映画『氷の微笑』で女優としての地位を築き上げ、62歳の今も美しく活躍し続けている女優シャロン・ストーン。1996年のアカデミー賞授賞式では、当時GAPの黒のTシャツで登場し、話題に! その衣装を着た理由を、4月16日(現地時間)モデルのナオミ・キャンベルのYouTubeチャンネル「No Filter With Naomi」で24年ぶりに明らかにした。

the 68th annual academy awards
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実は授賞式用に用意していたドレスは2着あったと話したシャロン。この歴史的ファッションが生まれた背景にはある事件が…。

「私の長年の友達であるヴェラ(ヴェラ・ウォン)が私のために2つのドレスを作ってくれていたの。1つはフォルトゥーニ(ヴェネツィア伝統の柄)を使ったドレス。このドレスは素材が伸びたり、変化したり、動いたりして、うまくいくかわからなかったけど試してみたかったの」
「もう1つは素敵なピンクのドレスも作っていたわ。そしてドレスが届いたんだけど、FedExの宅配の男性がトラックの後ろから箱を出した後に、トラックをバックしてその箱を轢いてしまったの。 箱は壊れて開いて、ドレスの前全体に黒のタイヤの跡がくっきり! オスカーの前日にね」

1996年のアカデミー賞に映画『カジノ』で主演女優賞にノミネートされていたシャロン。レッドカーペットを歩かない、なんて選択肢はない…!

「もうパニックだった。だってノミネートされていたし、まだ駆け出しの女優だった私にとって、人生でもっとも重要な出来事だったから。ボブ(『カジノ』の主演俳優だったロバート・デ・ニーロ)やマーティ(『カジノ』の監督マーティン・スコセッシ)と一緒に働けるっていうのもね。だから信じられなかった」

パニックになったシャロンは、映画『氷の微笑』の衣装担当だったエレン・ミロイニックに助けを求めたそう。すると、エレンは「クローゼットから好きな服を持ってきて」と一言。

好きな服と言われて困ったシャロンは、ひとまず黒の服を全部持ってこようと思い、ひたすらベッドルームの床に並べたという。

「結局私たちはGAPのTシャツと、既製品のヴァレンティノのスカート、ジャケットとして着たアルマーニのタキシードドレスを選んだ。そして庭からクチナシを摘んだの。それでコーディネートが出来上がったわ」

さらになんと授賞式の当日、髪をまとめているときに、シャロンのお母さんがGAPのTシャツの脇の下に穴が開いていたことに気づき、出発するギリギリまでこの穴を縫っていたことも明かした。

この衝撃的なエピソードにナオミも思わず「GAPにとって最高の広告じゃない!」とコメント。その年のアカデミー賞は映画『デッドマン・ウォーキング』でスーザン・サランドンが受賞したものの、歴史上に残るこのファッションが生まれたのは、このハプニングがあったからこそ。

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実は2年後の1998年のアカデミー賞では、ヴェラ・ウォンのスカートに、またしてもGAPの白シャツを合わせて出席。シャロンがGAP好きであることは間違いなし!?