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――サッカー選手として、印象に残っている初体験は?

29歳になっても叱られる環境にいるありがたさを感じた

日々、初めての経験をしているといっても過言ではないほど、何歳になっても、キャリアを積んでも、たくさんの初体験があると感じています。

最近では、日本代表の監督に叱られたこと。もちろん、今までにも叱られことはたくさんありますが、今年29歳になって、サッカー選手として11年目を迎えて、ベテランといわれるようになった今、叱られることがほとんどなくなってしまった中で叱られたことが、驚きでもあり、うれしいことでもありました。しかも、今まで当たり前のようにしていたことで叱られたので、「あ、このままではダメなんだ」と、気づかされるきっかけにもなりました。

実は23歳の頃、お酒を飲みすぎちゃって、練習に遅刻したことがありました。コーチや、先輩選手に叱られる覚悟で練習場に行ったのですが、「気をつけろよ」と注意された程度で、誰からも叱責されなかったんです。その時、「このままでは自分は成長できない」と、危機感を抱いたことを今でも覚えています。

だからこそ、何歳になっても、どんなにキャリアを積んでも、叱ってくれる人が近くにいることはありがたいことなんだと。叱られることで新しい気づきがありますし、自分を見つめ直すきっかけにもなります。29歳のベテラン選手になっても、まだまだ自分は成長できると思える経験でした。

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――では、プライベートで経験した初体験は?

誰もやっていないことにどんどんチャレンジしていきたい!

先日、はじめて料理をしました! 今までは、寮生活も長かったし、遠征も多いので、食事に困ったことがありませんでした。女性が作ってくれたらうれしいなと思ってもいたので(笑)、料理は未開拓だったんです。でも、「大好きなスイーツを自分で作れるようになったらすごいじゃん!」と思い、チャレンジしてみることに。

いきなりスイーツはハードルが高かったので、まずはカレー作りから。料理ができる人に教えてもらいながら、キーマカレーを作ったんですが、いい感じに仕上がったし、なにより出来上がるまでのプロセスが楽しいことに気づきました。どんどんいろんなメニューを作って、料理男子ならぬ、パティシエ男子を目指します!

料理以外にも、いろんな資格取得に燃えています。すでに、船舶の資格を取ったんですが、今は、アスリートフードマイスターを狙っています。アスリートの奥さんが取得しているイメージの強い資格ですが、アスリート本人が持っているのは新鮮かなと…。

サッカー選手なんだけど、「えっ! 槙野さんってサッカー選手だったの?」と言われるぐらいのギャップを持っていたいので、誰もしたことがないことに、どんどん挑戦していきたいです。

――初めての経験をするうえで大切にしていることはありますか?

自分から壁を作らない。そして、好奇心、興味を持つこと

ドイツのブンデスリーガへ移籍した時、人種差別を経験して、けっこうダメージを受けました。そんな時、チームメイトは「大丈夫か」「不便なことはないか」と、ドイツ語も英語も話せない僕に積極的に話しかけてくれて。言葉が理解できなくても、伝えようとする気持ちがあれば、コミュニケーションはとれるんだなと、気づかされました。

同じチームに外国人がいても、「英語が話せないから」と、勝手に"言葉の壁"を作って話しかけたことがなかった僕ですが、それ以来、壁をとっぱらって積極的に話しかけています。

"人見知りの壁"も同じだと思うんです。「人見知りだから」と、消極的にはならず、人見知りさえも凌駕するような好奇心を持てば、人見知りは壁にはならない。

壁は作らず、好奇心と興味を持っていれば、どんな初体験も、プラスの経験にすることができると思います。