を区別することがいまだに強制されていて、また同性愛者は重罪にあたるとされ、以前から女性やLGBTQ+コミュニティの人権問題が議題に上がっている。しかし近年では、女性が運転したりスポーツ競技場でのイベントに参加したりすることが認められ、数十年にわたり続く娯楽規制の緩和が進んでいるよう。今回その流れを受け、過激な歌詞やセクシーなパフォーマンスを披露するニッキーが、同国でライブをすることが決まったみただけど、SNSでは反発の声も。

ヒップホップ業界の性差別に物申したり、LGBTQ+コミュニティをサポートしたりしているニッキーは、「私はサウジアラビアの人たちに私のパフォーマンスを届けたいけど、これらの問題について考えた結果、女性やLGBTQ+コミュニティの権利と表現の自由への支持をはっきり示すことが重要だと思いました」と発表。これを受け、ニューヨークの人権団体は「リーダシップとはこのようなことです」とコメントし、ニッキーを称賛

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近年、女性の地位向上の改革が進んでいるサウジアラビアとはいえ、女性やLGBTQ+コミュニティの権利は未だ確立されておらず、今回のニッキーが表明した意志は世界中の賛同を得るのかもしれない。