コメディアンや俳優としてだけではなく、脚本家やプロデューサーなど幅広く活躍するエイミー・シューマー(40歳)。そんな彼女が、<The Hollywood Reporter>のインタビューで長年付き合ってきた、自身の髪の毛を抜いてしまう「抜毛症(トリコチロマニア)」について明らかに。

3月25日(現地時間)に公開された同誌のインタビューで、自身の幼少期と主演、脚本、監督、製作総指揮を務める新しいテレビシリーズ『ライフ・アンド・ベス』について語ったエイミー。

そこで、毛を抜きたいという強迫観念を引き起こす「抜毛症」と何年も向き合ってきたことを告白。

「誰にでも大きな秘密があると思いますが、それは私も同じです。私の大きな秘密は、たった一つ。自分を傷つけてきたことです。このせいで長い間、恥を抱えてきました」
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エイミーの抜毛症は、父親が破産を宣言し、多発性硬化症と診断され、母親は夫の親友と一緒になるために父親と自分を残していった頃に発症。人生の中で、最も困難な時期だったという。

そうしてエイミーは、復学する前にウィッグを着用しなければならないほど多くの髪の毛を引き抜いてしまったそうだが、このことは「誰もが知っていた」とも明らかに。

「この問題は今も抱えていて、苦労しています」

またアメリカ国立衛生研究所(NIH)によると、抜毛症は遺伝的要素があるため、2歳の息子にも同じ症状が出るかもしれないと心配しているとコメント。

「息子が頭を触るたびに、心臓発作を起こしそうです」

3月18日から公開されたドラマ『ライフ・アンド・ベス』でも、自身が演じる主役のベスを通して、抜毛症について探求しているともいうエイミー。そんな彼女は、同シリーズで抜毛症のリアルを見せることで、彼女と視聴者の双方が恥を和らげるのではないかと期待しているそう。

「私はもう大きな秘密を持ちたくないのです。この作品で抜毛症を描くことで、私の中の“恥ずかしい”という気持ちを軽減できるのではないかと思ったし、願わくば他の人たちの軽減にもつながればと思いました」

さらにエイミーは、同ドラマで自傷行為の描写に視聴者への警告のフラグが立っていないことに驚いたと明らかに。その後、クレジットの最後に次のような“注意書き”を掲載。

「あなたやあなたの知り合いが身体集中反復行動症を経験した場合、TLC財団はサポートとリソースを提供します。そして、もっと詳しく知ることができるウェブサイトも紹介しています」

子どもと大人の不安障害の認識を高め、診断や治療を改善することを目的としたアメリカの非営利団体「アメリカ不安神経症協会(ADAA)」によると、抜毛症は2歳未満で発症する人もいるが、2020年3月の時点で60歳以上で発症した記録はないとのこと。

また抜毛症は思春期以前は性別に関係なく発症するが、思春期以降は女性の方が5~10倍発症しやすく、幼少期や思春期のストレス時に発症することが多いともいう。

長年抜毛症に悩んでいたことを明らかにしたエイミー。自分と同じように悩む人の気持ちに寄り添おうとする彼女の姿は、多くの人の反響を呼ぶかもしれない――。

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