性のこと、自分の体のこと、パートナーとのこと、そして自分が心地よさを抱けているかということ。これらは全部大事にしたい、「セクシャルウェルネス」です。

みんなのセクシャルウェルネス」連載では、自身の欲を満たし、性を肯定し、パートナーとのコミュニケーションもより豊かにするようなアイテムやサービスにフォーカス。それに対するこだわりや思い入れだけでなく、「自分に何をもたらすか」を掘り下げます。

つらい生理の日も休まず働いたり、なんとなく産婦人科にいきづらかったりすることを、自分も周りもつい「しかたない」と諦めているかもしれない。そんな状況に着目した「#しかたなくない 」プロジェクトに携わるおちばさんが登場!

おちばさん

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Ochiba
Creative Studio REING、NEWPEACE Inc.を経て、広告クリエイティブのプロデューサーとして活動。性やカラダにまつわる「しかたない」で諦めていることを見直し、変えていくソーシャルプロジェクト「#しかたなくない 」を中心に、ジェンダー、性教育、サステナビリティ領域でプロジェクトをプロデュース。

オーガズムに達しなくても満たされ…

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Ochiba

これまで7〜8種類のセックストイを試してきて、安価なものから1万円ほどするものまで使ってみたけど、今は価格も管理も手軽なiroha petitシリーズがお気に入りです。

iroha petitは使い切りだから後処理も不要だし、振動しないので静かに自分のペースで使えるのが好きなところ。硬いゼリーみたいになっているので、そのままだと少しひんやりしていて、気持ちいいです。温めて使うこともできます。

ベッドでリラックスして空想を繰り広げ、オーガズムに達しなくても、満足したらそこでやめることも。お気に入りの入浴剤を使って長めのお風呂に入るように、本当に自分をケアする感覚で使う感じです。余裕があってのんびりとリラックスできる、日常のちょっと特別な時間になります。心が満たされるんです。

挿入型のグッズやクリトリスの吸引グッズなども好きなのですが、セルフプレジャーへのモチベーションがすごく高まってないと私は使う気になれなくて…。機械音などを気にし始めると、気持ちが少し萎える感覚がありますが、そんな私にもぴったりです。

ひとりでも買いやすい!

使ったきっかけは、知り合いにいただいて。それ以降は、自分でお店やネットで購入してます。irohaのシリーズはどれもそうですが、デザインが落ち着いているので、ひとりでも買いやすいと感じます。

(今はもうないけれど)渋谷パルコにポップアップストアがあったときは、コスメ感覚で買えて、良かったです。家の近くで探そうと思うと、バラエティショップの“アダルトコーナー”になるので、気軽には行きづらく…。

もっとフラットに買える場所が増えたらうれしいなあと思います。コンビニとかにあったらいいな! (取り扱ってるコンビニもあるのかな? )

a blue bird statue next to a tea set and a teapot
Ochiba

「興味があるのは悪いことじゃない」

なんでも好奇心旺盛なタイプなので、大学生からいろいろ試してみたい! と思って、トイなども使ってきました。

でも中高生のときは、性に対してネガティブなイメージが強かったです。男女が別の校舎に分けられている高校に進学して、女子だけのクラスだったので、似た考えをもっている人も多く。また、なぜ“性に潔癖”だったのかについて振り返ってみると、正しく性教育を受けてこなかったことも大いに影響していると思います。

大学生になり、女の子も当たり前にセックスを主体的に楽しんでいいし、性に興味があるって悪いことじゃないという知識や考えを得てからは、セックストイに対しての印象が変わりました。

大切に感じられるようなトイがほしい!

振動が強すぎて腕が疲れてしまうものや痛みを感じる形状のもの、音が大きいものなどは、私にとっては作りが“荒々しい”と感じてしまいます。そうすると、おおげさに聞こえるかもしれないけど、自分の尊厳を傷つけている気持ちになっちゃう。

新しく買うものは、自分のことを大切に感じられるようなトイがほしいので、どんな想いで開発されたのかとかも知れるとよりうれしいですね。たとえばDameというブランドは、「男女間におけるセックスの性的快感のギャップを埋めること」をミッションに女性2人がはじめたものなんだそう。

日本の「性やセクシャルウェルネス」に関するビジネスは、いまだに女性やマイノリティの声や権利が軽視されたり、女性やマイノリティに収益が還元されない構造が多いので、開発者が当事者であり、ブランドの考えに共感できることは自分にとって大事な要素。実際、Dameのプロダクトはとても使ってみたくなりました。