以前「セックスで妊娠しない時代がやってくる!?」で紹介した卵子の冷凍保存。「今は相手がいないけど将来妊娠したい…」、「今は仕事が忙しいけど、いつか妊娠したい…」という女性にとって可能性が広がりそうな「卵活」についてご紹介します。

卵子冷凍保存」って?

採取した卵子を凍らせて長期間保存のことで、卵子冷凍保存には2種類あるそう。1つは体外受精させた受精卵を凍結して、もう1つは卵子を未受精のまま凍結する方法なんだそう。

日本生殖医学会によれば、老化した卵子は、妊娠率を低くするだけではなく、流産や赤ちゃんの先天性疾患の可能性も高めてしまうんだとか。また女性の活躍に伴い、晩婚化・晩産化が進み、若いうちに健康な卵子を残しておくための手段として選ばれるそう。

ただし日本生殖医学会のガイドラインによると、卵子の採取ができるのは40歳未満まで、受精卵の移植は45歳未満までと規定されているよう。年齢についても考慮に入れておきたいもの。

費用は、いくらくらい?

病院によって差はあるものの、保険適用外のため約80万円100万円ほど費用が必要になるそう。また卵子1つにつき、年間約1万円の保管料がかり、保存したい期間に応じて毎年支払うそう。さらに、凍結した卵子を解凍して体外受精を行なうときには、約30万円~50万円程度が目安。

「妊娠・出産時期を調節できる」というメリット

パートナーがいなくても卵子を保存できたり、妊娠率が上がる可能性があったり(年齢によって妊娠率は異なる)。不妊治療のように採卵を毎回行う必要がなく、身体的・精神的負担を軽減できるのはメリットと言えそう。

ただ、高額なコストがかかり、卵子を保存していたとしても、100%妊娠につながるわけではないことは忘れてはならないこと。すべての卵子が受精卵になるわけではなく、保存している間に卵子が死滅してしまう可能性もあるのだとか。また若いうちの卵子の保存が推奨されているよう。

「卵活」にポジティブな海外の女性たち

2013年に、コスモポリタンアメリカ版が740人を対象に行った調査によると、約50%が「卵子凍結することを考慮する」と回答し、90%の女性が「36歳前に凍結すべき」と答えたとか。そして、75%が「卵子凍結は、ある一定の年齢までにパートナーを探さなくてはいけないという心理的負担を軽減する」と考えたそう。

日本では、千葉県浦安市が、20~34歳までの女性に対して、未受精卵凍結を支援する取り組みをスタートしたそう。これからは日本でも「婚活よりも卵活したい!」という女性が増加していくかもしれませんね。

(2016年11月25日修正)

ただし、日本婦人科学会では「悪性腫瘍などの治療により、医学的にみて卵巣機能が低下すると予想される場合に、医学的な適応で未受精卵子の採取・凍結・保存を実施する必要性を認める」とし、若い健康な女性に推奨されているものではないという見解があります。また体への負担や、解凍後の出産が高齢になること、子どもへの影響も不透明で、リスクがあることを把握する必要があります。