縄跳びは、子ども時代を思い出すなつかしい遊び。実はそれだけではなく、1日10〜15分跳ぶだけで、驚くほど多くの健康効果が得られるものなんです。
今回は<グッド・ハウスキーピング>から、縄跳びのメリットや期待できる効果、正しいやり方・フォームを解説。中級編のワークアウトも紹介しているので、ぜひ試してみて。
【INDEX】
縄跳びに期待できる効果
縄跳びは体への衝撃が強い全身運動で常に体を動かすため、心臓の拍動を促すのが特徴です。
速筋線維を活性化しながらつま先で素早く跳ねるので、スピードや敏捷性(刺激に対してすみやかに反応したり、身体の位置変換や方向転換をすばやく行なったりする能力)を高める効果もあります。また、二重跳びなどは、瞬発力を高めることにもつながります。
縄跳びをメインのワークアウトにしなくても、他の運動のウォームアップやクールダウンとして使うのも◎。たとえば、30秒間跳んで30秒間休むのを8〜10セット続ける動きは、ワークアウトの始めや終わりに最適です。
縄跳びの正しいフォーム
縄跳びに関しては、フォームがすべて。フォームが正しくなければリズムに乗れず、場合によってはケガをすることもあるので注意しましょう。
縄跳びの正しいやり方
- それぞれの手に縄跳びの端を持ち、ロープはかかとの後ろにして地面につけておく。
- ロープを回転させ、頭の上から体の前に持ってくる。
- ロープが足元を通り過ぎるときにジャンプする。
- その動きを繰り返す。ロープを握った手で円運動を作り出し、自分のリズムをみつける。
運動している最中は、胸を引き上げ、体幹を意識し続けるようにすること。肩やひじをあまり動かさず、動きのほとんどが手首から始まるようにするのがポイントです。
母指球(足の裏の親指のつけ根にあるふくらみ)で着地するようにして、ひざはやや曲げ、まっすぐに前を見てロープが視線と交わったらジャンプ。毎日少しずつ練習していくうちに上達するはず。
縄跳びの選び方
正しいフォームをマスターするには、自分に最適な縄跳びを選ぶことが不可欠。全米スポーツ医学アカデミー認定パーソナルトレーナーのエミリー・ジャックスさんによると、以下の点に注意するとよいそう。
縄跳びの長さを測る
ロープの真ん中に片足を乗せ、ロープの両端を体の近くに引き寄せる。脇の下か肩にグリップが来るようならOK。自分のサイズに切れる縄跳びか、身長に合わせた長さを買うようにしましょう。
重過ぎないものを選ぶ
ジャックスさんのおすすめは、軽い縄跳び。慣れたら、さまざまな重さの縄跳びを試して、ワークアウトをレベルアップしてみるのもGOOD。
必要に応じて調整する
ロープが靴にひっかかるようなら、もっと長いものを。床を引きずっているようなら、もっと短いものを試してください。
縄跳びの10のメリット
持久力がつく
体の健康、集中力、フットワークを要求する縄跳びは、全身のほぼすべての筋肉を活性化し、他の多くの運動よりも早く心拍数を上げられる運動。
実際、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によれば、縄跳びは、中程度の活動の2倍効果的。縄跳びによって持久力を最大化するためには、20〜30分のセッションがおすすめです。
敏捷性と体の協調性が増す
縄跳びには集中力とリズムが必要なので、敏捷性が飛躍的にアップ。また、目、足、手などの機能をまとめるタイミングや、集中力を鍛えることにつながります。
縄跳びは周期的な運動なので、一定のリズム、トータルな体のつながり、体のさまざまな箇所を一緒に動かすことが求められます。
骨密度を上げる
年齢とともに骨密度は下がり、骨粗しょう症や骨軟化症などになりやすくなるもの。また、加齢に伴って骨折のリスクも増します。
縄跳びのように衝撃の強い運動は、骨を鍛え、そうしたリスクを減らすのに効果的。実際、2015年に発表された研究では、閉経前の女性60人に、10〜20回跳んで30秒休む動作を1日2回、16週間続けてもらったところ、他の対照群に比べて、寛骨(骨盤の左右の壁を形成する左右一対の骨)の骨密度に改善が見られたという結果が。
ただしメイヨークリニックによると、骨粗しょう症の場合は、さらに骨を傷めることもあるので、縄跳びなどの運動を始める前に医師に相談した方がいい、とのこと。
効果的なウォームアップに
どんな運動をするにせよ、最初に5〜10分縄跳びをすることで効果的なウォームアップに。
<インターナショナル・ジャーナル・オブ・スポーツ・フィジオロジー・アンド・パフォーマンス>に掲載された研究では、96人の長距離ランナーを二つのグループに分け、それぞれに5分間の縄跳びによるウォームアップと、一般的なウォームアップを試してもらったところ、10週間後の3キロメートルトライアルで、縄跳びによるウォームアップをしたグループの方がパフォーマンスに改善が見られたそう。
体と筋肉を鍛える
縄跳びによって鍛えられるのは、腓腹筋、大腿四頭筋、ハムストリング、そして足と足首の筋肉で、体幹、肩、二頭筋にも効果的です。
ジャックスさんによれば、縄跳びは特に手首とふくらはぎを強化するので、ボクサーには最適。グリップを持って体のまわりにロープを回転させる動きは、ロープが重い場合は特に手首の強化につながります。また、ふくらはぎを鍛えたい場合は、両足で着地しましょう。
バランス感覚が養われる
バランス感覚が養われる、縄跳びの動き。縄跳びをする際には、1回のジャンプ毎にバランスをとりなおさなくてはいけないという研究もあります。
バランス感覚を鍛えたいなら、片足で跳んだり、左右交互に跳んだり、ひざを高く上げて跳んだりしましょう。バランス感覚と同時に運動協調性も養われるとのこと。
瞬発力を高める
研究によると、縄跳びは速筋繊維を使うプライオメトリック・トレーニングの一種で、瞬発力を上げるのに役立つそう。
瞬発力を高めることは、スポーツ一般やスプリントにおけるパフォーマンスの向上にもつながります。
心臓の動きを活発にする
縄跳びの最中は、体を動かすのに必要な酸素を筋肉に送り込むために、心臓の動きが活発になります。
酸素を含む血液が全身に流れていると、コレステロールが低下し、心臓血管の健康にもいいとのこと。
瞑想に似た効果を得られる
縄跳びはアクティブな瞑想にもなるもの。自分のリズムと流れをみつけたら、そのリズムを保ったり、ロープが回転するときの音をひたすら楽しんだりすることに集中して。
「好きな音楽を選び、ビートに合わせてジャンプするようにすると、リズムとペースを守るのに役立ちます」とジャックスさんは言います。
持ち運びしやすく、使い道が多い
ホテルにジムがないなら縄跳びを持っていくのも◎。室内でも、外でも、縄跳びをすることは可能。縄跳びは旅行に持っていくのに最も持ち運びしやすく、多目的に使えるのもポイント。
10分間の縄跳びワークアウト・中級編
ジャックスさんが考案したこのワークアウトは、持久力とスタミナを養うもの。息を整えるためのインターバルも組み込んでいます。
これらのワークアウトで両足ジャンプをマスターしたら、次は片足で30秒ずつジャンプして、変化を取り入れ、バランス感覚を養いましょう。
- 60秒間跳ぶ→30秒間休むを2セット
- 60秒間跳ぶ→60秒間休む
- 120秒間跳ぶ→60秒間休む
- 30秒間跳ぶ→60秒間休む
- 30秒間跳ぶ→30秒間休む
※この翻訳は、抄訳です。
Translation: mayuko akimoto
GOOD HOUSEKEEPING