今年3月にNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)のカロライナ・パンサーズのチアリーディングチーム「トップ・キャッツ」に加わり、史上初のトランスジェンダーのチアリーダーとなったジャスティン・リンゼイ。
保守的だと言われているNFLで、挑戦しつづける彼女の想いとは――。
今年3月、チームへの加入をInstagramで報告したジャスティン。チームへの参加の決定打は、彼女の才能だったのだとか。
「私を支えてくれた美しく才能豊かなダンサーたち、トップ・キャッツの家族と友人たちの愛とサポートに感謝します。サポートがなかったら、この瞬間を迎えることはできなかったでしょう」
「決して忘れない瞬間であり、みなさんの前に立てるのを心から楽しみにしています。ありがとう、@topcats。夢が叶いました」
実はNFLはスポーツ界のなかでも多様性に欠けていると言われており、チアリーディングチームに関しても例外ではないという。
『Institute for Diversity and Ethics in Sport』のレポートによると、2020年のNFLの選手の69%がアフリカ系だというものの、チアリーダーにおいてはたったの17%。
また、チアリーダーたちは、伝統的な白人の容姿を重んじる“厳しい美の基準”についても問題提起。たとえば、チアリーディングでよくある「髪を振り回す」振り付けは、髪質や髪型によっては同様のことができるとは限らず、実際にジャスティンもヘアスタイルについて心配していたそう。
またジャスティンはカミングアウト以来、SNS上ではさまざまな反応があったとInstagramで告白。批判的な意見にも負けずに、トランスジェンダーのアスリートのためにも活動し続けるとコメントしている。
「私がNFLやチームを変革していると感じている、アンチの人々には感謝しています。私はそのパイオニアであり続け、アフリカ系アメリカ人の美しいトランスジェンダー女性たちを鼓舞し、最後までサポートし続けます」
今では世界中のチアリーダーにとって、大きな存在になっている彼女。<Buzzfeed>のインタビューでは、目標をこう語った。
「もっと多くの人に私を見てもらわないといけないと思うんです。認めてもらいたいからではありません。ただ、世界に光を当てるためです」