さまざまな定義がありますが、「クリーンビューティ」とは、「ナチュラル」「オーガニック」「フレグランスフリー」などのコスメを指すワード。または、「問題のある成分を含まない製品」を意味する言葉としても使われます。

そのため、クリーンビューティを日々の生活に取り入れたいと思っている人にとって、この言葉は少々混乱を招くものかもしれません。NYを拠点とする皮膚外科医のフーマン・コラサーニ氏は、「現在、クリーンビューティの化粧品を承認する管理機関は存在しません」と語っています。

つまりコラサーニ氏によると、クリーンビューティを構成する公式のガイドラインも存在しないということ(アメリカ食品医薬品局は、ラベルの偽装表示や汚染された美容製品については関与しますが、マーケティング用語については規制していません)。

今のところ、この言葉は解釈により意味合いが異なりますが、多くの場合「クリーン」という言葉は、ブランドや小売業者が設定した一定の条件を満たす処方を示すために使われています。

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目の肥えた消費者になって、自分の価値観に合った製品やブランドを見つけるには、信頼できる専門家に相談するのも賢い方法。そこで、コラサーニ氏に、クリーンビューティ製品を購入するときの5つのポイントを教えてもらいました。

※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。


【INDEX】


1. 原料の具体的な調達先を調べる

クリーンビューティ製品を購入するうえで最も重要なポイントは、配合されている成分と、その成分をどこで調達したのかを、ブランドが明確に示しているかどうかを見極めること。

成分が「オーガニック認証の農場で収穫されたものか」や、「認証や実際のデータでサステナビリティを裏付けることができるか」をチェックしてみて。もしこれらの点をクリアしていれば、良いサインです。

コラサーニ氏は、「クリーンビューティのプロダクトを探すときに重要なポイントは、企業の透明性です」と述べています。

2. 信頼できるブランドを選ぶ

ブランドのウェブサイトやSNSなどで、“クリーン”の基準や、原料の調達、製品の製造工程、認証に関する情報などをチェックするという手もあります。

たとえば、「自社農園で生産された高品質のオーガニック原料を使用している」、「刺激の強い化学物質を一切使用していないことを保証している」など、気になる点を調べてみるといいかも。

3. 天然成分=安心というわけではない

「天然成分」という言葉もクリーンビューティを想起させますが、クリーンビューティと同じく、この言葉も規制されていません。

「天然美容成分をうたう製品は、ラボで人工的に作られたものではないことを意味します」「“自然に”作られた製品だからといって、肌や健康、環境に害がないとは限りません」(たとえば、皮膚炎を引き起こすツタウルシも天然成分です)とコラサーニ氏。

効果的かつ肌に安全でナチュラルなフォーミュラを見つけるには、どんな天然成分をどんな理由で配合しているのかを、意識的に考えているブランドの製品を選ぶようにするのがポイントです。

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4. オーガニックを理解する

「オーガニック」という言葉は、米国農務省をはじめ、各国の認証機関が統括しています。コラサーニ氏によると、オーガニック美容製品とは、有機農業の基準に沿った原料を使用し、オーガニック認証を受けた成分を含むものを指します。

「つまり、栽培の過程で農薬や化学肥料を使用していない原料のことです」とコラサーニ氏は説明。

5. 避けたい成分を決めておく

クリーンビューティの領域では、いくつかの成分が話題になったことがあります。

そのうちのひとつが、防腐剤として広く使われているパラベン。コラサーニ氏は、「ある特定の成分は、酸素に触れると異なる反応を示し、体内に混乱をきたしたり、皮膚を刺激したりする可能性があることが研究で明らかになりました」と説明します。

パラベンやフタル酸エステル、硫酸エステル(化粧品、美容品、洗剤などに使われる防腐剤や劣化防止剤)など、一般的に「クリーンでない」とされる成分が含まれていないかどうかは、製品の外箱の表示で確認できます。

皮膚科医に相談し、自分にとって何が重要かを考えて、自分の肌に使用したくない成分を決めておくことが大切です。

Translation: Masayo Fukaya From Oprah Daily

From: Harper's BAZAAR JP