ウィリアム皇太子は1995年にイートン校に入学し、(それまでの君主の子息たちは、代々王室の家庭教師から学んでいたため)学校で学んだ初の「高位」ロイヤルとなりました。

大学を選んだ理由

皇太子はイートン校を卒業後、1年間のギャップイヤー(高校卒業から大学入学までに様々な活動を経験するためにとる期間)を終えてから、スコットランドのセント・アンドリュース大学へ入学する意向を発表し、大学においても王室の伝統にとらわれない道を選びました。

また、父であるチャールズ国王は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジで学び、大学の学位を取得した初の王位継承者となりました。大学へ行った他のロイヤルファミリーは、主にオックスフォード大学かケンブリッジ大学に進学しているため、ウィリアム皇太子がセント・アンドリュース大学を選んだのは、異例のことと言えます。

そして皇太子は大学に入学する少し前に、その理由を次のように説明しています。

「別の場所でも暮らしてみたかったので、これまで住んでいたイングランドの大学は選びませんでした。また、将来的にウェールズにもたくさん訪れるだろうと感じていました」
「そして何より、私はスコットランドを愛しています。広々としていて、私の好きな丘や山がありますし、セント・アンドリュース大学には本物のコミュニティを感じることができます」
prince william enters final year at st andrews university
David Cheskin//Getty Images
大学内で佇むウィリアム皇太子、2004年撮影。

王室は、2000年8月に「ウィリアム王子(当時)は第一志望のセント・アンドリュース大学への入学を許可されました」という声明を発表し、皇太子は2001年秋に同大学へ入学。

当時、皇太子は大学入学資格でAレベルの結果が出るまで決断を保留していました。Netflixで配信中のドラマ『ザ・クラウン』に描かれているように、王子は地理でA、美術史でB、生物学でCを獲得。チャールズ国王は声明で、「私は、ウィリアムがこの素晴らしい成績を収めるためにどれほど努力したかを知っており、それを成し遂げた彼を大変誇りに思います」と述べています。

第一志望は同じくスコットランドにあるエディンバラ大学だと噂されていましたが、ウィリアム皇太子は後に、自身の好みから「都会すぎる」という理由でエディンバラを選ばなかったことを明かしています。

ドラマ『ザ・クラウン』で大学生活を描いた場面も

ウィリアム皇太子がセント・アンドリュース大学で過ごした日々は、エド・マクヴェイが皇太子役を演じた『ザ・クラウン』シーズン6で描かれています。そこでは、皇太子が大学を中退したいと考えていたときに、同大学に在学していたメグ・ベラミー演じるキャサリン皇太子妃が、大学に留まるよう彼を説得する場面も(これは実際の出来事だそう)。

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Andrew Milligan - PA Images//Getty Images
セント・アンドリュース大学で『ザ・クラウン』の撮影を行う、エド・マクヴェイ。

ロイヤルファンならご存じの通り、この大学は皇太子夫妻が出会った場所。ウィリアム皇太子は2014年、NYで開催された同大学の創立600年記念パーティで、次のようにジョークを飛ばしていました。

「セント・アンドリュース大学の学部生の間でよく言われていたのが、『大学を卒業するときには結婚しているか、アルコール依存症になるかのどちらか』でした。幸いにも、私はキャサリンと結婚することになりました」

皇太子はドラマのなかだけでなく、実生活でもスコットランドの大学生活を楽しんでいたそう。彼は卒業にあたり、「ここで過ごす日々を楽しいものにしてくださった皆さまに、心から感謝申し上げます。(中略)ここでは、私が望んでいた通り“普通の”学生生活を送ることができました。これを実現させてくださった皆さま、そして地元の方々にもとても感謝しています」と語りました。

From: 25ans