ラブコメの名作として多くの人に愛される『ラブ・アクチュアリー』(2003年公開)や『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001年公開)。しかしそれらの作品には、女性の体型を揶揄するようなシーンが含まれていることも。実際、制作者は振り返って後悔していると語っているそう。

描かれる女性像に違和感

10月5~15日、イギリスのチェルトナムで開催されたタイムズ紙とサンデー・タイムズ紙による文学フェスティバルに出演した、脚本家のリチャード・カーティス監督(66歳)。そこで、自身がこれまで手がけた作品について振り返りました。

martine mccutcheon and hugh grant during love actually premiere paris at ugc normandy champs elysees in paris, france photo by toni anne barson archivewireimage
Toni Anne Barson Archive//Getty Images
ナタリーを演じたマルティン・マカッチョン(左)と、首相役を演じたヒュー・グラント

リチャード監督が手がけた『ラブ・アクチュアリー』では、マルティン・マカッチョン演じるイギリスの首相秘書を務めるナタリーが、上司に「太っている」「足が木の幹のよう」といった体型を批判されるシーンが含まれています。

『ブリジット・ジョーンズの日記』でも同様に、主人公ブリジットは体型が“普通”で決して魅力的ではない、という扱いを受けています。また『ノッティング・ヒルの恋人』では、移民も多く住むイギリスのエリアが撮影地となっているのにも関わらず、有色人種のキャストがいないことを指摘されていました。

「私は時代遅れだった」

TODAY>によると、同イベントではリチャード監督の娘であるスカーレット・カーティスが、父にインタビューをする場面もあったそう。スカーレットはコラムニスト・ブロガーとして活躍しており、フェミニズムをテーマにした書籍を手がけたりしている、アクティビスト的側面ももっています。

ラブコメの名作として多くの人に愛される『ラブ・アクチュアリー』(2003年公開)や『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001年公開)。しかしそれらの作品には、女性の体型を揶揄するようなシーンが含まれていることも。実際、制作者は振り返って後悔していると語っているそう。
Jeff Spicer//Getty Images
リチャード監督(左)と、スカーレット・カーティス

自身が手がけた映画に対する批判についてどう思うか聞かれたリチャード監督は、今になって思うことを共有しました。

「『ノッティング・ヒル』では多様性の問題や、そういう役をどう描けばいいのか分からないという気持ちでいっぱいでした。そしてそのことに関して、私はただ愚かで間違っていたのだと思います」
「私はもちろん、キャスティングディレクターやプロデューサーがそれについて考えていませんでした。ちゃんと外に目を向けていなかったんです」

さらに、自身が描いた登場人物が女性の体について否定的なコメントをしていることについて、言及したリチャード監督。

「5年前にスカーレットから『もう二度と“fat(太っている)”という言葉を使わないで』と言われ、衝撃を受けたことを覚えています」
「そして、本当に君(スカーレット)は合っていたね。私は時代遅れだったと思います。そのようなジョークは、もう面白くありません。当時は悪意があったわけではありませんが、観察力がなく、賢明ではなかったと感じています」