大人になるとまずます難しくなる、友達作り。SNSやマッチングアプリを活用して出会いを作ってみようと考えたことがある人もいるのではないでしょうか。

ここでは、Facebookを使って友達に出会ったケースを<コスモポリタン イギリス版>からご紹介。数あるSNSの中でFacebookを選んだ気になる理由などと合わせて、お届けします。

16~24歳の4割が「孤独を感じている」

「大学で友達ができず、本当につらかったです。あまりにつらく、学生寮を出て、実家に戻ったほどです」と語るのは、21歳のエラさん。

「同じ寮に住んでいる人とも、同じ専攻の人とも、どうしても気が合いませんでした」

こうして実家に戻ったエラさんですが、地元の友人たちが自分抜きで会っていることを知り、さらにショックを受けたそう。人の目を気にし、ガードを固めるタイプのエラさん。人とつながりがもつのが難しい性格であること自覚していたので、次第に「一人でいること」に慣れていったと語っています。

「でもイジーに出会って、状況が変わりました」

二人が出会ったのは、若い女性が友達探しに使っている<Truly Twenties>というFacebookの非公開グループ。新しい街に引っ越してきたばかりの女性や、昔からの友人と疎遠になり、新しいグループを探している人などがメンバーです。

学校や部活、また親が引き合わせてくれる交友がなくなると、意外にも友達作りというのは一気に難しくなります。2018年に発表された調査によると、16~24歳の人の40%が「頻繁に孤独を感じている」のだそう。

そして新型コロナウイルスによるパンデミックは、この状況をさらに悪化させました。ハーバード大学の研究によると、「ロックダウン中にもっとも孤独感による打撃を受けたのは若者」であることが判明。

コロナ禍で起きった、家を借りられない住宅危機や政情不安などを考えると「友達を作ること」は(コロナ禍における)最優先事項ではなかったかもしれません。しかしFacebookを通じた友達作りはパンデミックの間もおこなわれ、その後も続いています。

しかし「友達作り」に特化したSNSはほかにも存在します。なぜ「Facebook」が支持されているのでしょうか?

意外にもFacebookが活用できる?

SNSの流行も移り変わり、若者の間でFacebookを使っている人なんているの? と思うかもしれません。しかし実際は多くの人が使っているのだとか。

Facebookの2023年のレポートによると、月間で30.5億のアクティブユーザーを抱える、世界最大のソーシャルメディアネットワークであるとのこと。

※世界で30.5億ユーザーが月に一度はFacebookにログインをしているということ。続いて24.9億ユーザーをもつYoutube、20億ユーザーのWhatsApp、Instagtamがラインクイン。Z世代に人気をもつTikTokは12.8億ユーザーとのこと

またFacebookの最大のユーザー層は、ミレニアル世代の人々で構成されていると明記されています。

若者に人気があるというイメージがあるかどうかは別として、Facebookを利用する人の数がもっとも大きいというのは事実。「気づいていないけど、いつでもそこにあるSNSツール」であり続けているのでしょう。

「Facebookを使った女性の友達探し」が人気の理由

Facebookには、ほかのSNSにはない機能があります。熱心なハイカーや美容マニア、K-POPファンまで、同じ考えや趣味をもつユーザーが集まる「プライベートグループ」機能は、Facebook独自のものなのです。

happy multiracial female friends greeting outside movie theater at night
Maskot//Getty Images

エラさんとイジーさんが出会った<Truly Twenties>の創設者であるエル・ルイーズさんは、「Facebookは私にとってもっとも健全なSNSです」と語っています。

「ほかのプラットフォームでも、人と“エンゲージ(交流・参加)”するでしょう。でもFacebookでは、より深く“コネクト(つながることが)”できるのです」

彼女のFacebookグループには、1年足らずで1万7,000ものメンバーが集まりました。あっという間にグループが大きくなったことは、彼女にとっても驚きだったそう。

「(20代の動員を目的としていたので)そこまで大きな影響をもつとは思っていませんでした。しかし実際のところ、多くの人がFacebookで友達を作っていました。孤独と戦うために、Facebookを利用している人が多いようです」

<Truly Twenties >をスクロールしていたエラさんは、ペットに関する投稿を見つけ、特に何も考えずに自分の犬の写真を投稿しました。するとイジーさんから「私達、犬を通じて友達になれそう! 」とメッセージを送られてきたのだとか。

そしてはじめてのメッセージから8カ月間、2人は毎日会話を交わし、ペット以外にも共通点を見つけていきます。「同じような関心をもつ人に出会えてうれしかったです」とエラさんは言います。

共通の趣味をもつ人との出会いも

20歳の学生であるオウミーさんは、エラさんと同様、孤独と戦うためにFacebookのグループを利用していました。彼女は自分と同じ「ファンガール(=オタク)」の友人がほしくて、13歳のときにファンガールグループに参加。好きなアーティストについて話すことを楽しんできました。

women holding smartphones having an online conversation
We Are//Getty Images

「Facebookのグループに参加したことは、私にとって大きな意味がありました」とオウミーさん。

「私の(趣味への)情熱は周囲にいる友人たちには理解されないし、批判されるのも怖かったんです。だからこそ大好きなアーティストへの愛を表現し、同じ考えをもつ人たちと気持ちを共有する場がほしかったのです」
「落ち込んだときも相談できる人や友達がいて、弱音を吐ける場所が(Facebookの)グループです。次の日に話過ぎたかな…ときごちなく思う必要もありません。でも、『スマホの電源を切ったら、この世界が消えてしまうのかも』と思うと怖くもあります」

大学に行っても友人を作る機会がなかったり、地元を離れている間に以前の友だちと縁が切れてしまったり、状況はさまざま。Facebookは多くの人にとって孤独を解消してくれるツールなのでしょうか。

対面でも友達になれる?

イジーさんはイギリス・サマセット州に、エラさんはウスター州に住んでいるそう。そこで二人はお互い移動しやすいブリストルでランチとショッピングを楽しむことにしたのです。「メッセージでやりとりしているような感じで、実際に会っても話せるのか不安でした」とエラさん。

「でも画像やスナップチャットのメッセージを交換していたので、少なくとも『実在の人物』であることは分かっていました」

そして二人は実際に会うとさらに意気投合。エラさんは心配は無用でした、と振り返ります。

オンラインで生まれた関係を、対面でも継続されることができる場合も、もちろんあるもよう。しかし中には実際に会ってみると、「なんだかいつもと違う」「バイブスが合わないかも」と感じるケースもあります。

teenage girls lying on bed looking at smart phones
The Good Brigade//Getty Images

マーケティング・マネージャーとして働くフェイスさん(28歳)は、仲の良かった友人の多くが子どもをもつようになったため、自分と似た立場にある友人をもっと作ろうとFacebookのグループに参加しました。

彼女は地元のグループを見つけ、WhatsApp(無料で通話やチャットができるツール)でチャットをはじめました。しかし、フェイスさんは「このグループの人たちと深く仲良くなることはないだろうな」とすぐに直感したそう。

「境界線(バウンダリー)がほとんどないように感じました。暴言を吐いたり、失礼な反応をする人をいたり、さまざまでした。ある人は、午前3時に帰宅ができなくなったから私たちに迎えに来てほしいと頼んできました。まだ知り合って間もないにもかかわらず、です」

フェイスさんはこうした関係はよくないとメンバーに伝え、グループから抜けました。

近所のスーパーで買い物をする人全員と親友になれるわけではないのと同じように、オンラインで出会った人と親友になれる可能性はかなり低いでしょう。バーチャルな友人からリアルな友人になるにはそれなりのプロセスや運、そしてお互いの努力が必要なのかもしれません。

エラさんとイジーさんの場合、実際に会う前にオンライン上で時間をかけて友情を育みました。そのことが功を奏したと言えるでしょう。

「友達作りに適していないグループ」に要注意

ネットいじめ、荒らし、なりすましなど、ネット社会ではさまざまな問題が横行しています。

antibullysoftware.com>によると、オンラインで報告されたいじめの87%はFacebookで発生しているのだそう。Facebookはこうした行為の通報・報告機能を備えていますが、それでもなお、こうした問題が発生しつづけています。

大学院で心理学を専攻する24歳のエランさんは、Facebookのグループを使って友人を作ろうとしました。しかし自閉スペクトラム症だということを伝えると、ネット上で批判的なコメントが多く寄せられるようになってしまいました。

「私の投稿に対して嘲笑を意味する絵文字をつけられたり、ひどいコメントを書き込みされることもありました」

また彼女は、グループ内でいじめにあっただけでなく、あるFacebookグループから削除されたこともあるそう。グループによっては、管理者やモデレーターがこのような問題をすぐに感知して対処してくれるところもあります。しかしそうでないところもあるので注意が必要です。

多くのFacebookグループは、特にデリケートなトピックや問題に焦点を当て(例えば摂食障害、強迫性障害など)、安全な空間を提供することを目指しています。

ほとんどの人は「自分と同じような境遇の人とつながるために」こうしたグループを利用しますが、トリマーを目指す24歳のケルシーさんは「そうでない場合もあるのです」と説明しています。

「これらのグループは同じ悩みをもつ人たちが安心感を与えることができる場所ですが、不安感をあおるような事態が起こることも時々あります。強迫性障害である場合、症状の悪化につながる場合もあります」
「とはいえ、私にとってFacebookはメンタルヘルスに役立つツールを見つけるために助けられています。友達を見つけ、サポートバブル(支援の安全圏)を形成する人もいます」

使い方次第では可能性も!

Facebookにももちろんまだまだ安全性のために改善できる点はあるでしょう。しかし全体的に見れば、Facebookグループはサポートや友人を見つけるには素晴らしい場所と感じている人も多いようです。

そしてFacebookでつながった人に「実際に会ってみたい」と思ったら、できれば公共の場で会うことをおすすめします。たとえば二人だけではなく同じグループの人やほかの友人と一緒に会いにいったり、必ず誰かに行き先を告げてからに会うなどの点を心得ておきましょう。


※本記事は、Hearst Magazinesが所有するメディアの記事を翻訳したものです。元記事に関連する文化的背景や文脈を踏まえたうえで、補足を含む編集や構成の変更等を行う場合があります。
Translation: 宮田華子
COSMOPOLITAN UK