興味があってもなんとなく行きづらく、その実態があまり知られていないストリップショー。でも実際にストリップダンサーとして働くのは、どんな感じなのか気になりませんか?

コスモポリタン イギリス版では、現在アメリカでポールダンサー&ストリップダンサーとして4年間働いているルビー・ウィンチェスターさんに、ストリッパーという職業についてインタビューしました。

1. どうしてストリップクラブで働くことになったんですか?

「私は生涯を通じてずっと踊ってきたわ。でも18歳の時に膝を痛めてしまって、ダンサーへの道が絶たれてしまった。その後、自分のダンススタジオを始めたけど、そこは閉めて両親の元へ戻ったの。(仕事を申し込んだとしても)私を雇うダンススタジオはなかった。私が生徒を横取りするつもりだと思ったみたい。そんな時に親友が『ポールダンスのスタジオに行くから、一緒に来なさいよ』って誘ってきたの。その時は咄嗟に『行かない!』って思った。でも結局、行ったその日からすっかり夢中になって。その頃、私と夫はいくばくかのお金が必要な状況になったの。そして私の目に、ポールダンススタジオと同じ駐車場を使っているストリップクラブが飛び込んできたわ。そこで私達は『やってみようか?』ってなったのよ」

2. 勤務時間はどのようになっていますか?

「とっても厳しいわ。私が働くクラブは昼間のシフトと夜のシフトがあるの。夜のシフトでは出勤時間は6時半から7時の間で、退勤時間は早朝3時。少なくとも週4日は出勤しないといけないの。決まりを破った場合、また戻ってきてダンスしたければ罰金を支払わないといけないのよ」

3. ステージでは全裸になるんですか?

「静かであまり人がいない夜なら、私はトップレスになって踊るわ。私のバストはとても大きいの、両方ともサイズD(日本のEカップに相当)なのよ。隠してるときは、男たちは中を覗きたくてたまらなくなるの。実はこれが、私が最も稼いでる方法なのよ。ステージでは胸は隠しておいて、(個室で特別料金を払う)ラップダンスでだけ見せてあげるの。ちなみにアメリカでは、全裸になるのが許されるか否かは、州によって法律が違うのよ」

4. 一晩で稼ぐお金は?

「ストリップクラブは時給では雇ってくれないわ、チップだけが頼りなの。この仕事の難しいところは、あなたは独立した業者とみなされる点。だからステージに立っている間は、場所を借りている立場になる。そして1日の終わりにはクラブに場所代を払うんだけど、それが10ポンド(約1,500円)の時もあれば、450ポンド(約6万7,000円)の時もあるの。DJにだってチップを払うのを忘れないわ。そうでなかったら、自分で歌いながら踊る羽目になっちゃうんだから。

私は他の子達よりも稼いでるけど、他の子達より私の方がいいダンサーだからじゃないわ。私がふっくらしていて、プラスサイズだから。他の子達はみんな細身なの。私の一晩の稼ぎはだいたい300~380ポンド(約4万5,000円~5万6,000円)くらいかな。ほとんどはラップダンスの稼ぎよ」

5. 居心地の悪さや、危険を感じたことはありますか?

「危険だと感じたことはないわ。でも居心地の悪い思いならしたことがある。ストリップクラブでの最初の夜、私はものすごく緊張したわ。怖くて、ヒールを履いた足がガクガク震えてた。でもパフォーマンスには自信があったから、一旦ステージに上がってしまえば、私はすぐに人気者になったわ」

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Image Source//Getty Images

6.ストリップクラブについて多くの人が誤解していることは?

「多くの女の子が、彼がストリップクラブに行くこと=浮気だと思って激怒するの。でもそんなことはないわ。性的な接触は全くないの。私たちはTバックを履いたセラピストのようなものよ。男性は自分の人生で起こっていることや、家庭のことを話しに来るの」

7.記憶に残っているお客さんはいますか?

「以前、70歳くらいのお客さんがよく来ていたわ。彼はとてもチャーミングな人で、女の子達にラップダンスを頼むんだけど、相手に躍らせないのよ。『どうしてこんなところに来るのかしら』って思っていたんだけど、実は奥さんが亡くなって、コミュニケーションを欲していたの。彼が最初に私を指名してきたとき、私は泣きたい気持ちになったけど、アイライナーがぐちゃぐちゃになるから我慢した。ただ彼を抱擁してあげたかったわ」

8.ステージに上るのは気分がいいですか?

「ええ、ステージに上がることは私をセクシーな気分にしてくれるし、自信が天井まで突き抜けるようだわ。自信を持ってやり切った時、お金が舞い込んで来るの。自信たっぷりに見えれば見えるほど、舞い込んで来るお金もどんどん増える。これでも、以前はとっても恥ずかしがり屋だったのよ」

9.仕事の嫌な部分は?

「揉め事ね。(職場は)女子の集まりだから、なるべく揉め事を起こしたり、巻き込まれたりはしたくない。『私のお客をあの子が取ったわ!』っていう嫉妬は常に起こるの。私はある子が、別の子を衣装部屋に引きずり込んで行くのを見たわ。その子は催涙スプレーを取り出したの。2人を引き離そうとした人たちはみんな、催涙スプレーを顔に浴びる羽目になったわ。私は顔がすっかり腫れて、そのままステージに立たざるを得なかった。

それと、長時間ハイヒールを履く仕事だから、みんなが想像する以上に靴擦れがたくさんできるの。仕事の翌日は歩くのも一苦労なのよ」

10. ストリップをセックスワークだと思う人はいますか?

「そう考える人もいるわ、でも私たちはセックスワーカーとは違うの(もちろん、セックスワークが悪いと思っているわけではないわ)。それと、私達は男をパートナーから奪い取る存在でもない。私たちが欲しいのは彼のお金であって、彼自身じゃないの」

11. あなた達が、他に選択肢がなくて仕方なくこの仕事をしている…と思っている人たちもいるようですが、その通りだと思いますか?

「そうは思わないわ…店員になることだってできるでしょう? 私の友達のストリッパーには、博士号を持っている元大学教授もいる。彼女はこの仕事が好きで、他の女の子達に自分の性を受け入れるためのパワーを与えたくてやっているの。女性は何にだってなれるし、それは自分でコントロールできるのよ。私にとって踊ることは、フェミニズムの一環なの」

※この翻訳は、抄訳です

Translation:山下 英子

COSMOPOLITAN UK