チャールズ国王は、いくらか落ち着かない気持ちで新年を迎えることになったかもしれない――。デンマークのマルグレーテ女王が2023年の締めくくりに国民に向けて行ったスピーチで「退位の意向を表明」したことに伴い、イギリスでも「国王はウィリアム皇太子に譲位すべきではないか」との議論が高まっているという。

アメリカの『ニューズウィーク』誌は、イギリスの『ガーディアン』紙が「国王はデンマークにならうべき――退位の時期を明確に示すべきだ」とする意見記事を公開したことを紹介。“王室寄り”とされるメディアを含めたイギリス国内の複数の報道機関が、譲位について取り上げたことを報じている。

『ニューズウィーク誌』によると、『デイリー・メール』紙は王室ジャーナリストのフィル・ダンピエール氏を“独占取材”し、国王の退位の可能性に関するダンピエール氏の考えを伝えている。

「人々が考えているのは、チャールズ国王は自身の健康状態に問題が生じれば、あるいはウィリアム皇太子とキャサリン皇太子妃が若いうちに王位を継がせるのに適切なタイミングがきたと考えれば、5年や10年のうちに同じこと(譲位)を検討するかどうか、ということでしょう」

「亡き(エリザベス)女王は決して、退位を考えませんでした。それは、1936年に伯父が退位したことが理由で、父が即位することになったからです。ただ、時勢は変わります」

official picture released of king charles iii, queen consort and the prince and princess of wales
Chris Jackson//Getty Images

そうしたなか、アメリカのニュースサイト『デイリー・ビースト』は、ウィリアム皇太子とチャールズ国王の間で「緊張が高まっている」と報じている。それは主に、皇太子がこれまで以上に「コントロールできる」力を持ちたいと望んでいるためだという。

これについて、バッキンガム宮殿の職員だったある人は、次のように説明している。

「チャールズ国王は誰かに指示されることに“アレルギー”があり、ウィリアム皇太子はデリカシーがあることで有名というわけではありません。ですから、親子が衝突することは、きっとあるでしょう」

「ただ、それは総じて有害なものではなく、有益なライバル意識と受け止められていると思います。ウィリアム皇太子は“ファーム”(王室)のトップとしての父親の『地位』を尊重していますから」

いっぽう、国王と皇太子の両方のもとで働いたことがある別の王室関係者は、仕事に対する考え方の違いを指摘している。

「ウィリアム皇太子とキャサリン妃は、例えば親を亡くした人には、2週間の休暇を与えるといった対応をとるでしょう。ですが、チャールズ国王のオフィスには、ワーカホリック(仕事中毒)の雰囲気があります」

…チャールズ国王は今後、どのような決断を下すことになるのだろうか?

From COSMOPOLITAN US