2017年に行われたゲイ男性向けの雑誌<Attitude>の調査によると、ゲイコミュニティ内において、いわゆる“いい身体”への強いプレッシャーを感じたことがあると答えた人は84%に及ぶという。
そんな中、ゲイコミュニティ内や、男性に対する世間のボディシェイミング(体型批判)について問題提起をしている、当事者の動画が注目を集めている。
ゲイであることを公表しており、TikTokで1万8,000人以上のフォロワーを誇るロスさん。プラスサイズモデルとして活躍し、日常的にボディ・ポジティブな投稿をしているロスさんは、ありのままの姿を映した動画をアップし、過去の経験を告白。
「『痩せていたらもっと魅力的なのに』と言われたけれど…何か言った?」
また別の投稿では、「太っている割に自信ありげだね」「美しくないのにそんなに自分の写真ばかり撮るのやめなよ」「太っている男性は魅力的じゃない」などという、自身が過去に投げかけられたという体型批判に関する言葉を並べ、「でも私は気にしません」と反論。
全米摂食障害協会(NEDA)によると、ゲイの男性の割合は男性全体の5%と言われているものの、摂食障害を持つ男性のうちのゲイの男性の割合は42%。
また、<Journal of Consulting and Clinical Psychology>に掲載された研究によると、摂食障害に加え、ゲイ男性はシスジェンダー男性と比較して、自分の身体に関する肯定感が低く、身体的魅力に対する懸念が大きいことがわかっている。
女性への体型批判が議論されることは多くなっている一方で、まだまだ議論されることが少ない「男性に対するボディシェイミング」。
もちろん、ジェンダーやセクシャリティに関わらず、ボディシェイミングはあってはならないこと。ロスさんをはじめとする当事者たちの発信をきっかけに、変化の必要性を感じている人は少なくないはず。