6月5日は、環境保全に関する理解を深め、積極的な取り組みを推進することを目的として、1972年に国連が定めた「世界環境デー」。

サステナビリティ(持続可能性)に関してはすでに、ファッション業界もビューティ業界も大きな前進を遂げています。そして多くの人が、環境に配慮したブランドやユーズドのアイテムを選んだり、レンタルサービスを利用したり、手持ちのアイテムをきちんと手入れして長く着られるようにしたりなど、できる限りサステナブルであろうと励んでいます。

ただ、この分野に関する科学的な進歩についていくのは簡単なことではありません。そして、「責任ある消費者」であるということについて、私たちの間にはまだいくらかの混乱も残っています。

そこで今回は、「責任ある消費者」であるために知っておくべき、いくつかの言葉についておさらい。これを知ることで、よりサステナビリティに対する意識が高まるはず!

※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。

【INDEX】


Bコープ(B Corp)

「Bコープ」(または「Bコーポレーション」)は、社会・環境に与える影響、透明性、説明責任など、サステナビリティに関する厳格な基準を満たした企業に対し、アメリカの非営利団体「B Lab(Bラボ)」が与える認証のこと。つまり、サステナビリティに関して信頼のおけるブランドであることをわかりやすく示してくれるものです。

「クロエ(Chloé)」や「ガニー(Ganni)」「パタゴニア(Patagonia)」「CFCL」など、エココンシャスなブランドの多く、そして一部のレンタル衣料プラットフォームが、この認証を取得しています。

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

生分解性(Biodegradable)

「生分解性(Biodegradable)」は、衣料品やその他の製品に使用された素材が、環境中の有機体によって時間とともに自然に分解されるものであり、地球に害を及ぼさないものであることを意味します。

カーボンニュートラル(Carbon Neutral)

衣料品などの生産過程で発生する二酸化炭素の量を減らし、地球に与える影響を小さくしていくことを目指すのが、カーボンニュートラル。

サステナビリティを最重要なものと位置づけるスキンケアブランド、「ボルト・ビューティー(Bolt Beauty)」の創業者リサ・セクストン氏は、「カーボンニュートラルであるということは、(化石燃料を燃やすことなどで)生み出された二酸化炭素の量を、回収または環境中から除去した二酸化炭素の量と同じ、またはそれ以下にすることです」と説明しています。

planting a young tree
okugawa//Getty Images

カーボンフットプリント(Carbon Footprint)

カーボンフットプリントとは、個人、企業、団体、またはコミュニティそれぞれが大気中に排出した二酸化炭素の量を指します。

循環性(Circularity)

「循環性(Circularity)」とは、サステナブルなデザイン、フェアでエシカル(公正で倫理的)な生産、取引、使用、そしてその製品がその後も修理やデザイン変更、レンタル品や中古品として使用され、責任ある形で取り扱われることにより、環境への負担が軽減されることを指します。

copenhagen fashion week street style
Christian Vierig//Getty Images

エコ不安(Eco-anxiety)

エコ不安(または気候不安)は、「環境破壊に対して常に感じている強い恐怖」を意味します。これは、日常的な思考や生活が、気候変動に対する不安に支配されているような心理状態を指します。

温室効果(Greenhouse Effect)

温室効果とは、大気中のガスが太陽から受ける熱と地球から放出される熱を同時にため込み、地球全体の温度を過度に上昇させること。

地球上に生命が存在するためにはこうした熱が不可欠である一方で、石炭や石油などの化石燃料を燃やすことで大気中に放出される二酸化炭素の量が増えれば、地球の温度はさらに上昇することになります。

グリーンウォッシュ/グリーンウォッシング(Greenwashing)

グリーンウォッシュは、実際には環境に配慮した行動をとっていないブランドが、環境に配慮しているように装うことを指す言葉。モデルで環境活動家のアリゾナ・ミューズは<ハーパーズ バザー イギリス版>誌に対し、この言葉の意味には再定義が必要だと語っています。

「『グリーンウォッシング』は、実現できていないことを(できたかのように)宣伝することです。(中略)情報を得ようとしている消費者を、完全に誤った方向に導くことになります」
great fashion for climate action glasgow
Peter Summers//Getty Images
アリゾナ・ミューズ

IPCC/国連の気候変動に関する政府間パネル

IPCCは、気候変動に関する理解について科学的な情報を見直し、評価する国連の組織。気候変動の影響や将来のリスク、影響の広がりを抑える方法など、現在の状況についての報告書を公表しています。

ネットゼロ(Net Zero)

ネットゼロとは、大気中に排出される二酸化炭素やメタンガスなどの温室効果ガスの量が、削減努力や取引によってオフセット(相殺)され、(正味)ゼロの状態になっていることを指します。

オーガニック(有機物、Organic)

衣料品などが「オーガニックである」という場合、それはその製品が有害な化学物質を使わず、天然素材で作られていることを意味します。

natural organic cotton t shirts and cotton plant flowers on white table eco clothes, fashion, sustainable lifestyle concept
photoguns//Getty Images

トレーサビリティ(追跡可能性、Traceability)

トレーサビリティとは、製品や素材の起源、移動、進化を追跡するプロセスを表す言葉。

ファッション・小売業界のサプライチェーンの透明性と製品のトレーサビリティを確立するためのプラットフォームを運営する、スウェーデンの団体「トラストレイス(TrusTrace)」は、「単純なものに思えるかもしれませんが、実際のところトレーサビリティの確立は非常に難しいものです」と指摘しています。

そのバリューチェーンにおいて何千もの製品や数多くのサプライヤーと関わり、世界中の各地で大規模に事業を行うブランドにとっては、特に難しいことだそう。

アップサイクリング(Upcycling)

アップサイクリングとは、デザインを変えたりリメイクをしたりすることで、古くなった衣料品をまったく新たな別の製品に生まれ変わらせること。

新たな素材や原材料の使用量を抑え、生産に必要な水・エネルギーの量の削減につながることから、サステナビリティを考える上で特に重要なことのひとつとなっています。

From: Harper's BAZAAR JP