Instagramに詩を投稿しつづけ、 現在では450万人のフォロワーを持つ詩人のルピ・クーア。詩集『ミルクとはちみつ』は、欧米で記録的なベストセラーになるほどの人気っぷり。
愛や性、女性性、そしてトラウマなどをテーマにした作品を発表してきたルピは、新しい作品集として「癒し」をテーマにした『Healing Through Words(原題:言葉による癒し)』を発表。
そこで本記事では、ルピが考える「癒し」のプロセスを、<Oprah Daily>のインタビューからお届けします。
【INDEX】
思いついたまま書く練習
- 本の冒頭で、深呼吸をし瞑想をしながら「トラウマ」という言葉から何を連想するものを頭に浮かべ、それから自由に文章を書くという「練習」が紹介されています。これはなにを促すもので、どのような目的があるのでしょうか?
自分の内なる思考に触れるために「フリーライティング」を実践しています。
朝、目が覚めたら「これについて書きたい」「あれについて書かなければならない」などの考えが浮かんでくるかもしれませんが、実際の癒しのプロセスは、その衝動を手放し、自分の潜在意識に任せることから始まると考えています。
書き直しや修正をすることも、書いたものが意味をなしているかどうかを気にすることもなく、最初に思いついたことをそのまま書くんです。完璧であろうとせずに、むしろその逆を心がけます。
書いている最中はよくわからなくても、書いてから5分や20分経つと、「これが自分の中で起こっていることで、この部分に焦点を当てるべきなんだ」と突然腑に落ちることがあるんです。
トラウマを乗り越えて
- 「自分の内なる“挑戦的な声”がトラウマに沈んでいく自分を奮い立たせ、有害だと思っていた“愛”を再定義することができた」と書いていますね。どう考えが変わっていったのでしょう?
何年もの間、私は性的虐待や女性の身体に向けられる暴力についてだけ書いてきました。でもある時、私はこのままではいけないと感じるようになったんです。
気づけば私は、自分の身体に対する愛や力を取り戻し、官能的な肉体の感覚を楽しみたいと思うようになりました。性的なトラウマを乗り越え、安心できる人、自分にふさわしい官能的な体験をもたらしてくれる人を見つけるには、どうしたらいいのかを考えるようになったんです。
「癒し」は「動詞」
- 「Healing Through Words」は、読者(性的暴力の体験がない人もに含めて)にどう響くと思いますか?
私たちは皆、物語を生きています。つまり、誰もが痛みを抱えているんです。自分の傷を掘り下げて、それでも生き抜くができるということを実感することが大切だと考えています。
私は、人間である以上、完璧な状態でいることはできないということを理解するのに長い時間がかかりました。
癒しとは「動詞」です。結果や成果ではありません。「人生もうおしまいだ」と感じてしまう経験をしたとしても、正しいアプローチをとることで心はさらに広くなり、もっと喜びを抱くことができるようになります。自分に対して慈愛心持つことを学ぶのは、最高のセルフケアなのです。
私が紹介する方法によって、痛みは現実のものだけど乗り越えることができ、そのおかげでより強くなったと感じれるようになることを願っています。
※この翻訳は抄訳です。
Translation: ARI
Oprah Daily