人間関係の悩みや将来への不安、 自信をなくす出来事など、人生には紆余曲折がつきもの。困難や苦悩は誰でも経験することだけれど、アプローチや考え方を見直すことで、そのダメージをおさえ、心の健康を保つことができる場合も。
本記事では、心の健康やバランスを保つことが得意な人たちに共通する考え方や習慣、行動などの特徴を、セラピストや心理学者の知見を交えてお届けします。
【INDEX】
「境界線」を引ける
「境界線」は、対人関係において自分がどのような行動をとるか、何を受け入れるか、受け入れないかを決めること。セラピストのアシュリー・マクガートさんは、「他人が自分をどう扱うかは、自分が自分をどう扱っているかのバロメーターになる」と説明します。
心理学者のガイ・ウィンチ博士は、境界線を作るには次の2つの段階があると言います。
- 自分の中でルールや限界を整理し、相手に伝えること
- その境界線を相手が超えた場合は、再度強調し繰り返すこと(NOを明示する)
たとえば、休暇を取ったにも関わらず、上司が緊急業務を要求してきたとします。急ぎであることは理解しているものの、相手に安心感を与えることよりも自分を優先することを心がけましょう。
そして、次に行うべきはフォローアップです。
休暇中に上司から緊急のメールが送られてきたとします。自分の時間や仕事から離れる権利を犠牲にするのではなく、休暇でオフィスを離れていること、不在中に緊急の質問がある場合はチームメンバーに連絡をするよう、はっきりと伝えましょう。
「立ち直り方」を知っている
人生は良いことばかりではなく、時に残酷で不条理なもの。しかし、逆境を楽しみ立ち向かい方を知ることが、心の健康につながるのです。
「真の強さとは、その瞬間にどう反応するかではなく、困難な出来事の後に立ち直る力(レジリエンス)で決まります」
感情的になることは悪いことではないものの、打ちのめされ続けることを選ぶのか、あらゆる手段を使って前向きさを取り戻すために奮闘することを選ぶのか、アプローチによって培うことのできる「強さ」が変わってくるのです。
「その瞬間に動揺したり怒りを表現することは、その後の回復力や忍耐力に直接つながることはありません。強さとは、一瞬で培われるものではなく、時間をかけてこそ見えてくるものなのです」
「反芻思考」をせず、感情移入しすぎない
「反芻思考」とは、ネガティブな出来事や心配事を頭の中で繰り返し再生すること。ウィンチ博士は、反芻思考によってストレスを感じることを繰り返すことで負の連鎖に陥ると説明します。
また新しい研究では、落ち込んでいたりうつ症状を抱える友人や家族に対して、感情的に寄り添いすぎてしまうと、同じように心理的な影響を受ける可能性を示唆しています。
「苦難を乗り越えるために感情のサポートをすることと、解決策に焦点をあてることの、バランスを保つことが大事です」
「自己肯定感」を高める方法を知っている
「BMC Health」誌に掲載された女性企業リーダーを対象とした研究によると、優しさと共感をもって自分自身に接することができる人は、ストレスが少なく、うつ病の発症率も低いと発表しています
「多くの人は、他人に対してよりはるかに自分に厳しく自己批判的」と、ウィンチ博士は指摘します。
「大切な友人を扱うように、自分自身を扱うことが大切です。それは自分にかける言葉でも、行動でも同じこと。自分の行動に責任を持つことを避けたり、目標を妥協したりすることではなく、“完璧ではなくても自分はベストを尽くしている”、そして“この状況から学び、人として成長できる"と自分を信じることが大切です」
「拒絶」されても自分へのリスペクトを失わない
「拒絶」は人生の一部。だからといって、誰にとっても他人から拒絶されることに慣れることはないはず。
拒絶をされることは大きな痛みを伴い、その理由を自分自身の至らなさや欠陥から理解しようとします。自分には価値のない、あるいは愛されることができないという考えに陥ることも。
その傷を和らげる最良の方法は、自分にとって大切にしている資質や価値観を尊重すること。たとえば、思いやりや忠誠心、創造性、勤勉さなど、どんな属性であれリストを作り、それぞれの資質がなぜ自分にとって重要なのかを短いメモに書きましょう。
最終的には、拒絶されるのは自分ではなく、誰かにとっての損だという考え方に転換させることが大切です。
※この翻訳は抄訳です。
Translation: ARI
OPRAH DAILY