ノミネート作品の制作スタッフや起用された役者が白人に偏っていたことから、過去には「白すぎるオスカー」などと、その選定方法に批判が集まっていた米アカデミー賞。そんな中、同アワードを主催する映画芸術科学アカデミーは、作品賞を授与する作品の選定法において、新たな条件を設定すること決意。

2020年9月9日(日本時間)、映画芸術科学アカデミーがとある投稿をシェア。そこには、2024年度から新たな基準を反映させることが綴られている。

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
「変化が始まります。第96回アカデミー賞を皮切りに、最優秀作品賞の受賞資格において、新たな表現・包含基準を設けることをここに発表します」

新ルールは、①スクリーン上における表現、テーマ、物語、②クリエイティブなリーダーシップとプロジェクトチーム、③業界へのアクセスや機会、④オーディエンス発展、という4つの基準のうち2つ以上を満たしていないと、作品賞において選考対象外になってしまうというもの。

これによって制作スタジオや映画会社、配給会社などでは、現在業界内でマイノリティとされる人種やジェンダー、セクシャリティ、障害を持つ人々などを各部署に配置することが必要となってくる。また、映画の出演者だけでなく、インターンやマーケティングに関わる人々においても、多様性を反映させる必要が。

映画芸術科学アカデミーのホームページに掲載されたリリースでは、アカデミー会長のデビッド・ルービン氏と、アカデミーCEOのドーン・ハドソン氏は次のようにコメント

「映画の制作と観客の両方における、多様でグローバルな人口を反映させるために、門戸を広げていかなければなりません。 アカデミーは、これを実現するために重要な役割を果たすことを約束します。私たちは、これらのインクルージョンにおける基準が、業界に長期に渡って、本質的な変化をもたらすきっかけになると信じています」

直近の2021年のアカデミー賞ではまだ大きな変化は現れないものの、徐々に時代に寄り添った方向へと向かう映画業界。新基準によって、映画の内容やトレンドにも変化が生まれるのか、注目していきたい。