男性の性機能障害の一つとして、認知度も高い「勃起不全（ED）」。実は、10代を含むあらゆる年齢で発症するもので、40〜70歳の男性は約半数が、そして70歳以上の男性は約70％が経験するとも言われています。
発症者数は伸び続けている傾向にあり、とある研究によると、2025年までには3億2,200万人に上ると推定されているほど。
そこで本記事では、勃起不全の一般的に考えられる原因と治療法、予防対策を、泌尿器科に勤めるデイビッド・ラルフ医師と、「インターナショナル・アンドロロジー」の泌尿器科医ジュリオ・ガラファ医師、一般開業医のルーク・プラットサイド医師の解説のもと紐解きます。
【INDEX】
勃起のメカニズム
性的に興奮すると脳から信号が送られ、陰茎内に血液が充満することで「勃起」が起こります。
この過程において、神経、ホルモン、筋肉、静脈、動脈など、体内の様々なシステムが正常に起動する必要があり、そのうちの何かに障害があると勃起が妨げられると言われています。
勃起不全の原因
勃起不全の原因は日常生活に深く関係しており、たとえば、仕事や人間関係でのストレス、精神的な苦痛のほか、過度な飲酒や疲労などが挙げられます。
「勃起不全は一般的であるものの、その背後にある根本的な原因によっては、複雑なケースもある」と、プラットサイド医師。
「糖尿病や高コレステロール血症、低テストステロン症などの身体的疾患のほか、不安やうつ病などといったメンタルヘルスの状態が根本的な原因である場合は注意が必要です」
このような症状に自覚がある人や、勃起不全に悩む頻度が多い人、勃起不全が交際関係において“問題”になってしまった場合は、医療専門家に相談するべきとのこと。
身体的な要因
- 心臓病
- 血管の詰まり（アテローム性動脈硬化）
- 高コレステロール
- 高血圧
- 肥満
- 糖尿病
- メタボリック・シンドローム
- 腎臓病
- 慢性アルコール依存症
- パーキンソン病
- 多発性硬化症
- 血管疾患
- 神経系疾患
- ペロニー病
- 薬物乱用
- 睡眠障害
- 前立腺がんや前立腺肥大症の治療
- 骨盤または脊椎に影響を与える手術または怪我
- 低テストステロン、またはホルモンバランスの乱れ
- 膀胱手術 など
精神的な要因
勃起不全の治療方法
勃起不全の治療方法は、原因によってアプローチが異なります。
禁煙したり、余分な体脂肪を落としたり、アルコールを制限したり、運動量を増やしたりなどといった生活習慣の改善で治ることもあれば、カウンセリングや医療措置、稀に手術などで治療をする必要があることも。
勃起不全の医療的措置
- ジェネリック医薬品
- 塗り薬
- 陰茎注射
- 陰圧式勃起補助具
- 衝撃波治療
- 陰茎インプラント手術
- 血管手術 など
日常生活で気を付けたいこと
ここからは、勃起不全の予防策として心がけたい生活習慣をご紹介。
健康的でバランスの取れた食事をとる
ガラファ医師が推奨するのは、フルーツや野菜を積極的に摂取し、糖分や精製品を制限した「バランスの取れた食事を徹底する」こと。
プラットサイド医師もこれに賛同し、必要な栄養素をしっかりと摂取する大切さについてこう語っています。
「パン、米、砂糖などの精製された炭水化物は避け、十分なタンパク質、および健康的な脂肪源を取り入れるようにしてください。抗酸化物質や微量栄養素が豊富に含まれている果物や野菜の摂取量を増やすことも推奨しています」
「心臓の健康を保つうえでは、ひよこ豆やナッツなどの豆類も積極的に取り入れましょう」
禁煙する
プラットサイド医師によると、喫煙は血液循環を悪化させるため、細かい血管が多い陰茎部は比較的影響が出やすいといいます。
運動する
勃起機能は、血流が健康的であることが要。そのためにも、「心臓をできるだけ健康に保ち、血流を改善しましょう」と、プラットサイド医師。
運動を通してより多くの筋肉を動かすことで、心臓はより強く、健康的になるため、特に複数の筋肉群を使う水泳がオススメなんだとか。
メンタルヘルスをケアする
精神的な健康状態は、身体をコントロールする脳信号に影響を及ぼします。そのため、不安やストレスは勃起不全を引き起こし、勃起不全によって更なるストレスを生んでしまうという悪循環が起きてしまうとのこと。
そのため、専門家たちは、瞑想やヨガなどのリラクゼーション法を習慣的に実践することで、このサイクルから抜け出すことができると指摘。
また、不安、うつ病、あるいはトラウマなどに悩んでいる場合は、かかりつけ医に相談のうえ、カウンセリングを検討してみましょう。
※この翻訳は抄訳です。
From: netdoctor
